宮澤崇史「大事なレースで緊張しない」

Posted on: 2021.03.18

レースの時緊張しないですか?

もちろんしますよ、今は特に年に1度のironmanトライアスロンを走るときのスタート前は、溺れたら死んでしまいますからね。笑

ただ、プロとしてレースを走っていた時は、ほぼ緊張しませんでした。

<理由>
1、レース数が多すぎて緊張していられない
2、やる事(できる事)が明確なレースは緊張しない
3、勝てないレースは緊張しない

大きく3つの理由がある。

1、美味しいコーヒーを1杯誰かの為に挿れようと思うと、緊張しますが100杯挿れたら今回はうまくできた!やちょっとここがうまくいかなかったな。と言う感想はあっても、緊張は解けてくる。

2、自分の仕事が明確だと、それを全うする事が仕事なので展開を読んでそれに合わせて対応ができれば良いので、レースを勝たなければならないレースに比べると、運はそれほどなくてもできる仕事になり平常でいられるでしょう。

3、レースの中で一番緊張しないレースは世界選手権。

勝てないレースは勝たなくていいので、そんな緊張しないレースはないですよね。ただし、こちらは挑戦者なので、どう戦うか楽しみでしょうがないレースです。

楽しめると結果もついてきます、動画はデンマークの世界選手権残り1km最終コーナーを外側9-10番手くらいで入る所。

思い返せば失敗の原因がわからなかったが、今なら修正ができるが自分では走れないので、若い選手が必要になった時に助言してあげれば良い。

それでも一発勝負の試験などはやはり緊張するだろう。

これについては先日良いヒントを得た。

オリンピック日本代表トレーニングをみた時に、全員レースと同じ雰囲気で同じ緊張感で周りを支えるスタッフさえもレースの緊張感でトレーニングをしていた。

1つ確信したことは、普段のトレーニングも本番同様の気持ちで向き合えているか?と言う事が非常に大切なのだろう。

トレーニングにいく前に「めんどくさいな〜」「今日やだな〜」と言う気持ちでスタートしてしまったら、本番自分の気持ちの中に大きな不安が生まれるだろう。

しかし、普段から覚悟して良い緊張感で(ここ大事)向き合っていれば、本番もうまくいくさ!と腹がくくれるだろう。

緊張を作っているのは周りの誰でもなく、自分自身なのだと思う。

AUTHOR PROFILE

宮澤 崇史 みやざわ たかし/1978年生まれ。イタリア在住自転車プロロードレーサー。高校生でシクロクロス世界選手権に出場、卒業後イタリアのチームに所属。しかし2001年、母に肝臓の一部を生体移植で提供し手術のハンディもあり戦力外通告を受ける。再びアマチュア選手としてフランスで活動し実績を重ね 2007年アジアチャンピオン、2008年北京オリンピック出場、2010年全日本チャンピオンになる。2012・2013年はカテゴリの最も高いUCIプロチームに所属。2014年のジャパンカップで現役を引退。 筆者の公式ブログはこちら

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