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竹谷賢二「2014全日本トライアスロン宮古島大会レポート」

Posted on: 2014.04.25
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シーズン開幕を告げるビッグイベント、宮古島トライアスロンをフィニッシュしてきました!

昨年は強風でのスイム中止、デュアスロンで行われましたが、今年は快晴、暑すぎるほどの好天の中での開催となり、この宮古島ブルーの海を思い切り泳いできました。

昨年はランでのエネルギー切れを感じたので、今年は補給でのパワージェル増量により、エネルギー切れを起こさずに最後まで走り切れました。

夜も明けきらぬレース前の準備では、SHIVにしっかりとエネルギーを搭載しまして、万全を期しました。

装備は最新にアップデートしています。ヘルメットはイヴェード、トライウエアはワンピースに、そしてランシューズはNewtonディスタンスと、最高の装備で挑みました。

そして、レースの結果はというと、
総合  8:41:37 17位 (エイジ2位)
スイム 0:52:42 198位
バイク 4:09:51 7位 
ラン  3:39:04 46位

昨年デュアスロンでの総合順位、エイジ順位も全く同じでした!自分にとって苦手なスイム込みでの同じ成績は、”良く出来ました”ですね。

総合記録 8:19:59 17位 (エイジ2位)
バイクラップ(第一ラン込)4:38:50 3位 
ランラップ 3:41:09 80位

と、バイクは伸びなかったものもの、ランは全体順位を上げています。予想、目標タイムとの比較しますと、

スイム 0:50
バイク 4:05
ラン  3:25
フィニッシュ 8時間20分

スイムは目標よりも3分弱、バイクはT1&T2込で5分弱、ランは14分、全体で21分ほど余計にかかってしまいました。目標は理想的なペースで行けた時でありますから、現実とは違いが出てしまいますが、その差を産み出す要因は、今回は気温の”暑さ”と日差しの”熱さ”でした。

それでは各パートを振り返ってみます。

【スイム】

気合十分で臨んだスイムは予想タイム50〜53分、その範囲に収まるタイムで上がりました。スタートから前半のバトルはまずまず順調にこなして、ゴーグルが外れないようにだけ注意して進みます。

中盤は追い潮な流れもあり、順調に思ったよりも早い感じで、最終ブイまでたどり着きました。しかし、そこからの後半は流れが向かいになって、自分の位置もがなされ気味になりました。周りも流され気味で、右往左往になっていました。

事前練習でルックアップのポイントにしていたホテル位置を、ヘッドアップをして確認して真っ直ぐ泳ぐようにしましたが、人の右往左往に巻き込まれピンボールみたいに周りに弾かれまくったり、かといって左端に行って人がいないと不安になったりと、あっちこっちとっちらかりましたが、スイムアップしてみると、53分とまずまずの滑り出しではありました。

上がってからは計時ラインまでビーチランです。陸に上がると気持ちも足取りが軽いのは、いつものことです(笑

そしてさらにT1、バッグを取って、着替えてバイクへと長い距離のランニングしての移動になります。平均心拍数は143bpmとまずまず頑張り、追い込み過ぎずの良い感じでスイムを終えました。

【バイク】

そして得意のバイクに移りました。S-Wトライヴェントでトランジッションからの、乗り込みもバッチリ落ち着いて行いました。日焼け避けのアームカバーもこの時、腕に付けていて、走りが落ち着いたところで、しっかりと上げて腕をカバーしました。

島風はやや強く吹いているものの、昨年の爆風とは全く違い穏やかにすら感じます。ここから先は日差しの熱さ、気温の暑さが、このレースでの自分が戦うべきもの、となっていったのです。

バイクパートトップを狙いガンガン追い上げていきます。南東の風で前半池間島までは追い風です。区間平均は40㎞/hを越えています。

東平安名崎前後の中盤はアップダウン、そして向かい風になります。この頃から日差しの熱さがかなり気になりました。背中が、肩が、痛いほどに感じ、顔と頭も路面の照りで熱く感じます。強烈な日差しの中で、頭がクラクラとする気配の熱中症にならないように、少し抑えて走るようにせざるを得ない状況です。

積極的に体に、頭、肩、背中、脚に水をかけて冷却しながら走るようにしました。タイムロスは覚悟しながらも、補給所ではペースを落として、スポーツドリンク、掛水のボトルを確実に取りました。熱さの体のダメージを減らすことがレース後半、ランでの負担を減らすことに繋がると思ったからです。

