宮澤崇史「イタリアのいい所」
ヨーロッパ生活を初めて早18年。住んだ場所はイタリアとフランスだけだが、ヨーロッパは素晴らしい!と文句なしにいつも思う事がある。それは絶景だ。
日本にも数多くの絶景があると思うがスケールが違う。それはそれは大地はこんなにも広く、風が抜け、目をつむるとパワーを感じる。
ヨーロッパもスペイン、ポルトガル、カナリア諸島からノルウェーまで多くの場所をレースで訪れたが、イタリアの景色は常に自分の求めてる風景だと感じる。
今年、トスカーナからアブルッツォ州ペスカーラに移った。右も左もわからない場所に来たら、先ずは地図を広げて自分の住んでる場所、トレーニングで行けそうな道、目印になる大きな街を探す。
そして、走りながら頭の中で地図と照らし合わせながらトレーニングメニューに合った場所、休日には自転車ではなくて車でピクニックにでも訪れたい場所を見つけるのが好きだ。
そして、その地域に根付いた歴史、文化、言葉、習慣、食べ物を聞き出して行く。この聞き込みはBARやチームメイト、レストランなどでいくらでも収集できる。
異国の人がこの地に興味があるとあれば、自分の家族の事まで話し始めるのがイタリア人。そして、1番美味しい!と薦めるレストランは、自分の家の近くのなじみの店なのだ。
簡単に言うとそこしか知らないって事もある。日本人みたいにあちこちに食べ歩くという習慣はイタリアにはまだまだ無いのだ。そういえば、マンマの味が世界一さ!なんて気障なセリフもここ10年ほど聞かなくなってしまった。
まだまだ知らない事だらけのここペスカーラ。風を切りながら、色々な発見をしていきたい。