栗村修「ツール開幕!2日目終了時点の各チーム分析」

Posted on: 2020.08.31

いよいよ「第107回 ツール・ド・フランス」が開幕しています。

本日の第2ステージは初日に続きニース近郊での準山岳ステージとなり、アラフィリップが「さすが千両役者!」と思わせる素晴らしい勝利を飾り、マイヨジョーヌも手に入れています。

<youtube:栗村修しゅ〜くり〜むらチャンネル動画解説>

◯第1ステージ結果
1位 KRISTOFF Alexander/UAE
2位 PEDERSEN Mads/Trek
3位 BOL Cees/Sunweb

◯第2ステージ結果
1位 ALAPHILIPPE Julian/Deceuninck
2位 HIRSCHI Marc/Sunweb
3位 YATES Adam/Mitchelton

◯第2ステージ終了時点個人総合時間順位
1位 ALAPHILIPPE Julian/Deceuninck
2位 YATES Adam/Mitchelton +4s
3位 HIRSCHI Marc/Sunweb +7s
4位 HIGUITA Sergio/EF +17s
5位 POGAČAR Tadej/UAE st
6位 CHAVES Esteban/Mitchelton
7位 FORMOLO Davide/UAE
8位 BERNAL Egan/INEOS 
9位 CARAPAZ Richard/INEOS 
10位 DUMOULIN Tom/Jumbo 
11位 ROGLIČ Primož/Jumbo 
13位 QUINTANA Nairo/Arkéa 
14位 MARTIN Guillaume/Cofidis
15位 BUCHMANN Emanuel/BORA
17位 LATOUR Pierre/AG2R
18位 MOLLEMA Bauke/Trek
19位 MAS Enric/Movistar
20位 SCHACHMANN Maximilian/BORA
21位 BARDET Romain/AG2R
25位 URÁN Rigoberto/EF
27位 VALVERDE Alejandro/Movistar
29位 LÓPEZ Miguel Ángel/Astana
30位 PORTE Richie/Trek
32位 LANDA Mikel/Bahrain
33位 PINOT Thibaut/Groupama

一方、初日からアクシデント続出となっており、本日の第2ステージでも、ドーフィネの勝者マルティネスやユンボのセカンドエースであるデュムランなども落車しています…

また、開幕直前に一旦緩和されたかと思われた新型コロナウイルスに関するプロトコルについても、フランス政府が介入する形で当初のルールにほぼ戻されてしまっています(”ツーアウトルール”と呼ばれる、1チームから二人のPCR検査陽性者がでたチームはレースから除外されるルール)。

そんな、大変な状況下で開幕したツールですが、戦況がそれこそ数時間ごとに変化しているので、まずは2日目終了直後の各有力チームの状況などを改めてチェックしてみたいと思います。

◯INEOS Grenadiers
BERNAL Egan
AMADOR Andrey/1ステージ落車
CARAPAZ Richard
SIVAKOV Pavel/1ステージ落車2回
ドーフィネの最終日に落車したシヴァコフがツールの初日に再び落車。一方、エースのベルナルはしっかりとロウに守られている。

◯Team Jumbo-Visma
ROGLIČ Primož
BENNETT George/1ステージ落車2回
DUMOULIN Tom/2ステージ落車
GESINK Robert/1ステージ落車
KUSS Sepp
MARTIN Tony/1ステージ落車
VAN AERT Wout
山岳アシストのひとりであるベネットが初日2度落車。一方、デュムランも本日自らハスって軽く転んでしまった。

◯BORA – hansgrohe
SAGAN Peter
BUCHMANN Emanuel
KÄMNA Lennard/1&2ステージ落車
SCHACHMANN Maximilian
ドーフィネで活躍したケムナが2日連続の落車。一方、サガンは着々とポイントを重ねており8度目のマイヨヴェール獲得にまずまずの滑り出し。ブッフマンとシャッフマンも総合上位につけている。

◯AG2R La Mondiale
BARDET Romain
COSNEFROY Benoît/山岳賞/右腕に落車のあと
LATOUR Pierre
NAESEN Oliver
コヌフロワが果敢に攻めて山岳ジャージをゲット。一方、来季移籍組の二人はしっかり上位に残っている。

◯Deceuninck – Quick Step
ALAPHILIPPE Julian/マイヨジョーヌ/1ステージ落車
BENNETT Sam
初日らしからぬ落車があり心配していたアラフィリップだったが本日見事なステージ優勝&マイヨジョーヌでフランスを沸かせた(一部日本も)。

