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栗村修「若い選手が活躍する理由」

Posted on: 2020.09.25
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2年連続でU23年世代の選手が個人総合優勝を飾った世界最大の自転車レース「ツール・ド・フランス」。

さらに、ステージ優勝者や他のレースで活躍する選手などをチェックしてみると、トップ選手の低年齢化が進んでいることがよくわかります。

ちなみに今年の「ツール・ド・フランス」のステージ優勝者の年齢は以下の通りです。

Stage1 KRISTOFF Alexander 33
Stage2 ALAPHILIPPE Julian 28
Stage3 EWAN Caleb 26
Stage4 ROGLIČ Primož 30
Stage5 VAN AERT Wout 26
Stage6 LUTSENKO Alexey 28
Stage7 VAN AERT Wout 26
Stage8 PETERS Nans 26
Stage9 POGAČAR Tadej 21
Stage10 BENNETT Sam 29
Stage11 EWAN Caleb 26
Stage12 HIRSCHI Marc 22
Stage13 MARTÍNEZ Daniel Felipe 24
Stage14 KRAGH ANDERSEN Søren 26
Stage15 POGAČAR Tadej 21
Stage16 KÄMNA Lennard 24
Stage17 LÓPEZ Miguel Ángel 26
Stage18 KWIATKOWSKI Michał 30
Stage19 KRAGH ANDERSEN Søren 26
Stage20 POGAČAR Tadej 21
Stage21 BENNETT Sam 29

そこで「近年なぜトップ選手の低年齢化が進んでいるのか」について、自分なりに仮説を立ててみましたので、以下、ご紹介したいと思います。

①かつてはコース情報を含めた各レースの特徴や走り方などがブラックボックス化されていた

⇨近年はGPS機器などの発達により、例えそのコースを走ったことがなくても、ある程度の情報を得ることができるようになってきている。また、チームの情報戦も年々高度になってきており、若手選手がチームから得られる情報量がかつてのベテラン選手が持っていた個人の情報量を大きく凌駕しはじめている。

②かつては閉鎖的なレース戦術やプロトン内に存在する掟などが多数存在していてそれらを体得するまではなかなか勝負に絡めなかった

⇨かつての自転車ロードレースは個人の力だけでは勝てない「村社会」的な要素が色濃く存在していたが、近年はそういったものが薄れてきており、より論理的かつ効率的に勝利を目指すスタイルが浸透した結果、経験が無くてもフィジカルの強い選手が勝てる環境になってきた。

③かつてはドーピングを含めた医療的なアプローチがブラックボックス化されていた

⇨現在より遥かにドーピングが蔓延していた時代には、「やっている者」と「やっていない者」の間には実力だけでは埋まりきらない大きな壁が存在していたと言われている。若い選手が才能と実力でプロの世界に飛び込んだとしても、その後に「壁を超えるための黒い勉強」をするための時間が必要だった可能性がある。

以上です。これらはあくまで栗村個人の仮説ですが、若い選手が活躍できる環境というのは、全体としてより良い方向へと進んでいる証拠なのかもしれません。

AUTHOR PROFILE

栗村 修 くりむら・おさむ/1971年横浜市出身。15歳から本格的にロードレースをはじめ、高校を中退し単身フランス自転車留学。帰国後シマノレーシングで契約選手となり、1998年ポーランドのプロチーム「ムロズ」と契約。2000年よりミヤタ・スバルレーシングで活躍した後、2002年より同チームで監督としてチームを率いた。2008-09年はシマノレーシングでスポーツディレクター。2010年より宇都宮ブリッツェンにて監督。2014シーズンからは、宇都宮ブリッツェンのテクニカルアドバイザーを務めた。現在は、一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役につき、ツアー・オブ・ジャパン大会副ディレクターとしてレース運営の仕事に就いている。JSPORTSのロードレース解説をはじめ、競技の普及および日本人選手活躍にむけた活動も積極的に行なう。 筆者の公式ブログはこちら

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