福島晋一「多様性の時代」
フランスでテロが起こりました。今回のテロでフランスではかつてない規模の集会があり、テロ撲滅に向けて盛り上がっています。それと同時にまたもやイスラム教徒の人が嫌がる風刺画が雑誌に載せられました。
この盛り上がりを見ていると普段から集積されたイスラム教徒の人たちへのいら立ちが一気に表に出たというのが本音でしょうか。表現の自由が損なわれたというのが今回の集会の意味でしょうが、例えば人間というものは自分の母親を侮辱されたら理性を失うことがあります。
「私はシャルリー」を合言葉にデモをしている中に「私はイスラム教徒」というプラカードを持って行進した女性がいたということを聞きました。
流れに乗るのも自由、逆らうのも自由というわけです。一方の流れだけで反対の流れを弾圧するのであれば危険ですが、こういったことも許されることが、真の意味で「自由」を認めているフランスであると感じると同時に、それだからこそ、直面している問題も多いことを考えさせられました。
今はまさに「多様性」の時代。
インターネットで世界中から気の合った仲間を見つけて集まりを作ることができ、特殊な考えでも共有、発展することができます。情報も溢れていて、発信できる人も昔と比べて格段と増えました。
人の考えが細分化されて、それが発展していく。
昔であれば、人の考えも国ごとにまとまっていましたし、統治者としては非常にやりやすかったと思います。多様化の時代は全体的に間違った方向に向かいにくい反面、少数集団のこういったテロの行動はなかなか抑えるのが難しいでしょう。
世界中の人の考えがすべて同じになることはあり得ません。
多様化の中の団結。
この問題の解決のキーワードは「リスペクト」だと思います。