栗村修「時計回りのツール」

Posted on: 2018.07.02

7月7日に開幕する「ツール・ド・フランス」ですが、そのコースは毎年変更して開催されています。

大きく分けるとまずは「時計回り」か「反時計回り」かの違いがあるわけですが、その回る向きによって、何らかの因果関係があるのか「独断と偏見」でサクッと調べてみました。

ちなみに「時計回り」か「反時計回り」かの定義については、アルプスとピレネーのどちらを先に通過するかによって以下の様に分けてみました。

・時計回り=アルプス→ピレネー
・反時計回り=ピレネー→アルプス

◯2018年:時計回り

◯2017年:反時計回り
1位 FROOME Christopher
2位 URAN Rigoberto
3位 BARDET Romain

◯2016年:反時計回り
1位 FROOME Christopher
2位 BARDET Romain
3位 QUINTANA Nairo

◯2015:反時計回り
1位 FROOME Christopher
2位 QUINTANA Nairo
3位 VALVERDE Alejandro

◯2014:時計回り
1位 NIBALI Vincenzo
2位 PERAUD Jean-Christophe
3位 PINOT Thibaut

◯2013:反時計回り
1位 FROOME Christopher
2位 QUINTANA Nairo
3位 RODRÍGUEZ Joaquim

◯2012:時計回り
1位 WIGGINS Bradley
2位 FROOME Christopher
3位 NIBALI Vincenzo

◯2011:反時計回り
1位 EVANS Cadel
2位 SCHLECK Andy
3位 SCHLECK Fränk

◯2010:時計回り
1位 SCHLECK Andy
3位 SÁNCHEZ Samuel

◯2009:反時計回り
1位 CONTADOR Alberto
2位 SCHLECK Andy
3位 WIGGINS Bradley

◯2008:反時計回り
1位 SASTRE Carlos
2位 EVANS Cadel
3位 MENCHOV Denis

◯2007:時計回り
1位 CONTADOR Alberto
2位 EVANS Cadel
3位 SASTRE Carlos

あまり明確な因果関係というものは見つかりませんでしたが、一つだけ重要な事実を発見しました。それは、王者フルームが「時計回り」の年に勝てていないという内容です。

イメージ的には、フルームはアルプスよりもピレネーを得意としている様にも感じますが、果たして「時計回り(ピレネーが後半)」となる今年の「ツール・ド・フランス」でどの様な戦い方をみせるのかいまからとても楽しみであります。

AUTHOR PROFILE

栗村 修 くりむら・おさむ/1971年横浜市出身。15歳から本格的にロードレースをはじめ、高校を中退し単身フランス自転車留学。帰国後シマノレーシングで契約選手となり、1998年ポーランドのプロチーム「ムロズ」と契約。2000年よりミヤタ・スバルレーシングで活躍した後、2002年より同チームで監督としてチームを率いた。2008-09年はシマノレーシングでスポーツディレクター。2010年より宇都宮ブリッツェンにて監督。2014シーズンからは、宇都宮ブリッツェンのテクニカルアドバイザーを務めた。現在は、一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役につき、ツアー・オブ・ジャパン大会副ディレクターとしてレース運営の仕事に就いている。JSPORTSのロードレース解説をはじめ、競技の普及および日本人選手活躍にむけた活動も積極的に行なう。 筆者の公式ブログはこちら

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