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栗村修「バーチャルレース」

Posted on: 2016.05.04
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とある打合せの帰り道に『体感型オンラインサイクリングシステム』の話を聞きました。

『なにを今更』と思われそうですが、日々自転車業界のなかにドップリと身を置いているものの『自分の時間(労働力)をフルに仕事へ提供するワーカーホリック状態』に陥ってしまうと、ある分野についての情報がずっぽしと抜け落ちしまうことがあります…

最近は地上波のテレビを観る機会が殆どなくなり、『安心してください、はいてますよ』のネタすら知らないことを周囲に驚かれたりもしました。

そんな中、『オンラインローラー台ゲーム』がかなり盛り上がりをみせているという情報を遅ればせながら聞きつけた次第です。

要約すると『ローラー台』及び『ローラー台に載せた自転車』にセンサーを取り付け、スマートフォンやPCを介してオンライン接続し、バーチャルレースやバーチャルトレーニングが行えるというものです。

こういったサービスは以前から存在していましたが、昨今の技術力の向上により、『よりリアルに近いバーチャル体験』が気軽に楽しめるようになってきたわけです。

なぜ、このシステムに今更ながら反応したかといいますと、現在『ジェイ・ライド・プロジェクト』などを中心とした人材発掘に力を入れており、このバーチャルゲームがかなりの可能性を持っていると感じたからです。

例えば、現在私が大会ディレクターを務めている『ツアー・オブ・ジャパン』の各ステージのコースデータや優勝者及び先頭集団などの出力データを収集し、それをゲーム化することで、ローラー台上のバーチャル体験で自分がどの辺りまで行けるかをユーザーが手軽に体感することができます(ツール・ド・フランスの先頭集団のデータを設定することも技術的には可能です)。

もちろん現状では実走との間にそれなりの差があるとは思いますし、これだけでは本物の選手を生み出すことはできませんが、それでも最低限必要な走力があるかどうかはすぐにわかるはずです。

すでに海外のある女子チームでは、これらのゲームで『高記録を出した選手と契約する』という企画を打ち出しているとのことで、特に日本の様な身近にレースが少ない国にとっては『選手の発掘』と『現在の自分の実力を知る』ためのツールとしてとても大きな存在になることは間違いありません(特に日本人はゲームが好きなので)。

是非、これらをうまく活用して、効率的な選手発掘システムの構築を進めていきたいものです。

AUTHOR PROFILE

栗村 修 くりむら・おさむ/1971年横浜市出身。15歳から本格的にロードレースをはじめ、高校を中退し単身フランス自転車留学。帰国後シマノレーシングで契約選手となり、1998年ポーランドのプロチーム「ムロズ」と契約。2000年よりミヤタ・スバルレーシングで活躍した後、2002年より同チームで監督としてチームを率いた。2008-09年はシマノレーシングでスポーツディレクター。2010年より宇都宮ブリッツェンにて監督。2014シーズンからは、宇都宮ブリッツェンのテクニカルアドバイザーを務めた。現在は、一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役につき、ツアー・オブ・ジャパン大会副ディレクターとしてレース運営の仕事に就いている。JSPORTSのロードレース解説をはじめ、競技の普及および日本人選手活躍にむけた活動も積極的に行なう。 筆者の公式ブログはこちら

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