竹谷賢二「MTB公式レースシリーズCoupe du Japon 富士見パノラマ大会に参加!」

Posted on: 2015.06.03

JCF/日本自転車競技連盟の主催による、国内公式MTBレースシリーズであります、Coupe du Japon富士見パノラマ大会(CJ-1)に参加してきました!

なぜにシリーズ名がフランス語なのかはおいておいて(苦笑)、このCJはオリンピックに繋がる国内最高峰の選手の競うレースであります。

そのレース会場にて、スペシャライズド・ジャパンではバイクオーナーへのレース参戦しやすいサービスを行っています。”Sラウンジ”といいまして、プロメカニックによるセッティングのお手伝いから、急なメカニカルトラブルへの対処などはもとより、ライダー同士の情報交換など語らいの場所、そして、自分が参加する際には、一緒のコーストレーニングも行っております。

レベルの高い大会=レベルの高いレーサーの集まりなのでレースに備えて、常日頃からバイクメンテナンス、そしてトレーニングを行われていますので、万全を期して、実力を発揮してもらいたい、そんなサービスになっています!

実際に土曜日にコーストレーニングを一緒に。ロックセクションで走力に合ったライン取りを検討して練習、それ以外は特に難しい箇所もなく、走行スピードによりライン取りが変わるので、下りはある程度スピードにのせて走行、登りは抑えて繋いで走りました。

が、あっという間に、各自バラバラに、、、、スミマセンでした!

それはレース本番でも、誰よりも速いスピードで走っていたであろう、ジュニアチャンピオンとのセッションになってしまったため、彼に合わせていたらグングンスピードが上がってしまって(苦笑)

実際、自分も息も絶え絶えで、今年の最高心拍数186bpmをマークしてしまい、こんなキツイこと出来ないと改めて実感したほどでした。

速くなることに貪欲な彼は、一瞬一瞬も無駄に練習せず、言葉を漏らさぬように耳を傾ける、真摯な態度は間違いなく、東京オリンピックを筆頭候補であることを肯けさせます。

若さは武器であります。

勢いを活かす、失敗を恐れない、先々を見てどこまでも伸びていける、そんな思いを分けてもらいました。

さて、そんなオリンピックを目指すキッツいペースで走る練習はしていないので、あっという間にオールアウトになるかとおもいきや、練習走行とはいえ結構踏ん張れたのは自分でも意外でした。

今年の冬から続けているパワーブリーズによる呼吸筋トレーニングが功を奏していて、激しい呼吸でも余裕を感じさせます。また、苦手なスイムに比べれば、呼吸し放題であることも、楽に感じる一因でしょう(笑)

高い心拍数も、横浜トライアスロンのランニングパートで体験していますので、呼吸循環的には問題ありませんが、やはりMTBレースでの肝であります、バイクコントロール、こちらは、高い強度下での練習、体験が皆無なので、乱れがちです。

王滝のMTBレースでは、そこまで強度は高くないですし、コントロールが難しい局面も少ないです。きつくてもしっかりコントロール出来る、疲れてもコントロールできる、それがスキルです。

その自分でも足りないスキルを補ってくれるのが機材です。ロードなどは抵抗を減らすことが機材の優劣となりますが、MTBでは乗り手のスキルを補完する機材選びとセッティングが重要になります。

自分の乗るS-WORKS EPIC は完成車の状態から、ハンドル幅、ステム長を合わせて乗り出し、グリップ、サドルは乗り込むことで好みのものに変更しています。

シートポストはゼロオフセットに変更して登り前乗り状態で良いところに、サドルがシックリくるように。自分のポジションだとシートポストがビュッと伸びてサドルが後方に位置してしまいますので、まずはその補正という意味合いです。

そして路面ギャップ、ハンドリングとの兼ね合いで腰を立てて乗ることが多いので、その辺りがロードとは異なりますね。

タイヤはコンディションに合わせるものの太めが総じて好みで、エアボリュームで路面の細かな衝撃を吸収してもらいつつ、滑る路面でのトラクション、コーナーリンググリップを増しています。

コントロールの正確性、振動による疲労がまるで違います!特に、普段MTBに乗り込めない生活となった今や、安全マージンを稼ぐと言う意味でも、極めて効果的です。

そのコントロールの正確性、振動による疲労低減、安全マージンを稼ぐには、フルサスペンションバイクはもってこいです!どんなにスキルが高かったとしても、体力の限界、そして集中力の限界が発揮されるスキルの限界でもあります。その時でも、機材側で90mmでも動いてくれて挙動を安定させてくれれば、安心、安全に大きく繋がります。

なにより、ダンシングでのペダルパワーのロスはないし、下りスピードの向上と、レースパフォーマンスに対してもプラスですから、選ばない手はないでしょう。このようにレース機材を、自分の走力、スキル、スタイルに合わせていくのも愉しみの一つですね!

