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栗村修「新たなる才能」

Posted on: 2015.06.23
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先週末は栃木県の大田原市で開催された『全日本選手権個人タイムトライアル』の会場へ行ってきました。

これまではどちらかというとひっそりと開催されることの多かった同大会でしたが、今回は関東での初開催ということもあり、会場には多くのお客さんが集まって国内最高峰のクロノマンたちの走りに熱い声援を送っていました。

そんな中、優勝を飾ったのは、国内最強のクラブチーム『イナーメ信濃山形』に所属する中村龍太郎選手でした。

ここ数年非常に成長著しい選手ではありますが、戦前の下馬評では優勝候補には挙がっておらず、私自身も会場解説を担当しながら『中村選手は後半失速するだろう』という『だろう運転』ならぬ『だろう解説』をしてしまったことを反省しております。

中村選手、大変申し訳ありませんでした。ただ、内心では彼のようなサプライズを起こしてくれる若手の出現をとても嬉しく思っています!

現在の日本の自転車界に必要なのは、最新のトレーニング理論の開発や本場での経験、そこでやっていくための覚悟などもですが、何よりも、それらのベースとなる優れた才能の発掘が重要となります。

中村龍太郎選手に優れた才能があるのは間違いなく、彼の様な選手に一度本場での活動にチャレンジして欲しいという気持ちを誰もが持ったはずです。

もしかすると『自由が効かず無理を強いられるプロ活動』が合わずに今よりも弱くなってしまうかもしれませんが、それでも”可能性を持った才能を試す”という作業こそが日本全体でみるととても大切であることは言うまでもありません。

中村選手は現在『仕事をしながらレース活動を行う』という道を選択しています。これまでも大きな才能を持ちながらも、人生の岐路に立った時に同様の選択をしてきた若い選手はたくさんいました。

たしかに、職業にするにはあまりにも脆弱過ぎる現在のレース界(特に日本は)ですので、ある意味でそれが正しい選択なのかもしれません。

まずは、社会的地位や名誉、更に経済面に於いても、社会人を上回れる環境を用意できなければ、中村選手の様な才能ある選手に自転車界が本気で振り向いてもらうことはできないのでしょう。

AUTHOR PROFILE

栗村 修 くりむら・おさむ/1971年横浜市出身。15歳から本格的にロードレースをはじめ、高校を中退し単身フランス自転車留学。帰国後シマノレーシングで契約選手となり、1998年ポーランドのプロチーム「ムロズ」と契約。2000年よりミヤタ・スバルレーシングで活躍した後、2002年より同チームで監督としてチームを率いた。2008-09年はシマノレーシングでスポーツディレクター。2010年より宇都宮ブリッツェンにて監督。2014シーズンからは、宇都宮ブリッツェンのテクニカルアドバイザーを務めた。現在は、一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役につき、ツアー・オブ・ジャパン大会副ディレクターとしてレース運営の仕事に就いている。JSPORTSのロードレース解説をはじめ、競技の普及および日本人選手活躍にむけた活動も積極的に行なう。 筆者の公式ブログはこちら

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