栗村修「きっかけと初心者」
本日は、ロードレース初心者の大学生と約70kmほどを走ってきました。
私自身、仕事柄もうかなりの長期に渡り、様々なレベルの選手や、自転車愛好家の方々と接してきました。
しかし、よく考えてみると『知識とモチベーションをそれほど持っていない人にこちらから自転車を積極的に奨める』というアプローチについては、あまり機会がなかったというか、過去に私が自転車店で仕事をしていた時以外は、殆ど経験がない様な気がします。
もちろん間接的には、解説業をはじめとする様々なメディア関係の仕事を通じて『ゼロの初心者』の方々をいろいろな形で自転車の世界へ引きずり込んでしまったかもしれません…
それでもその結果、興味を持った方々が実際に『スポーツとしての自転車』に取り組もうと思い、自転車を買い、基本的な乗り方や修理などのノウハウを身につけ、そして家の近くの練習コースを知り、初めてのイベント出場に至るまでには、恐らくその方の近くには大抵の場合は『アドバイザー』の存在があったはずです。
日本の場合、一般的にその役割を担うのは『プロショップ』になるのだと思います。
会社の同僚が自転車のスペシャリストだった、家族が自転車をやっていた、学校にクラブがあった、という人も多いかもしれませんが、社会全体というマクロな目で見ると、『スポーツとしての自転車を楽しめる環境』を手に入れるところまで辿りつけた人というのは、ものすごく少数派なのだと思います。
『そのスポーツをやるためのグラウンド(フィールド)』や『初心者&子供向けのスクール』が普通にどこの街にもあるスポーツではないということは、よく考えると非常に大きなビハインドなはずです。
自分自身、最近は初心にかえる機会がなんとなく多いような気がします。
しかし『初心忘れるべからず』という格言があるように、こういった視点を持ち続けることは非常に大切なのでしょう。