栗村修「東京五輪ロードレースコース視察」

Posted on: 2018.11.19

先日、東京五輪の自転車ロードレースコースをフルで視察して参りました。当たり前ですが、「オール一般道」及び「ほぼラインレース」のため、丸一日がかりでのコース試走となりました…。

東京五輪に関しては、私自身オフィシャルとしては全く関わっていないので(コースとなっている自治体さんからロードレース勉強会の様な依頼は結構あります…)、これまではどこか他人事な感覚で動向を見守ってきました。

しかし、コースをフルで走ってみると、全体の3分の2ほどが現役時代の練習コースであり、特に前半部分は「ほぼ近所」といえる様な場所がコースに組み込まれていて(数千回以上練習で走った道もある…)、「えっ?ここをガチのロマン・バルデやサイモン・イエーツがオリンピック仕様のナショナルジャージを着て走るの?」と、とっても不思議な感覚に陥ってしまいました。

レース当日は自転車で沿道に駆けつけて、日の丸を振って思いっきり応援したいと思います!(いまのところコスプレをするかは未定です…)

ということで、恒例の「どこよりもはやい東京五輪ロードレース展開予想&順位予想」を実施したいと思います。

◯展開予想
リアルスタートが切られる多摩川の「是政橋」を過ぎた直後から「多摩ニュータウン」内のアップダウンコースで激しいアタック合戦が繰り広げられます。

そして、若葉台の「サンドラッグ」前で有力選手を含む約25名の逃げが決まります。コース終盤に厳しい上りが設定されているため、レース前半から動いて逃げ切りを狙う「ピュアクライマー以外」の選手が数多くいるためです。

「尾根幹」に入るとメイン集団はスローダウンし、フランスとイギリスチームが中心となって集団をコントロールします。そのままの形でレースは進み、「道志道」を延々と上りながら「山中湖」に到着したころには先頭集団の数は17名に減り、メイン集団とのタイム差は約5分となります(最大タイム差は8分30秒)。

そして、「Yetiスキー場」に向かう長い上りでスペイン勢がペースアップしてメイン集団はバラバラに。先頭集団も5名となり、それを約30名ほどに絞られたメイン集団が1分差で追いかけます。

いよいよレースは勝負どころの「三国峠」に突入!勾配15%以上の上りが続きメイン集団は完全崩壊!まずはピノ(フランス)がアタックを開始し、先頭集団をすべて吸収。頂上を越えたところで6名の先頭集団が形成されます。結局、この6名のままフィニッシュ地点となる富士スピードウェイに突入し、最後はスプリント勝負で勝者が決まりました!

◯順位予想
優勝 ロマン・バルデ(29歳)
2位 ボブ・ユンヘルス(27歳)
3位 サイモン・イエーツ(28歳)
ダークホース ティボー・ピノ(30歳)
※年齢は東京五輪時

AUTHOR PROFILE

栗村 修 くりむら・おさむ/1971年横浜市出身。15歳から本格的にロードレースをはじめ、高校を中退し単身フランス自転車留学。帰国後シマノレーシングで契約選手となり、1998年ポーランドのプロチーム「ムロズ」と契約。2000年よりミヤタ・スバルレーシングで活躍した後、2002年より同チームで監督としてチームを率いた。2008-09年はシマノレーシングでスポーツディレクター。2010年より宇都宮ブリッツェンにて監督。2014シーズンからは、宇都宮ブリッツェンのテクニカルアドバイザーを務めた。現在は、一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役につき、ツアー・オブ・ジャパン大会副ディレクターとしてレース運営の仕事に就いている。JSPORTSのロードレース解説をはじめ、競技の普及および日本人選手活躍にむけた活動も積極的に行なう。 筆者の公式ブログはこちら

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