酷暑の中、水分だけでなく、エネルギーも、またミネラルも確実に摂取することを心がけました。暑いので飲水だけで走りたい感じですが、ジェルを確実に飲み切ること、SHIVのフューエルセルに積んだ固形物も、中盤から後半にかけてもしっかりと摂り切りました。暑さでちょっとお腹が重いな、とは感じるもののランでのエネルギー切れを起こさないために、と。

いけどもいけどもトップに追いつかない状況下で、ペースは中盤から、やや落ち込みを感じました。残念ながら、バイクラップ1位は取れそうにないので、そのまま無理せずにランに上手く繋がるようにと、ペースを安定させて走り続けました。

結果的にバイクパート平均心拍数は156bpmで、安定して良い範囲で走りきっています。

メーターを回収してデータをチェックしますと昨年はレース平均は260w、今年は実走行4:04の平均は254wでした。日差しを受けての熱さの影響、全てエイドで掛け水を取るなどしてのパワーと速度を落としていることを考えると妥当な線で、パフォーマンスレベルは概ね昨年同等でした。

度数分布でも、自分のパワーを上手い範囲で発揮できているようです。しかし、横風の影響もなくバイクパートが高速展開の場合、スイムアップを速くして、速いペースラインに乗らないと、更なるポジションアップは難しく感じます。

スイムアップした後トップの集団は、バイクで間を開けた走行をしていても、前方に複数人いれば、空気抵抗低減の恩恵は受けられますので、その流れの中で走るのと、単独での追い上げでは埋めきれない速度差があります。

また、後半にかけては、お互いの競り合いも生まれますので、ペースの維持は後半までしやすくなります。同じ平均パワーでも得られるスピード、タイムが変わってきます。そのため、スイムアップを速くして、またT1、T2でのトランジットタイム削減もより行って、少しでも速い流れの位置で走ることが必須となってくるでしょう。

昨年のように、横風の影響で地脚とテクニックの差によってバラバラになる場合ならばまだしも、トッププロ選手相手に単独は、多勢に無勢といった感じがあります。

スイムが良くなればバイクも良くなる、バイクが良くなればランも良くなる、全種目の影響を受ける、それがトライアスロンの難しいところであり、そしてまた面白いところでもあります!自分のスイムも少しづつでも向上していますので、来年はもっと良い展開になるでしょう。

【ラン】

バイクで199位から16位まで順位を上げてランに移りました。バイクのダメージ、筋疲労などは感じないものの、走りだしてからは日差しの熱さに加えて、気温の暑さも感じます。速度の遅いランでは、バイク走行のように風で冷却されることが無いので、ペースを上げると頭にクラクラする感じがしました。

いかん、と思い落ち着くように、いったんトイレに寄って、頭から水をかぶってリセットしました。バイクでの補給が上手くいきエネルギー切れはなく、ただし多くの水分を取りつづけてきたので塩を鷲掴みで追加摂取を前半のエイドで行いました。

想定していた下限ペースも下回り、やめたい、歩きたい、と葛藤がありつつも、一緒にランデブーしていたアスリートの存在が、気持ちを盛り立ててくれ、「彼も頑張っているのだから自分だって!」と、モチベーションを高め、自分自身のフォームを崩さずに保つことに集中し走り続けました。

辛い中、思ったよりもペースが上がらない時には、様々な思いが去来します。自分のランの実力はこんなものではない、暑さのせいだ、悪いのは自分ではない、なんて言い訳がましい思いも頭をよぎりました。

リタイアして、直前に体調悪かったって言ってもいいかな、なんて弱い自分も顔をのぞかせます。しかし、頑張る周りのアスリートの存在が、自分を奮い立たせてくれるのです。

この抜きつ抜かれつのランデブーは結局ランスタートから25km地点くらいまで続きました。この方の存在が、ランのペースを刻むとても大きな力添えになってくれました。

「貴方が私を頑張らせてくれる!私が貴方を頑張らせてあげる!」

まさに、レースの、トライアスロンの根源的な魅力である、本質的なギブアンドテイクを享受した時間でした。

そしてレースでの、もう一つの大きな力添え、エイドステーションでの応援、サポートです。宮古島ではどのエイドでも、多くの地元の老若男女問わず、多くの方々が力の限りのサポートをしてくれます!

