宮澤崇史「Covid-19とツールドフランス」

Posted on: 2020.09.15

ツールドフランスレースディレクターの、プリュドム氏が7日降りにツール復帰

フランスのCovid-19の自粛期間は1週間と、日本に比べると7日間も短い自粛期間になっている。

感染の強い陽性反応が出てから7日間という事だが、現状フランスでは過去最大級に感染が広まっている。

人口6700万人の国で、毎日1万人弱が感染しているのだからその勢いは凄まじい。

特にこん後ツールが通る東フランスは感染者数の多い地域となる。

選手やチームから見ると、ツールドフランス関係車同士の感染から、万が一チームへの感染が広まってしまったとすると、チームごとレースを去らなければならなく、プリュドム氏の復帰は穏やかな状況ではないだろう。

今できる事は、ホテルでは食事、マッサージ以外部屋から出ない・ホテルでの速やかな移動・バスからスタート地点への最短ルート・レース後はチームバスに乗り外部との接触を避ける。

このサポートをするスタッフは、ホテル関係者との接触をなるべく避けるため、独自に準備しチーム関係者内で全て済ませる必要がある。(ある意味選手よりも心身ともに疲れるだろう)

それもこれも、優勝を目前としているチームや、今後のスポンサー状況を考えるとこのツールドフランスで活躍しないと、来季へのチーム存続に暗雲が立ち込める。

幸いツールドフランスはチームと関係者が同じ空間に入る事はそれほど多くないが、神経をすり減らしているスタッフは最後の1週間をどう乗り越え、無事にパリに辿り着けるか。

まさに過酷を極める3週目への突入となるだろう。

https://www.lequipe.fr/Cyclisme-sur-route/Actualites/Le-directeur-du-tour-de-france-christian-prudhomme-positif-au-covid-19/1169395

▷ツール・ド・フランス オフィシャルHP
https://www.letour.fr/en/j-sports-landing-page

AUTHOR PROFILE

宮澤 崇史 みやざわ たかし/1978年生まれ。イタリア在住自転車プロロードレーサー。高校生でシクロクロス世界選手権に出場、卒業後イタリアのチームに所属。しかし2001年、母に肝臓の一部を生体移植で提供し手術のハンディもあり戦力外通告を受ける。再びアマチュア選手としてフランスで活動し実績を重ね 2007年アジアチャンピオン、2008年北京オリンピック出場、2010年全日本チャンピオンになる。2012・2013年はカテゴリの最も高いUCIプロチームに所属。2014年のジャパンカップで現役を引退。 筆者の公式ブログはこちら

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