競輪を子供達が憧れる舞台に!東京五輪に向け村上義弘、武田豊樹等トップ競輪選手18人が選手会を退会
19日、都内ホテルで記者会見が開かれ、現役競輪トップ選手18名が一般社団法人競輪選手会を退会し、財団法人SS11(エス・エス・イレブン)を母体とした新選手会へ移籍することを発表。東京オリンピック開催が決まった一方、衰退を続ける競輪界の現況を危惧し、トップ選手たち自らが大きな行動に移した。
(左から平原康多,村上義弘,新田祐大,武田豊樹,長塚智広)
会見には村上義弘、武田豊樹、長塚智広、新田祐大、平原康多の5人が登壇し、今回の移籍の経緯について語った。
大きなきっかけは、今年9月に決まった2020年東京オリンピックの開催だった。世界一のビッグスポーツイベントの招致に成功し、機運が盛り上がる一方、オリンピック種目でもある「競輪」と世界の「ケイリン」との間に大きな差が生まれていることに警鐘が鳴らされていた。
しかし、その差を埋めるような大きな施策が取られることはなかったため、選手たち自らの意思で活動ができるよう、新選手会をたちあげ、自転車の強化・普及活動も行える体制を整えることとなった。
母体となる財団法人SS11は、2012年に被災地復興支援を目的に、選手たち自らが創設した団体で、アスリートたちによる復興支援チーム「チャリーズ」を結成し支援事業を行っている。
また、その他にも自転車競技の強化・普及活動を行い、JKAに呼びかけてインターナショナルスタイルの競輪レースの開催を来年1月に行うこととなっている。
ーー新選手会の主な活動内容
■オリンピックに出場した経験を次の世代へ伝える活動(育成活動)
■強化活動費用の捻出
■世界に挑戦しやすい環境作り(国内レーススケジュールの調整など)
■東京五輪時に建設予定の自転車競技施設の常設化へ向けた働きかけ
新選手会への移籍に際して、会見に出席した選手たちは、それぞれの思いをコメントした。
村上義弘(2012年賞金王/京都)
「子供の頃に憧れた競輪が、今どんどん縮小してしまっている。もっと子供たちの憧れる夢の舞台であって欲しいと願って今回の移籍を決意した。」
武田豊城(2012年最優秀選手/茨城)
「競輪がどんどんダメになっていく姿をみて選手としてできることは何かということを考えた結果、今回の話へとつながった。」
長塚智広(アテネ五輪銀メダリスト/茨城)
「様々な使命を抱えた競輪ですが、2020年にむけて自転車を普及させることはさらに大きな使命。2020年には、ケイリンでメダルが独占できるように頑張っていきたい。」
平原康多(G1通算3勝/埼玉)
「子供たちの憧れる舞台を作っていきたい。」
新田祐大(ロンドン五輪日本代表/福島)
「僕が競輪選手になったのは、オリンピックでメダルを獲りたいという夢を持ったから。しかし、いまの状況では、出場はできてもメダル獲得は難しい。なんとか五輪でメダルをとりたい。」
現状18人の移籍が発表されたが、他にも多数の賛同者がいるとされ、移籍の流れは今後も続くことが予想される。
◆新選手会移籍選手(12月19日付け)
稲垣裕之、牛山貴広、岡田征陽、小野大介、川村晃司、佐藤慎太郎、佐藤友和、武田豊樹、長塚智広、成田和也、新田祐大、平原康多、藤木裕、伏見俊昭、村上博幸、村上義弘、山崎芳仁、渡邉一成(50音順)
※チャリーズ ホームページ
http://charies.jp/
【関連動画:自転車応援団による被災地応援チーム「チャリーズ」結成】