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三瓶将廣「シーズン開幕戦で手にした4つの収穫〜マンチェスター帯同レポート〜」

Posted on: 2014.03.20
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先週の月曜日から1週間、スタッフとして帯同していた、イギリスのマンチェスターで行われたUCIレースが終わりました。

今回の大会にはエリート50名がエントリー。参加国は10カ国を超えて、スーパークロス形式(以下SX)のレース経験が少ない日本チームにとっては絶好の機会となった。レースの結果からいうと、初日に行われたBritish SX Open(UCIポイント加算大会)では、長迫吉拓が決勝進出し4位入賞!


コーチのトーマス・アリエとビデオチェック中

スタートで出遅れて、追い上げる展開になったけど、トップワン・ツー・スリーの地元イギリス勢に続いての4位は好スタート。UCIポイントも35点獲得することができた。


駆けつけたファンにサインを求められる長迫

松下、吉井、古幡も実力的には悪くなかったものの、レース経験の差がでたのか、各自が設定していた目標結果には一歩およばなかった。翌日行われたオープン大会では、先頭集団でのクラッシュや、コース後半での順位の入れ替わりに苦しみ、予選通過ならず。前日好調だった長迫は予選を1-1-1で通過したものの、準々決勝でのスタートミスが命取りとなり、その後の戦いに駒をすすめられなかった。


疲れきった古幡

【レース1日目動画】

【レース2日目動画】

今回大会に帯同する中で、収穫がたくさんあった。その中から、大きく4つを紹介していく。

ー■新ルール導入により予選タイムトライアルの廃止       
今年度からワールドカップの予選形式がかわり、俺を長年に渡って苦しめ続けたタイムトライアルがなくなった。(正確にはランキング男子トップ16位、女子8位の選手のみ行われる)

ランキング上位以外の選手は、3ヒートのレースが行われる。組み合わせは毎ヒートスクランブルで走るメンバーは変わり、3ヒートの合計順位が少ない男子48人、女子24人が予選通過となる。

通常は各ヒートから上位4名ずつ勝ち上がるけど、このシステムでは何人いても48人と24人のみが通過。なので、160人のエントリーがあった場合、8人x20組になって、その中で上位48人だから、1~2位、悪くて3位以内を走っていないと通過できないこととなる。

今回の大会から早速最新のシステムが採用され、スクランブルの3ヒートから、トップ32人が通過。今回は7組あったので、通常であれば各ヒートから4名ずつ通過で、合計28人が通過。しかし、今回は32名だったので、通常より多く通過する場合もあるってことだ!(これを書きながら気づいた!)

ー■イギリスチームの次世代
結果としてあらわれた、GBチームのアカデミー効果。優勝は現世界チャンピオンで、地元のリアム・フィリップス。このコースでは3年間負けなしなのでその存在感は際立っている。一方で2,3位に入ったのが、エリート2年目のカイル・エヴァンスと、トレ・ホワイトだった。

ロンドン・オリンピック前から始まったアカデミー制度で、じっくり育てられている2人だ。一昨年の同大会では俺の後ろでゴールし、準決勝敗退だったけど、着々と力をつけて今回のイギリスチームの表彰台独占を実現させた。

住みこんで毎日走っているとはいえ、確実にチカラを付けたことに加え、精神面の強さも追加され、イギリスでは今まで1人だったリアムに強力な仲間が加わった。さらに、1人怪我をしている同アカデミー生もいるので、今年のGBチームは強そうだ。


右からマナトン、ホワイト、フルハタ、エヴァンス、レース翌日モールにて遭遇

さらに、数日前に発表されたリオデジャネイロ五輪の年齢制限の繰り下げにより、新たに1998年生まれの選手が参加可能となったことをうけてか、2日目のSX形式のレースには早速1998年生まれの選手を出してきたGBチーム。

昨年の世界選手権では同年令の山口大地と決勝までバトルを続けた、パディー・シャーロックは、既にSXを走りこんでいる様子があり、準決勝まで駒を進め、決勝圏内の走りをしていた。ちなみに、山口も同日に開催されたアメリカのレースで2位に入り、この世代も代表争いに入ってくる可能性が出てきた。

ー■世界レベルとの差
今回改めて感じた「決勝へ駒を進めるメンバー」との差は、一つ一つのジャンプの精度と、SXトラック特有のこなし方だったと思う。ウォームアップなどでゆっくり走っている時の走り方が、本番のレーススピードになった時に大きな差が出ているように感じた。


低速で出来ないものを、高速で出来るわけもないという単純なことかな?長迫はコースへの対応能力をはじめ、雰囲気に飲まれることなく自分のペースで調整し、むしろ他の海外選手が長迫を意識する位置を確立しつつあったように感じた。そこのステップにあがるのが、日本チームの目標の一つなのではと思う。

ー■YBPの効果
今回もうひとつのストーリーとしては、SXタイプのコース初挑戦となった古幡陵介。(正確には2010年の世界選手権に挑戦するも、2周目で転倒、SXヒルを降りずに終了している。)

その後は日本のレースを中心に活動し、昨年のYBP建設を機に、SXタイプへ挑戦を再スタート。リニューアルされたハイレベルのコースに苦戦するものの、昨年のうちにYBPにてSX8mスタートヒルを克服していたため、練習時間をコース攻略に使うことができていた。

今までであれば、大きな課題となっていたSX8mスタートヒルは、最初から問題なくクリアしていた。むしろ絶好調だった。まさにYBPの効果を感じる瞬間でもあった。

スタートゲートは日本中にある。そして、8mスタートヒルも昨年ついに日本にできた。そうした中で、コースでの練習をより強化していけば「SXコースへの対応」は近い将来問題ではなくなってくると思う。

レース後も日本チームでコースを歩き、来月に向けての課題を話あったり、日本に持ち帰るためにジャンプのサイズを測ったりしてきた。急ピッチで追い上げましょう!

今週末は今年最初のユース育成/ジュニア強化指定選手の合宿を修善寺で実施!
今回の情報を早速フィードバックです!

ではでは!

【関連動画:YBPとは?〜咲かせよう!BMXに情熱の花を〜】

AUTHOR PROFILE

三瓶 将廣 さんぺい まさひろ/川崎市出身。プロBMXライダーであり、一般社団法人SYSTEMATIC BMXの代表を務める。5歳からBMXレースを始め、中学校入学と同時に拠点を海外へ移し、これまで17年間18カ国にて、レースに取り組んできたライダーである。全日本選手権3連覇、2011年アジア選手権優勝。日本を代表するプロライダーの一人。現在、ライダー業の傍ら、BMX/自転車普及活動を目的に、一般社団法人SYSTEMATIC BMXの代表としても活動している。 筆者の運営する公式サイトはこちら

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