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栗村修「ツール・ド・フランス 新型コロナ2人陽性でチームごと撤退」

Posted on: 2020.08.24
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8月29日に開幕する世界最大の自転車レース「ツール・ド・フランス」の主催者であるA.S.O.が、18ページに及ぶ「ツール・ド・フランス」独自の「新型コロナ対策医療プロトコル」を発表しました。

最も衝撃的?だったのは、レース期間中に選手・スタッフに関わらず、合計2名の感染者が1チームからでた場合、その時点で対象チームはツールから撤退しなければならないという内容です。

これはある意味で「ツール・ド・フランス」を途中で止めないための処置とみることができます。

フランスでは今週、1日に5,000件近い新型コロナウイルスの新規感染者が報告されています。これはロックダウン解除後としては最高の数字となります。一方、感染者の多くは若いひとが多く、医療機関の状況は比較的安定している状況とのこと。

そんな中、フランスのマクロン大統領は、現時点に於いてはロックダウンを再度実施する予定ははないと言及しています。

一方、8月のワールドツアーが再開したあと、トップチームの選手で新型コロナウイルス陽性となったのはこれまでのところ4名。

ユーゴ・ウル(アスタナ)
オメル・ゴールドスタイン(イスラエル)
シルヴァン・ディリエ(AG2R)
ローレンス・ワーバス(AG2R)

また、UCI会長のラパルティアン会長は、仮にツール期間中に新型コロナウイルス感染者が出たとしても、レースを停止しない予定であると言及。

そのためにも今回、「新型コロナ感染者は即レースから撤退」、「1チームから2名の感染者がでた場合はチームごと撤退」という、ツール独自のプロトコルが発表されたものと思われます。

尚、仮に一つのチームが退場となった場合でも、ホテルを含めて各チームは常に隔離状態に置かれており、また一番気になる「集団走行」は濃厚接触にあたらないという判断が下されているので、その他のチームはレースを続行できるというロジックのようです。

この様になんとなくの落とし所を見つけての開催となるわけですが、一方で一番怖いのが、最終日近くでマイヨ・ジョーヌを着るチームの選手、もしくはスタッフから2名の感染者がでてしまうパターンです。

最悪のケースでは、シャンゼリゼ前日に、陰性のマイヨジョーヌ着用選手を巻き込む形でそのチームがまるごと撤退となってしまう可能性もあります…。

とにかく前代未聞の特殊な状況下で開催される今年の「ツール・ド・フランス」。

観る側、伝える側も、あらゆる状況を想定して挑まなくてはなりませんね。

AUTHOR PROFILE

栗村 修 くりむら・おさむ/1971年横浜市出身。15歳から本格的にロードレースをはじめ、高校を中退し単身フランス自転車留学。帰国後シマノレーシングで契約選手となり、1998年ポーランドのプロチーム「ムロズ」と契約。2000年よりミヤタ・スバルレーシングで活躍した後、2002年より同チームで監督としてチームを率いた。2008-09年はシマノレーシングでスポーツディレクター。2010年より宇都宮ブリッツェンにて監督。2014シーズンからは、宇都宮ブリッツェンのテクニカルアドバイザーを務めた。現在は、一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役につき、ツアー・オブ・ジャパン大会副ディレクターとしてレース運営の仕事に就いている。JSPORTSのロードレース解説をはじめ、競技の普及および日本人選手活躍にむけた活動も積極的に行なう。 筆者の公式ブログはこちら

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