三瓶将廣「なぜルールブックを読まない?」
先週末、2日間に亘ってJCFが主催するBMX2・3級公認審判員講習会が行われた!俺はようやく年齢制限に達したので、2日目に行われた3級審判員に参加してきた。場所は東京都の人形町。東京マラソンに道を阻まれながら、なんとか会場へ到着。講習会場に入ると20名オーバーの受講者がスタンバイ!いつも会場で見慣れている保護者の方々や、お久しぶりな輪界の方々、そしてはじめましてな方々まで。
予想以上に現在BMXレースに携わっている人が少なくて、新たに興味を持ってくれた方の参加が目立った!講習はルールブックにそってひと通り確認していき、わからないことなどは実際の現場での体験を付け加えて説明。客観的な意見も出て、とても勉強になる面が多かった。
午後は筆記の試験があって、ラスト1問で間違えたけど無事に合格。実際の場面を想像して、考えが固まりすぎているから間違える。ついついフレキシブルさをなくしてしまうから、審判員として、様々なシチュエーションがあることを忘れないように注意しなくては。。。
そんな感じで講習は無事終えたけど、いくつか発見したことや、前から伝えたかったことをちょろっと。
ー■なぜルールブックを読まない?
昔からBMXレースが大好きだった俺は、ルールを知ることも好きだったし、何かギリギリのラインがないかとか見つけるのが趣味だった。家にこのルールブックが山積みになっていたという環境もあったけど、よく寝っ転がりながら読んでいたのを覚えている。
しかし去年からユースの指導をはじめたり、他の選手と話する機会が増えて思ったのが、あんまり詳しい人がいないことや、最低限のルールを知らない選手が多いと感じていた。
ただルールオタクみたいになるのはどうかと思うけど、自分のやっている種目の「ルール」を知らないのはちょっとね。日々速くなりたくて、努力している選手が、ルールを知らなかったばかりに、失格、決勝行けませんでした。みたいな事になってはもったいない。
中にはそんな事考える前に、「とりあえず乗りまくって、速くなればいいんだよー!」なんて子も多いと思うけど、このルールブックにも速くなるためのたくさんのヒントが落ちているのも事実!
ー■ヒントがいっぱい詰まってる!
例えばワールドカップなどになってくると、レースとレースの間の休憩は何分です。などがルールで決まってくる。それを知っているか知らないかで、トレーニング方法や、取り組み方も変わってくると思う。
またオリンピックへ出場するためには、国別のポイントを集めていく必要があるけど、どの種類の大会が何戦カウント出来るのかとか、各国3人のポイントの合計・・・・・・など、細かいルールを知っておく必要がある。
前回のロンドンオリンピック後、「僕知らなかったんですよねー、だから最後の選考会行きませんでした。」というビックリ発言も聞いた。身近なところだと、準決勝の組み合わせ方法などを事前に把握できることで、レース直前ではなく時間を持って戦略を立てることができる。
2012年の世界選手権、バーミンガム大会では、エリート決勝で選手が転倒。最後に立ち上がってゴールしたマリス・ストンバーグは、ヘルメットを取り、観客に無事をアピールしながらゴール。
これはよく見る光景。
しかし、選手はゴールをするまでヘルメットをとってはいけないので、マリスは失格となり、準決勝5位だったジョシュ・メイヤーズが、繰り上げ8位となった例もある。
またTIOGAが開発中のOS20というタイヤサイズは、ルール上使用可能な最大タイヤ周長に目をつけて、子供用と同じ外径のタイヤを作っている。なので、技術はもちろん大切だけど、目標を達成するにはたーーーくさんの面で、頑張れるところがあるというのも忘れないでほしい!
ー■好きなモノを見つけて、とことん知り尽くそう!
UCIのルールは毎年のように変わるから、追いかけるのは大変だけど、俺はたくさんの発見があって面白いと思うタイプ!いろんな要素が集まって、はじめて速くなれるのではと、改めて思った週末でした!
今回も数名の保護者が参加してたけど、子供たちと一緒にルールブックなどを見て、もっともっとBMXバカになって、本当に大好きなんだなって感じる選手を久々に見てみたい!
”You’ve got to find what you love”
日本のBMXレース界へ明るいニュースが飛び込んできたので、今夜はRed Bullで乾杯ですね!
【ニュース記事:14歳の畠山紗英が国内BMXレース界初のレッドブルアスリートに!】
日本語翻訳された2014年版最新BMXルールブックはこちらから
これを書いていたらタイムリーな記事もアップされてました。
【関連記事:全日本MTB選手権で與那嶺恵理の降格処分を取り消し スポーツ仲裁パネルが仲裁判断 by CYCLIST】