◯Groupama – FDJ
PINOT Thibaut/1ステージ落車
BONNET William/1ステージ落車
GAUDU David/1ステージ落車
MADOUAS Valentin/1ステージ落車
MOLARD Rudy/1ステージ落車
アラフィリップと対照的なピノ。初日の怪我は結構ヒドそうだが本日はなんとかメイン集団内でフィニッシュ。チーム全体でみてもけが人多し。

◯Bahrain – McLaren
LANDA Mikel
BILBAO Pello
COLBRELLI Sonny
POELS Wout
VALLS Rafael/1ステージ落車リタイア
バルスが大腿骨骨折…。エースのランダはしっかり残っている。

◯EF Pro Cycling
URÁN Rigoberto/1ステージ落車
BETTIOL Alberto
HIGUITA Sergio
MARTÍNEZ Daniel Felipe/2ステージ落車
VAN GARDEREN Tejay
トリプルエースのうちウランとマルティネスが落車。本日マルティネスはタイムを失っている。イギータは少し上がってきたか?

◯Team Arkéa Samsic
QUINTANA Nairo
BARGUIL Warren
膝の調子が心配なキンタナだがまずまず走れている感じか。

◯Movistar Team
VALVERDE Alejandro
ERVITI Imanol/1ステージ落車
MAS Enric
ROJAS José Joaquín/1ステージ落車
SOLER Marc/1ステージ落車
トラブルに見舞われているモビスター。いろいろと心配。

◯Trek – Segafredo
PORTE Richie
EG Niklas/1ステージ落車
MOLLEMA Bauke
PEDERSEN Mads
SKUJIŅŠ Toms
STUYVEN Jasper
大荒れの状況下で比較的安定している印象。

◯CCC Team
VAN AVERMAET Greg
SCHÄR Michael
TRENTIN Matteo
ZAKARIN Ilnur
落車ゼロでトレンティンがマイヨヴェールを獲りに意欲的。

◯Cofidis, Solutions Crédits
MARTIN Guillaume
VIVIANI Elia
マルタンはしっかり上位に残るがヴィヴィアーニがあまり上がってきていない印象。

◯UAE-Team Emirates
POGAČAR Tadej
DE LA CRUZ David/1ステージ落車
FORMOLO Davide
KRISTOFF Alexander/マイヨヴェール
クリストフがいきなりステージ優勝&マイヨジョーヌ獲得で上々のスタート。ポガチャルもしっかりと上位につけている。

◯Astana Pro Team
LÓPEZ Miguel Ángel/1ステージ落車
FRAILE Omar
IZAGIRRE Gorka
IZAGIRRE Ion
LUTSENKO Alexey
SÁNCHEZ Luis León/1ステージ落車
初日に選手たちが自主ニュートラルを決断するなか誰の指令かわからないが下りで突然スピードを上げてエースのロペスがコースアウト…。早速各選手から名指して非難されている。

◯Lotto Soudal
EWAN Caleb/1ステージ落車
DE GENDT Thomas
DEGENKOLB John/1ステージ落車タイムアウト
GILBERT Philippe/1ステージ落車DNS
最も大きな被害を受けたのがロット。デゲンコルプとジルベールの二人がツールを去った。

◯Mitchelton-Scott
YATES Adam
CHAVES Esteban
IMPEY Daryl
落車ゼロ?チーム。本日総合を狙わないはずのアダム・イエーツがボーナスタイムを獲りにきた。マイヨジョーヌを着るためか。

◯Israel Start-Up Nation
MARTIN Dan
GREIPEL André/1ステージ落車
HERMANS Ben/1ステージ落車
POLITT Nils/1ステージ落車
ロットの次にボロボロな印象なのがイスラエル。マーティンも本日遅れてしまった。

◯Team Sunweb
BENOOT Tiesj
BOL Cees
HIRSCHI Marc
若いヒルシが元気だがエースのベノートは遅れてしまった。

AUTHOR PROFILE

栗村 修 くりむら・おさむ/1971年横浜市出身。15歳から本格的にロードレースをはじめ、高校を中退し単身フランス自転車留学。帰国後シマノレーシングで契約選手となり、1998年ポーランドのプロチーム「ムロズ」と契約。2000年よりミヤタ・スバルレーシングで活躍した後、2002年より同チームで監督としてチームを率いた。2008-09年はシマノレーシングでスポーツディレクター。2010年より宇都宮ブリッツェンにて監督。2014シーズンからは、宇都宮ブリッツェンのテクニカルアドバイザーを務めた。現在は、一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役につき、ツアー・オブ・ジャパン大会副ディレクターとしてレース運営の仕事に就いている。JSPORTSのロードレース解説をはじめ、競技の普及および日本人選手活躍にむけた活動も積極的に行なう。 筆者の公式ブログはこちら

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