栗村修「トム・デュムランがレース復帰!」

Posted on: 2021.05.13

今年の1月に「一定期間活動を休止する」という発表を行ったトム・デュムランが、6月6日に開幕する「ツール・ド・スイス」からレースに復帰することが発表されました。

この4ヶ月間、レース活動を休みながら今後のキャリアについて悩んでいたトム・デュムランですが、自転車選手としてのキャリヤをさらに数年間続けていくことを決めた模様です。

ここ数週間でプロの自転車選手として戦っていく意欲が戻ってきたとのことで、再びトップクラスを目指したいというモチベーションが一時の心の迷いを克服することになりそうです。

6月6日にフラウエンフェルトで開幕する8日間のステージレース「ツール・ド・スイス」でレース復帰するデュムランは、その後、オランダ選手権の「個人タイムトライアル(6月16日)」と「ロードレース(6月20日)」の両レースに出場する予定とのこと。そして、その後7月28日に開催予定の東京五輪個人タイムトライアルが目下最大の目標になる様です。

オランダ代表監督のムーレンハウト氏は、デュムランにゆっくりと考える時間を与え、そしてオランダに再び五輪のメダルをもたらす可能性を取り戻したことになります。また、デュムランのコンディション次第では、東京五輪個人ロードレースにも出場する可能性があるようです。

正直、デュムランはこのまま引退してしまうのかな?と感じていたので、この復帰ニュースを聞いてとても嬉しく感じました。

「トム・デュムラン キャリア」
◯21歳(2012年)プロデビュー、その後一貫して2019年まで現DSMに所属
◯22歳ツールデビュー、オランダロード選手権2位
◯23歳ドーフィネ個人TTプロ初勝利、世界戦個人TT3位
◯24歳ツール・ド・スイスTT2勝、ブエルタステージ2勝総合6位
◯25歳ツールステージ2勝、五輪TT銀メダル
◯26歳ジロステージ2勝総合優勝、世界戦個人TT1位
◯27歳ジロ総合2位、ツール総合2位
◯28歳ジロの落車で膝を痛めて手術を受ける、チームとの関係が悪化し移籍を決断
◯29歳ユンボに移籍、コロナや寄生虫感染の影響で一時引退を考える、その後ツール総合7位
◯30歳(2021年)1月に活動休止を発表

AUTHOR PROFILE

栗村 修 くりむら・おさむ/1971年横浜市出身。15歳から本格的にロードレースをはじめ、高校を中退し単身フランス自転車留学。帰国後シマノレーシングで契約選手となり、1998年ポーランドのプロチーム「ムロズ」と契約。2000年よりミヤタ・スバルレーシングで活躍した後、2002年より同チームで監督としてチームを率いた。2008-09年はシマノレーシングでスポーツディレクター。2010年より宇都宮ブリッツェンにて監督。2014シーズンからは、宇都宮ブリッツェンのテクニカルアドバイザーを務めた。現在は、一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役につき、ツアー・オブ・ジャパン大会副ディレクターとしてレース運営の仕事に就いている。JSPORTSのロードレース解説をはじめ、競技の普及および日本人選手活躍にむけた活動も積極的に行なう。 筆者の公式ブログはこちら

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