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栗村修「e-Bike」

Posted on: 2018.06.06
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近年、欧米を中心に「電動スポーツ自転車」のマーケットが大きく拡大しています。

日本に於ける「電動アシスト自転車」というと、これまでは「ママチャリタイプ」が市場の大半を占めてきましたが、欧米ではロードバイクやマウンテンバイクに電動アシストユニットを搭載した完成車が続々と発売され、それらがサイクリストにしっかりと受け入れられつつあります。

私の様に競技者としてロードバイクに乗っていた人間からすると、スポーツタイプの自転車に電動アシストユニットを搭載するのはどこか邪道と感じてしまうものですが、世界では「e-Bike」と呼ばれるスポーツタイプの電動アシスト自転車の市場が急拡大しています。

ちなみに「e-Bike」という呼び方には一定の定義があり、単純に「スポーツタイプの電動アシスト自転車=e-Bike」ということにはなりません。

「e-Bike」とは、車体だけでなく、電動アシストユニットも「e-Bike」用に開発されたものが装備されている必要があり、「シティサイクルタイプ」の様なペダルの軸とは別に電動アシストの力を伝える構造ではなく、電動アシストユニットはペダルと同軸にアシストの力を伝える設計が必須となります。

そのため、余計な抵抗が少なく、ペダルを踏んだ力に純粋にアシストを上乗せできるため、ペダリングのフィーリングもより自然なものになるのです。

そこで、なぜ欧米でこの「e-Bike」市場が急拡大しているかについて改めて考えてみました。

純粋な自転車でもなく、しかし、オートバイでもない、その中間(悪くいえばどっちつかず)にある「e-Bike」のメリットとは???

自転車に長時間乗ろうとするとき、それを阻害するシチュエーションというものに少なからずぶち当たります。代表的な例としては「上り坂」や「向かい風」、そして速いひとにがんばって着いていこうとした時に生じる「オーバーペース」などがあります。

これらはすべてある意味での「過負荷状態」を生み出します。

普段から鍛え上げている選手たちでも、レース前半などに自分の能力を超える様な過負荷を身体にかけてしまうと、それ以降、レースが終わるまでずっと回復しないことがあります。

もし、「電動アシスト」により、一時的に生じる「過負荷状態」のみを回避できれば、自分にとって快適なところのみを自分の力で走れることになるので、それこそ一日中楽しんで自転車に乗ることが可能となります。

要するに「e-Bike」は長時間ライドが可能になるので、結果的にノーマルバイクよりもむしろ良い運動になる可能性が高まるわけです。

日本では、このメリット(使い方)を認識しているひとがまだあまりいませんが、今後「e-Bike」の進化と共にこの事実が広まることで、国内でも「e-Bike」市場が一気に拡大していくように感じます。

AUTHOR PROFILE

栗村 修 くりむら・おさむ/1971年横浜市出身。15歳から本格的にロードレースをはじめ、高校を中退し単身フランス自転車留学。帰国後シマノレーシングで契約選手となり、1998年ポーランドのプロチーム「ムロズ」と契約。2000年よりミヤタ・スバルレーシングで活躍した後、2002年より同チームで監督としてチームを率いた。2008-09年はシマノレーシングでスポーツディレクター。2010年より宇都宮ブリッツェンにて監督。2014シーズンからは、宇都宮ブリッツェンのテクニカルアドバイザーを務めた。現在は、一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役につき、ツアー・オブ・ジャパン大会副ディレクターとしてレース運営の仕事に就いている。JSPORTSのロードレース解説をはじめ、競技の普及および日本人選手活躍にむけた活動も積極的に行なう。 筆者の公式ブログはこちら

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