歩道の日陰など探して、日差しから少しでも体を守っていても、容赦のなく強い日差しが照りつけ、体を焦がします。そんな厳しい中のエイドステーションは、まさにオアシスそのものです。水をかけてもらい、スポンジをもらい、体を冷やしてオーバーヒートにならないようにサポートしてもらえるおかげで、体を前に進める事が出来ました。

この甲斐あり、折り返しハーフは1時間45分で折り返しました。折り返しての後半も、体の火照りは強く、そして脚も張り始めて動きも悪くなってきました。

そこでエイドで氷をもらい、ウエアの中に詰め込んだり、キャップの中に氷を入れたりと冷却をさらにしつつ、またエアーサロンパスを首筋や張った筋肉にも吹きかけ、水でかけて冷却を強めて乗り切りました。

数人に抜かれ、数人を抜いて順位は一進一退を繰り返しつつ、もはやペースの落ち込みを最小限にするべく、自分自身に集中しました。エイドで得られる応援と涼を楽しみにして、着実に前に進んでいきます。

35㎞を過ぎ、ゴールまで残すは数km、市街地に入っていくところで、女性チャンピオンに抜かれてしまいました。ピッチは軽快で、TVの放送も彼女を撮り続けているので、フレームインしていてはまずい、早く千切れよう、と思いました。しかし、彼女のリズムで走っていると心地よく、走れば走るほどペースが回復し、余裕が生まれてきました。

「貴方が私を頑張らせてくれる!私が貴方を頑張らせてあげる!」

辛いという力みがドンドン体を萎縮させ、ペースを下げてしまっていたのでしょう。小気味よいペースでのランデブーが、またしても自分に力を与えてくれました。最後は、男の意地?!で、ラストスパートで先行してフィニッシュをさせてもらいました!

折り返してからの後半ハーフは1:53で凌ぎました。ランの平均心拍数は148bpm、熱さの中でのペースとしては致し方ない感じもあります。

今回は暑さ、熱さとの戦いでした。でもそれはみな同じこと、同じ条件の中で、どれだけ、自分自身を奮い立たせることが出来たか、それがレースです。

バイクは自分自身の出せるスピードと、実際のスピードとの葛藤であり、ランは辛く折れそうになる思い、やめたい、止まりたい、歩きたい自分自身との葛藤です。今回の宮古島では、それを強く感じました。

フィニッシュするということは、それを制した達成感があり、いつでも嬉しいものです!レースは何度やっても辛いものですから、その分喜びもひとしおです。しかし、その瞬間から、次はもっと良くしたい、と言う欲求も湧き上がります。

「貴方が私を頑張らせてくれる!私が貴方を頑張らせてあげる!」

次のレースでは、より高いレベルで誰かを頑張らせるために、そして自分自身を頑張らせてもらうために、しばしの休息の後、またトレーニングの日々を再開したいと思います。

スイム、バイク、ラン、より高いレベルを目指して!

■使用マテリアル
【スイム】
ゴーグル:アクアスフィア ケイマンエグゾ-
ウエットスーツ:メイストーム スペシャルオーダー2ピース

【T1】
補給:パワージェルx1 トップスピードx1

【バイク】
バイク:スペシャライズド S-WORKS SHIV Di2
ホイール:ロバール CLX60
タイヤ:S-WORKS ターボ 24c 前後8.0気圧
ヘルメット:S-WORKS イヴェード
シューズ:S-WORKS トライヴェント
アイウエア:Smith リアクターMAX 偏光レンズ
アームカバー:c3fit
補給:パワージェルx12 パワーバーx1 一口羊羹x2 カステラx2切れ

【T2】
補給:パワージェルx1 トップスピードx1

【ラン】
シューズ:Newton ディスタンス
アイウエア:Smith リアクターMAX 調光レンズ
補給:パワージェルx6 トップスピードx2

リストコンピュータ:POLAR V800先行試用モデル

AUTHOR PROFILE

竹谷 賢二 たけや けんじ/1969年生まれ 東京都出身。フルタイムワーカーとして働きながらMTBレースに参戦を続け、2000年に初めてMTB全日本選手権優勝を果たし、通算4度の全日本チャンピオンに輝く。2004年、MTBクロスカントリー日本代表としてアテネオリンピックに出場。 2009年の全日本選手権を最後にMTBプロライダーを引退。現役引退後はスペシャライズド契約アドバイザー、ポラール契約アドバイザーとして活動を開始。アスリートとしての経験を活かして各種レースやイベント、スクールに積極的に参加し、スポーツバイクの普及と発展に携わる。2012年からは、本格的にトライアスロンに参戦している。 筆者の公式ブログはこちら

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