栗村修「ロードレース界で存在感を増すシクロクロッサー」

Posted on: 2019.02.11

2月2日にデンマークのボーゲンセで開催された「シクロクロス世界選手権」。エリート男子は、シクロクロス大国のベルギー&オランダ勢がトップテンに実に9名もの選手を送り込む圧倒的な強さを見せつけました。

1位 VAN DER POEL Mathieu NED
2位 VAN AERT Wout BEL
3位 AERTS Toon BEL
4位 VANTHOURENHOUT Michael BEL
5位 SWEECK Laurens BEL
6位 VAN DER HAAR Lars NED
7位 HERMANS Quinten BEL
8位 MEISEN Marcel GER
9位 ADAMS Jens BEL
10位 VERMEERSCH Gianni BEL
11位 MERLIER Tim BEL

特に、今シーズンここまでのレースで「3強」として激戦を繰り広げてきた、ファンデルポール(24歳/オランダ)、ファンアールト(24歳/ベルギー)、アールツ(25歳/ベルギー)の3人の実力は今回の世界選手権でも抜きん出ていたように感じます。

また、ファンデルポールとファンアールトの二人は、近年ロードレースでの活躍も目立っており、ファンアールトについては、今シーズン3月1日付けで、いよいよロードレースのワールドチーム(チーム・ユンボ・ヴィスマ)デビューを果たします。

「短時間・高強度」「高いバイクコントロールテクニック(ペダリング含む)」などが必要とされる競技特性は、トラック競技と並んで、「自転車の基礎」を身につけるにはとても有効であることは間違いありません。

もちろん、シクロクロッサー全員が一流のロードレース選手になれるわけではありませんが、少なくとも現在のシクロクロス界のタレント二人が、ロードレースの世界でもその存在感をどんどん大きくしているのは誰しもが認めるところです。

参考までに、二人のこれまでのロードレースに於ける主な成績を以下に挙げてみました。

◯ファンデルポール
2018年 オランダロードレースチャンピオン
2018年 ヨーロッパ選手権ロードレース 2位
2018年 Arctic Race of Norway ステージ2勝
2017・2018年 Boucles de la Mayenne 総合優勝
2014・2018年 Ronde van Limburg 優勝

◯ファンアールト
2018年 Paris-Roubaix 13位
2018年 Ronde van Vlaanderen 9位
2018年 Strade Bianche 3位
2018年 ヨーロッパ選手権ロードレース 3位
2018年 Tour of Denmark 総合優勝
2017年 Grand Prix Cerami 優勝
2017年 Ronde van Limburg 優勝

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すでにロードレースの選手としても一流の成績ですね。

二人共まだ24歳と若く、今シーズンの「J SPORTS」中継でもその勇姿をたっぷりと見れることと思います。

AUTHOR PROFILE

栗村 修 くりむら・おさむ/1971年横浜市出身。15歳から本格的にロードレースをはじめ、高校を中退し単身フランス自転車留学。帰国後シマノレーシングで契約選手となり、1998年ポーランドのプロチーム「ムロズ」と契約。2000年よりミヤタ・スバルレーシングで活躍した後、2002年より同チームで監督としてチームを率いた。2008-09年はシマノレーシングでスポーツディレクター。2010年より宇都宮ブリッツェンにて監督。2014シーズンからは、宇都宮ブリッツェンのテクニカルアドバイザーを務めた。現在は、一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役につき、ツアー・オブ・ジャパン大会副ディレクターとしてレース運営の仕事に就いている。JSPORTSのロードレース解説をはじめ、競技の普及および日本人選手活躍にむけた活動も積極的に行なう。 筆者の公式ブログはこちら

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