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新田祐大が出場自粛前最後のレース、共同通信社杯で渾身の勝利「今以上の力をつけて帰ってくる」

Posted on: 2014.05.02
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4月29日、静岡県伊東温泉競輪場で行われたG2共同通信社杯決勝戦は、ロンドンオリンピック日本代表の新田祐大(福島・28歳)が制し、4日制のビッグレースで初優勝を手にした。また、昨年末に選手会脱退を企図したメンバーに名を連ねる新田は、5月1日以降、出場を自粛することとなり、今年最後のレースとなる予定だ。

26日に開幕したG2共同通信社杯の舞台は、333mの伊東バンク。連日目まぐるしい展開の中でハイスピードバトルが繰り広げれた。そんな中、2次予選でバンクレコード(ラスト半周のタイム:9.0秒)を叩き出した新田祐大が好調ぶりをみせた。

今年新田は、3月の日本選手権競輪と、9月のオールスター競輪に照準を定めていた。しかし、選手会脱退騒動により5月1日から出場自粛を余儀なくされるため、共同通信社杯競輪が今年最後のレースとなった。

制裁処分が決定して以降、急遽、共同通信社杯に目標をシフトした新田は、「何としても勝ちたい」という気持ちを全面に出し、盤石の走りで決勝まで駒を進めていった。

対するは、深谷知広、平原康多、稲垣裕之といった、自力先行選手たちも気迫のこもった戦いで決勝に勝ち上がった。

3月に行われた日本選手権競輪で3着惜敗を喫した深谷知広も、この大会にむけてしっかりと仕上げてきた一人だ。

脱退メンバーには入らなかった深谷は、出場を自粛することはないものの、「このメンバーではしばらく戦うことができない。最高のレースを見せたい。」として、高いモチベーションを保ちつづけてきた。

出場を自粛する、しないに限らず、選手たちの「一連の騒動で迷惑をかけたファンに最高のレースを見せたい」という思いは変わらなかった。そしてその思いが、バンクで激突した。

残り2周をきり、最初に主導権を握ったのは、近畿ラインの先頭を担った稲垣裕之。その後、打鐘と同時に後方から深谷が捲りをしかけるが、稲垣の3番手稲川と2番手の村上が立て続けに、ブロック。結果、深谷は、外に膨らみ勝負権を失ってしまった。

そんな前段のもつれを見計らい、万を持して新田が後方から一気に前段を飲み込みにかかる。その勢いは、誰も止めることができず、最終バックストレートで先頭にでるとそのまま一着でゴールを駆け抜けた。

2010年の年末に行われた一発勝負のG1レース「SSカップみのり」以来の2度目のグレードレース制覇。4日制のビッグレースでは、今回が初優勝となった新田。ロンドンオリンピック以降、世界クラスのパワーでG1決勝メンバーの常連となるなか、ようやく優勝という結果を手にした。

レース後、ファンの前で「これが今年最後となるので全力でゴールまでペダルを踏み切りました」と、レース中の思いを口にすると、新田はこらえていた感情があふれ、涙ながらに「僕達は競輪が好きで1戦1戦が懸命に走ってきました。またみなさんの前に帰ってこれるように今以上の力を付けて帰ってきますので、皆さん待っていてください」と語った。

今後新田は、リオ五輪、東京五輪を視野にいれながら、競輪選手として活動を続ける。そして、世界に誇れる競輪選手として活躍することを誓い、更なるパワーアップを狙っていく。

一方で、兼ねてから国内の競輪界では、世界の自転車競技における「ケイリン」と国内の「競輪」とでは別モノとして捉えられ、様々な障壁を乗り越えずにいる。その方向性が交錯したことが、今回の騒動の要因の1つでもあるだろう。

短距離種目において、近年ますます海外選手たちとの差が広がっていく中で、果たして、国内独自の競輪発展をつきつめていくのか、はたまた世界を視野に入れた国際的な競輪発展を目指すのか。競輪界の未来を見据え、今、その方向性をはっきりと示す岐路に立っているに違いない。

【G2共同通信社杯競輪決勝 結果】
優勝 新田祐大(福島・28歳)
2着 成田和也(福島・35歳)1車輪差
3着 岩津裕介(岡山・32歳)1者身差
4着 村上義弘(京都・39歳)
5着 稲川翔(大阪・29歳)
6着 小倉竜二(徳島・38歳)
7着 平原康多(埼玉・31歳)
8着 稲垣裕之(京都・36歳)
9着 深谷知広(愛知・24歳)

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