宮澤崇史「強い選手の条件」

Posted on: 2021.02.25

強い選手の条件とは?

レースを走っている人なら、1度は聞きたい内容かもしれない。

結論から言うと、「レースで強くなれる選手が結果的に最大限伸びていく」

多くのミーティングや、ブログを見ていて感じる事は、

「今回のレースはこんな展開で、これくらいしか走れなかった。練習しなおして来ます!」と言う内容だ。

いやいや、強くなる選手はレースで強くなるんやで〜と叫びたくなる。

練習はレースのためにする!と「良いトレーニングとは」で書いたが、レースでダメな事をトレーニングで補えるのは僅かだ

レースで結果を出すためには、レースで強くなることが1番の近道。

その近道をわざわざ遠回りする必要はない。

トレーニングでできることと、レースでしかできない事をしっかりと分けて考えよう。

トレーニングでできる事は、「やり直しのきく走りの繰り返し」。

レースでしかできない事は、「やり直しがきかないので、自分の弱さは見せないで走ろう、その上で最大限今までの失敗は2度と繰り返さない」ことが重要になる。

トレーニングで強くなるには長い時間がかかる。もしかしたら、自分の伸び代を使い切った頃に気づくことも多い。

だからこそ、強くなれる時期にレースで強くなることがと〜っても重要になる。

過去にも、「10年前宮澤さんが言ってた事が、今すごく良くわかります!」と言われるのだが、僕からすると「それでは遅いから10年前にわかって欲しくて言ってたんだよ」。

そして、今ではもう遅いんだよね。と

じゃぁどうすればいいか。。。

簡単な言い方をすると「レースで強くなるため」には、

少なからずそのレースで第3者が見ても印象に残る走りをしよう!

レースで勝つ事はもちろん重要な事だ。

しかし、勝つまでには多くの要素が必要になる。その要素はレース内の経験で自分が感じた事しか身に付ける事はできない。

レースで多くのことを試すことによって、自分の可能性「どんなチャンスが自分にはあるのか?」と向き合う必要がある。

だからこそ果敢に挑戦する事が大事なのではないだろうか。

勝てないレースでなんとなくいい順位に入る事は誰の印象にも残らない。

しかし、勝てる展開に果敢に挑戦して、砕け散ったレースには自分の中に多くのヒントを作ることができる。

「あなたは今日のレースで、何を新たにできるようになったのか?」

毎回それを自分自身と向き合いながら、勝利だけではない自分が成長するきっかけを見つけるレースをして欲しい。

AUTHOR PROFILE

宮澤 崇史 みやざわ たかし/1978年生まれ。イタリア在住自転車プロロードレーサー。高校生でシクロクロス世界選手権に出場、卒業後イタリアのチームに所属。しかし2001年、母に肝臓の一部を生体移植で提供し手術のハンディもあり戦力外通告を受ける。再びアマチュア選手としてフランスで活動し実績を重ね 2007年アジアチャンピオン、2008年北京オリンピック出場、2010年全日本チャンピオンになる。2012・2013年はカテゴリの最も高いUCIプロチームに所属。2014年のジャパンカップで現役を引退。 筆者の公式ブログはこちら

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