栗村修「トム・デュムランがレース復帰!」

Posted on: 2021.06.07

ツール・ド・フランス前哨戦のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネ(2.UWT)が終了しました。

注目の個人総合時間順位は以下の通りです。

クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2021個人総合時間順位
1位PORTE Richie/INEOS
2位LUTSENKO Alexey/Astana
3位THOMAS Geraint/INEOS
4位KELDERMAN Wilco/BORA
5位HAIG Jack/Bahrain
6位LÓPEZ Miguel Ángel/Movistar
7位IZAGIRRE Ion/Astana
8位O’CONNOR Ben/AG2R
9位GAUDU David/Groupama
10位/GEOGHEGAN HART Tao/INEOS

リッチー・ポートが昨年のツアー・ダウンアンダー以来となる個人総合優勝を飾り、また、ツール・ド・フランスでエースを担当する予定のゲラント・トーマスも総合3位に入り、銀河系軍団(古い表現ですみません)イネオスがベテラン勢の活躍で王者の貫禄をみせる結果となりました。

但し、Gトーマスが最終ステージの下りで落車してしまい、それなりに擦過傷を負ってしまっており、ツール・ド・フランス本番に影響を残さないかが若干心配な状況となっています…。

そして、クリテリウム・ドゥ・ドーフィネの最終日と同じ日に開幕したのがもう一つのツール前哨戦となるツール・ド・スイス(2.UWT)となります。

こちらに出場している主な有力選手は以下の通りです(ツール出場予定組)。

ALAPHILIPPE Julian/Deceuninck
VAN DER POEL Mathieu/Alpecin
CARAPAZ Richard/INEOS
FUGLSANG Jakob/Astana
WOODS Michael/Israel
MATTHEWS Michael/BikeExchange
HIRSCHI Marc/UAE
BENOOT Tiesj/DSM
URÁN Rigoberto/EF
DENNIS Rohan/INEOS
COSNEFROY Benoît/AG2R

ツール・ド・フランスの総合優勝候補最右翼と呼べる選手の出場はありませんが、それでも多くのトップ選手が参加するのでツールに向けて要チェックのレースです。

そして、そんな豪華な出場選手の中で個人的に最も注目しているのが、トム・デュムラン(オランダ/ユンボ・ヴィスマ)のレース復帰になります。

今年の1月に突然「一定期間活動を休止する」という発表を行い周囲を驚かせたトム・デュムランですが、このまま引退してしまうのかと心配する人も少なくない状況の中で、再びトップレースに復帰することができたのはとても喜ばしいことだと感じています(初日の個人TTは執筆時点で暫定4位のタイム!)。

あまり注目し過ぎるのもよくありませんが、それでも東京五輪出場を目標に再びメダル獲得を目指しているということなので、静かにデュムランの復帰戦を見守りたいと思います。

AUTHOR PROFILE

栗村 修 くりむら・おさむ/1971年横浜市出身。15歳から本格的にロードレースをはじめ、高校を中退し単身フランス自転車留学。帰国後シマノレーシングで契約選手となり、1998年ポーランドのプロチーム「ムロズ」と契約。2000年よりミヤタ・スバルレーシングで活躍した後、2002年より同チームで監督としてチームを率いた。2008-09年はシマノレーシングでスポーツディレクター。2010年より宇都宮ブリッツェンにて監督。2014シーズンからは、宇都宮ブリッツェンのテクニカルアドバイザーを務めた。現在は、一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役につき、ツアー・オブ・ジャパン大会副ディレクターとしてレース運営の仕事に就いている。JSPORTSのロードレース解説をはじめ、競技の普及および日本人選手活躍にむけた活動も積極的に行なう。 筆者の公式ブログはこちら

栗村 修の新着コラム

NEW ENTRY