宮澤崇史「今までとこれから」

Posted on: 2021.01.03

長文なのであしからず

1 環境を変えても自分は変わらない

2 結果を出せば環境は手に入る

自転車業界の未来は?を考える時間となりました。

「選手がいかに強くなれるか」と「世界に通づる選手を育成するには?」

は別に考えるべきであり、一緒に考えるとゴチャゴチャして何のこっちゃわからなくなります。

現実は育てる側と、選手との大きな誤差をここ何年か感じています。

選手はシーズン中に上手くいなかくなると、リセットできないかな〜!?

と考えるものです。今すぐリセットして新たにやり直したい!でも、シーズン中だからそういうわけにはいかない。

ただ、この沼を脱出するには自分自身が変わらないと変化を起こすことはできません。

自分を変えるって?もしかしたら自分が正しいと思うことを否定する事が必要となるかもしれない

もしかすると、レースへの向き合い方をリセットすることかもしれない

そんなことは今すぐできることであり、年をこす必要はないけれど多くの選手は新たな年に新しい夢を見ます。

日本には世界でも稀に見る自転車マニアが沢山います。

しかし、選手を強くするファン層?マニア層はほとんどいません、そして「厳しい事を言う事に蓋をする」傾向があります

選手はSNSを使う選手がほとんどで、レースで結果を出す本質と向き合うと言うよりは、どうやってファンを喜ばすかを考えている選手が多く、本質的に強くなるために生きている選手はほぼ皆無と言えるでしょう

幸也の投稿を見れば分かる通り、自分の事でいっぱいで何気ない投稿が多い事がわかります。

選手は24時間をどう選手として生きるかが重要になる事が伺えます。

誤解を招く言い方ですが、日本の選手も一生懸命トレーニングしている選手ばかりです。

みんな必死にやっているかもしれないけれど、その一生懸命は世界との差を埋めるべくトレーニングなのだろうか?

自転車界は世界で何位?が自分の環境をより良いものにします。

もちろん、日本で頑張って辞めてOKという選手はそれでもちろん良いですが、世界と戦う場所に身を置こうと思わないのならば(オリンピックに出場したい、世界選手権に出場したい)世界に挑戦している選手にチャンスをあげて欲しい。

世界ではパワーメーターでのトレーニングが当たり前の世界になっていますが、トレーニングの内容を更新することばかりに目を向けて、レースで結果を出せていない選手が多くいます。

ロードレースは心理戦+パワー勝負という特性を持ちます。

パワーは世界トップレベルなのに、国内のレースさえ勝てない選手が多い!

っておかしいと思いませんか?

これは結果を出すという本質から離れたところで満足している選手が多く見られるのも事実です。

ヨーロッパ1クラスならトップ5位は普通に出せる結果なのに、未だに快挙と報じられることは、過去を忘れられている事も事実です。

アマチュアでヨーロッパで走る選手は、目の前で起こっていることに振る舞わらされ、単純に周りの選手の心理の裏を考える事ができていません。

レースの道をどれだけ攻略しようと努力しているでしょう?

全く自慢になる事でもなんでもないですが、僕はレースで通る道を地図で見て、何km地点で道が細くなるとか、何km地点で風向きが変わるかもしれない、レースを仕掛けるとしたらこの場所だろう。

レースで起こり得る可能性をシュミレーションしてからレースへ出場していました。

なぜなら、初めて通る道も多く外国人というハンデを埋めるための準備だけはしていました。

レース中選手は目で見てこの先を予想し、可能性の高い位置取りをします。それさえわかれば、周りの選手の裏をかくことは単純明快で、周りの選手が見えていないところに細やかな気配りをすれば道は開けます。

なぜなら、道を自分が予習しているので、何を考えて今この行動をしているかが分かるからです。

世界で活躍したい選手は山のようにいますよね?

チャンスって昔より今の方が多く、誰でも手に入れられる世の中にいる事に気づいて欲しい。

結果を出せば(結果の出し方は大事)環境は手に入ります。

結果を出しても環境が手に入らない選手がいたとしたら、結果の出し方が間違っている事に気づいて欲しい。

結果が出ていなくても、走りを評価される選手は山のようにいます。

あーだこーだ考えずに、誰から見てもこいつは素晴らしいと言う結果さえ出せれば、世界は広がる世の中に我々はいる事を選手は認識しなければならなりません。

2021年はそんな選手を育成出来る様に活動をしていきたいと心から思う。

周りに惑わされる事なく、自分の信じた道を突き進めるそんな人材を育成していきたい。

AUTHOR PROFILE

宮澤 崇史 みやざわ たかし/1978年生まれ。イタリア在住自転車プロロードレーサー。高校生でシクロクロス世界選手権に出場、卒業後イタリアのチームに所属。しかし2001年、母に肝臓の一部を生体移植で提供し手術のハンディもあり戦力外通告を受ける。再びアマチュア選手としてフランスで活動し実績を重ね 2007年アジアチャンピオン、2008年北京オリンピック出場、2010年全日本チャンピオンになる。2012・2013年はカテゴリの最も高いUCIプロチームに所属。2014年のジャパンカップで現役を引退。 筆者の公式ブログはこちら

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