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栗村修「本場でレースを走ることの基礎」

Posted on: 2018.03.13
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昨年に引き続き「明治神宮外苑⼤学クリテリウム」の会場へ行って参りました。今年で12回目の開催を迎えた同大会ですが、普段はなかなか直接観ることのできない「大学生」のレースであり、年齢にもいわゆる「U23カテゴリー」に当てはまる選手たちが走ることから、いわゆる「金の卵」に出会える場とも言えます。

ちなみに、世界的にみると「U23カテゴリー」というのは、「自転車ロードレースを職業として続けていけるかどうかの最終試験場」といった位置づけであり、通常は「U23カテゴリー」を卒業する時には「本場のプロレースを走ることの基礎」は大方身につけ終わっている状態です。

この「本場でレースを走ることの基礎」という内容をもう少し具体的に大項目でざっくりと分けてみると以下の様になります。

◯特殊なレースを除いたヨーロッパに於ける標準的な自転車ロードレースの走り方や戦術などを身に着けている(集団内の掟、集団内の位置取り、先頭交代の方法、横風戦略、チームカーとの連携、補給技術、トラブルの対処法、基礎的な言語能力、その他)

◯ステージレースの過ごし方を含めた旅生活のスキル(連日レースが続く環境への対応能力、世界各地を独りでも渡り歩ける最低限のバイタリティー、どの地域に行ってもアスリートとしての最低限の食事にありつけるバイタリティー、家族や友達・恋人と長期間離れても平気なメンタル、その他)

敢えて、選手個人の肉体的な才能やフィジカル強化などの項目は外して項目を挙げてみました。

もちろん、怪物級の才能を持っていれば、最初から至れり尽くせりの特別待遇を受けることができかもしれませんが、「プロ選手になれる標準的なフィジカル(それでも特別な才能ですが…)」である場合は、やはり上記項目は最低限身につけていないと、自らのフィジカルを最大限に発揮するところまでたどり着くことすら難しいかもしれません。

私事ではありますが、2月27日付けで「JBCF(全日本実業団自転車競技連盟)」の理事になったこともあり、これまで少し距離のあった「実業団」と「学連」を近づけ、上記に挙げた項目を、日本にいながら若い選手たちがある程度まで習得できるような仕組みを時間をかけてでも創っていきたいと考えています。

毎年、闇雲に1,000人の高校生や大学生を本場に送り込むことは不可能であり、日本に居ても将来(本場に出ていった時に)に役立つ活動ができるようになるのが理想といえます。

AUTHOR PROFILE

栗村 修 くりむら・おさむ/1971年横浜市出身。15歳から本格的にロードレースをはじめ、高校を中退し単身フランス自転車留学。帰国後シマノレーシングで契約選手となり、1998年ポーランドのプロチーム「ムロズ」と契約。2000年よりミヤタ・スバルレーシングで活躍した後、2002年より同チームで監督としてチームを率いた。2008-09年はシマノレーシングでスポーツディレクター。2010年より宇都宮ブリッツェンにて監督。2014シーズンからは、宇都宮ブリッツェンのテクニカルアドバイザーを務めた。現在は、一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役につき、ツアー・オブ・ジャパン大会副ディレクターとしてレース運営の仕事に就いている。JSPORTSのロードレース解説をはじめ、競技の普及および日本人選手活躍にむけた活動も積極的に行なう。 筆者の公式ブログはこちら

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