BMXレーシングW杯最終戦 U23で中井飛馬が金メダル 今季3勝目でシリーズ王者に輝く

Posted on: 2021.11.03

10月31日、トルコで行われたBMXレーシングワールドカップ第8戦で、U23カテゴリーに出場した中井飛馬(日本体育大学)が優勝。5月の第3戦と第4戦コロンビア大会で2連勝を飾り、前週から続いたトルコ4連戦で2度の銀メダルを獲得した日本のエースが、最終戦を金メダルで締めくくった。さらにシリーズ王者となった中井にとって、次世代を担う世界トップレーサーの一人として名乗りをあげるシーズンとなった。

今季3勝をあげてシリーズ王者に輝いた中井 photo:JCF

10月末の2週間にわたり開催されたワールドカップシリーズ第5−8戦トルコ大会。日本チームは、第5戦からUnder23(以下U23)カテゴリーで優勝2回を含む男女計5つのメダルを獲得して最終戦となる第8戦に臨む形となった。

日本チームの負傷者等によるメンバー変更はなく、U23カテゴリーに男子2名、女子5名、そしてエリート女子には、東京オリンピック日本代表の畠山紗英(日本体育大学)が参戦した。

■男子Under23は中井が制し世界で圧倒的な存在感を示した
第5−7戦では全戦で決勝にあがり、2位2回、4位1回を獲得している中井飛馬(日本体育大学)は、最終戦でも予選から安定した走りで決勝へ進出。

決勝ではこれまでの3戦とは異なり、スタートから先頭にたち第1コーナーをトップで立ち上がった中井。第2コーナーで後続の選手の転倒もあり、終始独走状態でレースを進め1位でフィニッシュラインを通過。

今シーズン第3−4戦に続く3勝目をあげ、前日の第7戦終了時に確定していたシリーズランキングトップの実力をみせつけた中井。今シーズンより新設されたU23男子初代チャンピオンの称号を日本へ持ち帰ることとなった。

【レース映像:第8戦男子Under23決勝】

▷中井飛馬 コメント
悔しい展開のレースが続いていたのと、4連戦からの疲労も心配していたのですが、1日のペースをコントロールすることができ、最終戦を優勝で締めくくれたことはとても嬉しいです。

U23では勝ち上がるためのプロセスや、シリーズポイントのプレッシャーなど、新たな収穫を得られたシーズンとなりました。この後はトレーニングの拠点としているアメリカに移動し、来シーズンに向けてもレベルアップに励んでいきます。

最後にコロナ禍の難しいシーズンをフルにサポート頂いた皆さまに感謝しています。応援ありがとうございました。

<W杯第8戦 男子Under23リザルト>
優勝:中井飛馬(日本体育大学)
2位:Gargaglia Giacomo(イタリア)
3位:Bogaert Mathijn(ベルギー)
25位:増田優一(大阪体育大学)

世界に存在感をみせつけた中井 photo:JCF

U23シリーズ王者となった中井 photo:JCF

■Under23女子は藪田の4位でシリーズ3位
日本チームは第6戦で優勝し、3大会連続で決勝進出していた丹野夏波(早稲田大学)が準決勝で敗退してしまったが、優勝を含む2回の表彰台を獲得している籔田寿衣(大阪体育大学)と、第5戦で決勝へ進出した西村寧々花(Gan Trigger)の2名が決勝へ駒を進めた。

決勝では籔田、西村ともにスタートで両脇の選手にブロックされ、後方から追い上げる展開となった。その後、籔田は2つ順位を上げるものの表彰台には一歩届かず4位でフィニッシュ。西村は8位で大会を終えた。

日本チーム女子は、今シーズン全8戦中4戦のみの参戦となったが、籔田がシリーズランキングで3位を獲得。丹野は6位、西村は10位となった。

4戦でメダル2つを獲得した藪田 photo:JCF

今年ジュニアにあがったばかりの西村が2度目の決勝進出を果たす photo:JCF

▷籔田寿衣 コメント
最終戦の決勝では、連日の疲労から理想の展開とはならず表彰台を逃しましたが、今遠征の4戦で1年半の間に取り組んできた成果を出すことができて満足しています。

最後はシリーズポイントでも3位に入れたので、来シーズンはよりコンスタントなリザルトと、世界選手権大会でのパフォーマンスも視野に入れ、オフシーズンのトレーニングに取り組みたいと思います。たくさんの応援、サポート頂きありがとうございました。

<W杯第8戦 女子Under23リザルト>
優勝:rindjonc Lea(フランス)
2位:Petersone Vineta(ラトビア)
3位:Burford Thalya(スイス)
4位:籔田寿衣(大阪体育大学)
8位:西村寧々花(Gan Trigger)
11位:丹野夏波(早稲田大学)
18位:酒井亜樹(桃山学院教育大学)
19位:野村凪沙(Ace Race Australia)

シリーズ3位となった藪田 photo:JCF

▷エリート女子
第5−6戦は決勝に進めず悔しい結果となった畠山紗英(日本体育大学)だったが、前日の第7戦に続き決勝進出を果たした。決勝ではスタートで出遅れ、第1コーナーを8番手で折り返すものの、その後粘り強く順位をあげて5位でフィニッシュ。

オリンピックで転倒し怪我から復帰したばかりの畠山だったが、復帰4戦目にして表彰台の見える位置でレースを終え、次のシーズンにむけて課題と収穫の得る形で締めくくった。

▷畠山紗英 コメント
前日の第7戦に続き、強い気持ちを持って走る展開でレースに臨みました。結果としては5位で表彰台は届きませんでしたが、東京オリンピックでの怪我後初のレースだったので、自分のパフォーマンスと位置を確かめることができ、来シーズンに向けてもポジティブな課題を得ることができました。

2021年は自身のレース人生で一番大きなシーズンでしたが、支えていただいた皆さんに感謝しています。一度日本に帰国し、まずは次なるシーズンへ向けての体制づくりに注力していきます。

<W杯第8戦 女子エリートリザルト>
優勝:Smulders Laura (オランダ)
2位:Stancil Felicia (アメリカ)
3位:Pajon Mariana(コロンビア)
5位:畠山紗英(日本体育大学)

エリートカテゴリーで2戦連続で決勝進出を果たした畠山 photo:JCF

情報・写真提供:JCF日本自転車競技連盟

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