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栗村修「増田成幸選手が東京五輪代表にほぼ確定」

Posted on: 2020.10.13
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10月12日にスペインで開催された「プルエバ・ビリャフランカ・オルディジアコ・クラシカ(UCI-1.1)」に出場したNIPPO・デルコ・ワンプロヴァンスの中根英登選手と宇都宮ブリッツェンの増田成幸選手が東京五輪日本代表枠を争う最後の戦いを繰り広げ、20位でフィニッシュした増田選手が土壇場で再逆転を果たし、東京五輪代表の座をほぼ確定させています。

◯東京五輪男子自転車ロードレース代表ランキング(10月12日時点)
1位 新城幸也 533 P
2位 増田成幸 283.8 P
3位 中根英登 282 P
※10月17日時点での上位2名が代表に選出される

二人にとってはこのレースがUCIポイントを獲得できる最後のレースとなるため、事実上、増田選手の東京五輪出場が確定したことになります。

それにしても最終的な二人のポイント差は僅か1.8P差…。叶うならば代表枠を「3」にしたいくらいです…。

改めて今年に入ってからの東京五輪男子自転車ロードレース日本代表選考に関する流れを確認してみたいと思います。

◯当初は2020年5月31日がランキング締日だった

◯3月に入りコロナの影響で内外のUCIレースが軒並み中止に

◯代表選考ランキングも一旦停止

◯この時点でのランキングは2位増田選手3位中根選手(僅差)

◯JCFが代表選考ランキングの締日を(8月1日再稼動)10月17日へ延長

◯その後国内のUCIレースがすべて開催中止に

◯アジア及び国内で活動するブリッツェンがランキング再稼動期間に出場できるUCIレースがないことから代表選考基準は不当だとして日本スポーツ仲裁機構に仲裁を申し立て

◯日本スポーツ仲裁機構はブリッツェン(増田選手)の請求を棄却

◯欧州でUCIレースに出場している中根選手がポイントを獲得して逆転

◯ブリッツェンが土壇場で電撃的にスペイン遠征を決行して増田選手が再逆転

これらの流れの中で明らかだったのは、宇都宮ブリッツェンの「なんとしても増田選手を五輪代表にしたい」というなりふり構わぬ姿勢でした。

一方、NIPPOサイドは「五輪のために活動しているわけではない」というスマートな姿勢を貫き、あくまで「海外で戦える日本人選手を育成する」という哲学のもと活動を続けていました。

なんとなく「対照的な2チームだな」と思ってずっと見てきましたが、結局最後に代表の座を掴んだのは、恥を恐れずに想いを行動と言葉にし続けたブリッツェンとなったわけです。

今シーズンの中根選手は本場欧州で本当に良いレースをしてきました。フルタイムで欧州で活動し年齢も若いので、中根選手が五輪代表になった方が良いのではと感じている人は少なくないと思います。

一方で、五輪代表になることにすべてを懸けてきた増田選手のストーリーは、スポーツの本質そのものであるとも感じています。多くの逆境を乗り越えて代表の座を掴んだ増田選手から、「生きる勇気」をもらっているひとは決して少なくない様に感じます。

これで、東京五輪男子自転車ロードレースの日本代表は、現在ジロ・デ・イタリアを走っている「別格」の新城選手と、増田選手の2名となります.

新城選手もまた多くの逆境を乗り越えてきた尊敬すべき選手であり、二人の「不屈のライダー」が、記念すべき自国開催の五輪で日の丸を背負って世界と戦うことになるのです。

まずは東京五輪が無事に開催されることを願い、その上で各種目の代表選手たちを精一杯応援していきたいと思います。

AUTHOR PROFILE

栗村 修 くりむら・おさむ/1971年横浜市出身。15歳から本格的にロードレースをはじめ、高校を中退し単身フランス自転車留学。帰国後シマノレーシングで契約選手となり、1998年ポーランドのプロチーム「ムロズ」と契約。2000年よりミヤタ・スバルレーシングで活躍した後、2002年より同チームで監督としてチームを率いた。2008-09年はシマノレーシングでスポーツディレクター。2010年より宇都宮ブリッツェンにて監督。2014シーズンからは、宇都宮ブリッツェンのテクニカルアドバイザーを務めた。現在は、一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役につき、ツアー・オブ・ジャパン大会副ディレクターとしてレース運営の仕事に就いている。JSPORTSのロードレース解説をはじめ、競技の普及および日本人選手活躍にむけた活動も積極的に行なう。 筆者の公式ブログはこちら

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