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栗村修「恥ずかしい」

Posted on: 2016.02.03
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前回のブログには、読んでいて恥ずかしくなるような熱い文章を書いてしまいましたが、その直後に、自分が長年自転車競技に関わってきたことが恥ずかしくなる様な、信じがたいニュースが飛び込んできました。

自転車競技の聖地、ベルギーにて開催されていた『シクロクロス世界選手権』に於いて、若干19歳の女子選手、ファンデンドリーシュ(ベルギー)がレースで使用していた自転車の内部から、メカニカルドーピングを示す小型モーターやバッテリーなどが発見されたとのことです。

ファンデンドリーシュは、現ベルギー&ヨーロッパチャンピオンであり、今回の世界選手権でも当然優勝候補の一人に挙がっていました。

メカニカルドーピングは、専用ユニットが世に出回りはじめた2010年頃から『ロードレースの現場で使用している選手がいるのでは?』といったウワサが広まりはじめましたが、実際に使用の実態が明らかになったことはなく、それでもUCIが執拗に検査を繰り返していたことから、なんとなく火種がくすぶっている状態で現在に至っていました。

今回、メカニカルドーピングが明らかになったファンデンドリーシュは、レースで使用した違反自転車はあくまで自分の自転車ではなく、メカニックが間違って友人の自転車を準備してしまった結果だったと釈明しているようです。

突っ込みどころが満載すぎてまったくもって言葉がでません…本当に恥ずかしいです。

現在のルールに於いてメカニカルドーピングが発覚した際の罰則というのは、『6か月の出場停止処分及び最高20万スイスフラン(約2400万円)の罰金』という、考えられないくらいに軽いペナルティしか設定されていません。

モーターを使うという行為は、もはや自転車競技を根底から否定する悪行であり、『永久追放』や、ロシアの陸上界が丸ごとペナルティを受けたように『ベルギーナショナルチーム全体での連帯責任』など、最大級の罰則が与えられるべきだと感じます。

今回の一件は、自転車関連メディアだけではなく、数多くの一般メディアでも報道され、自転車競技を知らない人たちが驚きを持ってこの事件を見守っています。

私自身は自転車界の人間ですが、今回の件で選手やチーム、自転車メディアなどの自転車界の人たちが、今後どの様なリアクションをみせるのかを逆に観察していきたいと思います。

AUTHOR PROFILE

栗村 修 くりむら・おさむ/1971年横浜市出身。15歳から本格的にロードレースをはじめ、高校を中退し単身フランス自転車留学。帰国後シマノレーシングで契約選手となり、1998年ポーランドのプロチーム「ムロズ」と契約。2000年よりミヤタ・スバルレーシングで活躍した後、2002年より同チームで監督としてチームを率いた。2008-09年はシマノレーシングでスポーツディレクター。2010年より宇都宮ブリッツェンにて監督。2014シーズンからは、宇都宮ブリッツェンのテクニカルアドバイザーを務めた。現在は、一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役につき、ツアー・オブ・ジャパン大会副ディレクターとしてレース運営の仕事に就いている。JSPORTSのロードレース解説をはじめ、競技の普及および日本人選手活躍にむけた活動も積極的に行なう。 筆者の公式ブログはこちら

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