福島晋一「大事な要素」

Posted on: 2014.02.11

いい質問をいただきましたのでここで答えさせていただきます。(次回のバイクラのコラムのネタにしようかと思いましたが…)お世話になっている方からの質問です。

Q、今までにもこれからのロード界を引っ張っていかなければいけない若い選手達が次々と引退していきます。日本のロード界はどうなっているのでしょうか。東京オリンピックが決まったのに有望な若手選手達が辞めていく現実。その現実を知るにつけ若い選手達が海外を目指す事が、必ずしも本人のためになるとばかりは言えないのでは……と。

A、答と言うと違和感があるので
自分の考えは

どのスポーツ選手もその道で食べていくことは大変なことです。趣味なら長く続けるのは勝手ですが職業とするなら強くなくてはいけません。これはスポーツに限った事ではありません。

まずいラーメン屋、事故るタクシードライバー、太った栄養士…批判は免れません。
いや、間違えました。
栄養士は太っていても良い指導ができればいい訳です(ここがポイント)。

スポーツで強くなるにはハングリーな向上心が必要です。実力があってもヨーロッパに行くとそれなりに苦労します。ましてや、実力がない選手は…

ただ、今回募集しているジュニアの選手の短期渡欧は成年がプロを目指して行くのとは違います。学生の時に海外をみる事に関しては弱くても批判されない事です。本分は学生ですから…(でも選考に関してはもちろん、実力は問いますよ。僕の信用にかかわるので)

強化面から考えると、今後の自転車界に必要な事は若い選手に長く続けさせる事ではなく。内容の濃い強化をして強い選手を量産することだと思います。

今年やめた若い選手は、自分と次のステップで同じスタートラインに立っている訳で、若い分彼らのほうが有利だと言えるかもしれません。

ただ、自分がこの年まで走ったのはただ単に自転車選手の生活が好きだったからです。
これは大事な要素だと思います。

AUTHOR PROFILE

福島 晋一 ふくしま しんいち/岡山県出身 1971年生まれ。20歳からロードレースを初め、22歳でオランダに単身自転車武者修行。卒業後、ブリヂストンアンカーに所属し2003年全日本チャンピオンを獲得。2004年ツアー・オブ・ジャパン個人総合優勝、2010年ツールドおきなわ個人総合優勝。2003年から始めたチーム「ボンシャンス」代表に就任。2013年シーズンを最後に引退。JOCのスポーツ指導者育成制度でフランスのコンチネンタルチーム「ラ・ポム・マルセイユ」の監督として2年間の研修を経て、現在はアジアのロードレース普及を目指しアジアサイクリングアカデミーを主宰している。 アジアサイクリングアカデミー筆者の公式ブログはこちら

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