さてレースの方は、年代別カテゴリーであるマスターズクラスにエントリー、旧知のレース仲間と一緒にスタート切れる悦び、満喫です!

オリンピックに繋がるクラスで、日々のトレーニングの成果を試すというのもとてもチャレンジングですし、歳を重ねて今のライフスタイルのなかで無理なく楽しむのもまた一興です。

エンデュアライフですからね!

コースは上って、上って、で大変ではあるものの、コーナー、バンクも、下りセクションに多数配されて走っていて楽しかったです!

ただフラット、Uターンとか、スピードを殺すパートもあり、そこはまぁマイナーな問題ではありましたが、コースにおいては、エリートクラス以外は、リフト下の激坂はただ上るだけで消耗してしまい、スピーディなレース展開としては不必要かなと思いました。

その代わりに、周回数を増やしたほうが走り甲斐、競り合うレースの醍醐味をより満喫出来たはず!

このような楽しいセクションを一杯走らせてもらたほうが、参加者は楽し苦レース出来ます!着地がヤバイから、テーブルトップでなるべく飛び出さないようにしても抑えきれないこともしばしば。次回は、ドロッパーをつけてサドルを下げて、ガンガンいこうかな~とも?!

ペダルの上に体をどう置くか、進むペダリングの時、バイクをコントロールする時、それらはMTBでも、ロードでも、トライアスロンでもなんら変りません。二輪でありペダルがついていれば、差の大小があっても、基本は同じです。

実際、ロードの元プロ選手もエリートクラスを走っていて、巧い走りを見せてくれていました。

反面、ジャンプ、ウイリーの巧い若手選手でも、後半疲れてくると、滅茶苦茶な乗り方に崩れたりもしていました。どんなにスキルがあっても、体力の限界、集中力の限界が発揮されるスキルの限界を決めます。

部分の問題ではなく、全体の問題です。

ロードバイクにちゃんと乗れていると思ったら、バイクに乗せてもらっていた、なんてこと多いですからね。。。

一度、なんでもトライしてみるといろいろと見えてくることが増えますから、チャレンジクラスなど参加しやすいカテゴリーもありますので、一度、怖いもの見たさで、エントリーをしてみることをおすすめしますよ~

終わってみれば、苦しさもなんのそので楽しかったです!!

展開としては後方整列から、スタートダッシュがかからないので、ジワジワと登りで追い上げていき、ピークでトップに立ち、下りで転ばないように、安全マージン高めに。そして、激坂で足を着かないように、ペース配分に余裕を持って走り切れました。

もうMTBでは自分自身の速さの追求をやり切ったので、今はレースに出ても、正直高い闘志、ギリギリまで攻めるといった現役が持たなければならないマインドはありませんが、今のスタイルで頑張れること、楽しめること、やれる範囲で無理なく、といったことを実現できたら良いなと思っています。

実際、マスターズクラスの面々はそんなマインドの持ち主ばかりで、ゴールしてもお互いをたたえ合う空気で一杯で、気持よかったです!トライアスロンのエイジグルーパーと同じですね、ここのその空気感は。

お互いの生活、仕事があり、その中でいろいろとやりくりしながら、より良く走る努力は怠らないというスタイル、自分を良くする努力をするから、同じ努力をしている人を認められるのででしょう。速度ではなく、努力の深度、そしてその共感なんだと思います。

ともあれ、こんなところを上手く走れた爽快感はたまりませんよ!!是非、MTBにも挑戦してみたい、という方が増えてくれたら嬉しいな~とおもいます。

7月17~19日には、長野県富士見パノラマスキーリゾートで開催される、MTB全日本選手権に先ずは観戦してみることをお勧めします!!なんならば、チャレンジクラスも併催なので、参加することも?!

近日オープンのサイトです。
http://ncs.dynoco.jp/

MTBマスターズも頑張り続ける人々多く、盛り上がりそうですね。自分もMTB全日本マスターズで出ますので、張り切って行きましょうー!

AUTHOR PROFILE

竹谷 賢二 たけや けんじ/1969年生まれ 東京都出身。フルタイムワーカーとして働きながらMTBレースに参戦を続け、2000年に初めてMTB全日本選手権優勝を果たし、通算4度の全日本チャンピオンに輝く。2004年、MTBクロスカントリー日本代表としてアテネオリンピックに出場。 2009年の全日本選手権を最後にMTBプロライダーを引退。現役引退後はスペシャライズド契約アドバイザー、ポラール契約アドバイザーとして活動を開始。アスリートとしての経験を活かして各種レースやイベント、スクールに積極的に参加し、スポーツバイクの普及と発展に携わる。2012年からは、本格的にトライアスロンに参戦している。 筆者の公式ブログはこちら

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