宮澤崇史「外国生活を楽しくする」

Posted on: 2021.03.05

日本にいると、やれる事が沢山あって、やりたい事も沢山あって、遊びに行く場所も沢山ある。

特に動かない日を1週間作っても何もストレスなく生活はできる。

海外では動く範囲も日本ほど広くないので、同じことを繰り返しがちでストレスももちろん増える。

ただ、海外にいると言葉の違いもあり、生活習慣や文化の違いもある中でシーズンを過ごしていかなければならない。

フランスで月に2日くらいは通っただろうか、30km離れたトゥールーズの街にトレーニング休みの日はメロンを食べにナイフを持って行く。

1玉1€のメロンは甘くて肉厚でフランスに来なかったらこんな嬉しくメロン食べられなかったな〜。なんて思うと、フランスに住んでいる事が嬉しくなる。

フランスは発酵バターが本当に美味しい。パンに塗って食べるのが大好きだが、レースの日はクロワッサンにバターをたっぷり塗ってレースへ向かう。

クリテリウムの前は、ジャムを半分くらい塗ったパンを食べる。

この瞬間が何よりも楽しみで、レースを走りにフランスに来ている感覚が強くなり、今日のレースも頑張ろう!と思える。

特にストレスは、同じ精神状態が続くとやられやすくなる。

日々の生活に喜怒哀楽を積極的に取り入れ(怒はコントロール難しいけどw)ることで生活は豊かになっていく。

気持ちが豊かになると、集中力が増す。集中力が増すと普段のトレーニングで自分の体調をコントロールできる。体調をコントロールできるとレースがうまくいく。

どれか1つでもダメだし、どれかが足りなくてもよくない。

ただただレースのことばかり考えるのではなく、生活を全体を楽しめるように設計すると、海外って意外と楽しい場所だな〜と思う。

AUTHOR PROFILE

宮澤 崇史 みやざわ たかし/1978年生まれ。イタリア在住自転車プロロードレーサー。高校生でシクロクロス世界選手権に出場、卒業後イタリアのチームに所属。しかし2001年、母に肝臓の一部を生体移植で提供し手術のハンディもあり戦力外通告を受ける。再びアマチュア選手としてフランスで活動し実績を重ね 2007年アジアチャンピオン、2008年北京オリンピック出場、2010年全日本チャンピオンになる。2012・2013年はカテゴリの最も高いUCIプロチームに所属。2014年のジャパンカップで現役を引退。 筆者の公式ブログはこちら

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