日本チャンピオン窪木一茂がNIPPOに移籍。福島晋一が監督として加入

Posted on: 2015.10.22

2016シーズンより、ロードレース全日本チャンピオンの窪木一茂(くぼき・かずしげ/チームUKYO)が、「NIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザ」に加入することが決定した。18日、イタリア大使館で行われたチーム発表会に出席し、大門宏監督より日本チャンピオンの移籍が発表された。

大門監督は発表会で「窪木はトラック競技でもロードレース競技でも全日本選手権で優勝した経験のある、これまでには類を見ない非常に素晴らしい全日本チャンピオンで、ヨーロッパのレースでも活躍できる力をもっていると期待している。世界で活躍する全日本チャンピオンになってほしい」というコメント共に窪木を紹介した。

来季より窪木は、全日本チャンピオンのタイトルを足がかりにして、日本を代表するタイムトライアル系の選手として、世界のトップレースに挑戦する。


イタリア大使館でのチームのプレゼンテーションで大門宏監督に紹介される窪木一茂

マルチな才能を発揮させる窪木は、学生時代よりトラック競技とロードレース競技を両立し、どちらの種目でも日本を代表するトップ選手。トラック競技では2014年にオリンピック種目であるオムニアム(複合種目)にて全日本チャンピオンに輝き、現在は日本代表として、UCIワールドカップやアジア選手権、世界選手権など国際レースにも多く参戦している。

またロードレース競技では、6月に栃木県那須町で開催された全日本選手権・男子エリートで優勝。全日本チャンピオンの証として、胸元に日の丸が入ったチャンピオンジャージを着用している。

2016シーズン、窪木はまずはトラック競技(オムニアム)で8月のリオデジャネイロオリンピックをめざし、ロードレース競技では、得意なタイムトライアル系の種目を中心に、チームの牽引の要となることが期待されている。

窪木一茂のコメント
「ヨーロッパで走る挑戦権を手に入れることができて嬉しいです。もっと強くなりたいので、今回『NIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザ』に移籍し、ヨーロッパで走ることを決意しました。厳しさに耐えて、ハングリーな気持ちを持って挑みたいと思います。応援よろしくお願いします」


2年間、JOCのスポーツ指導者海外研修に参加した福島晋一

また、来季より福島晋一(ふくしま・しんいち)が監督としてチームに加わる。福島は2007年にNIPPOがスポンサードする「NIPPO・梅丹本舗・EQA」、2013年には現チームの前身である「NIPPO・デローザ」に所属し、2013年をもって42歳で引退。その後は、JOCのスポーツ指導者海外研修員として、フランスのコンチネンタルチームで指導者としての経験を積んだ。

福島はその人柄やキャリアから、日本だけでなく、アジアやヨーロッパ、全世界にコネクションをもち、多くの人から信頼される存在。なかでもアジアについては、マレーシア籍のコンチネンタルチームを立ち上げた経歴があり、現役を引退した今でも彼の人気は衰えず、アジア各地の後輩選手から慕われている。

福島晋一のコメント
「JOCのスポーツ指導者海外研修事業で2年間、コンチネンタルチームであるフランスの『マルセイユ13・KTM』に派遣していただき監督の経験をさせていただきました。ロードレースの本場で日本人がヨーロッパ人を指導した経験は困難が伴う分、得るものも多く、この経験をさせていただいたことに感謝しております。

そして、来季『NIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザ』に加入できることは大きな喜びであり、自分を大きくするチャンスであると受け止めています。今後チームがさらに上のステップに上がるためには、日本人選手がヨーロッパでステップアップして、強くなっていくことが必要不可欠であり、自分の使命はその指導および環境づくりという大切な役目であることを理解しています」

2016シーズンのNIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザ所属日本人選手は4名もしくは5名となる予定。他の選手については、決定し次第、発表となる。

またこの週末は、ジャパンカップサイクルロードレース(UCI1.HC)とツアー・オブ・チャイナ2(2.1)の最終ステージが開催され、ジャパンカップサイクルロードレースは、エースであるダミアーノ・クネゴ(イタリア)とジャコーモ・ベルラート(イタリア)が序盤の落車でリタイアとなったが、ピエールパオロ・デネグリ(イタリア)が13位でゴールした。ツアー・オブ・チャイナでは、ニコラス・マリーニ(イタリア)が、今大会3勝目となる区間優勝をあげ、総合成績は2位でレースを終えている。

チームは20日からは、中国の海南島で開催されるツアー・オブ・ハイナン(UCI2.HC)に参戦。チームにとってはシーズン最後の公式戦となるが、ツアー・オブ・ハイナンは、UCIアジアツアーの最高カテゴリーとなる重要なステージレース。チームは最後まで集中して戦いに挑む。

【窪木一茂プロフィール】
1989年6月6日生まれ(26歳)・173cm/68kg・脚質:スプリンター
福島県出身/学校法人石川高等学校/日本大学卒業

2012〜13年 マトリックスパワータグ所属
2014年 チームUKYO 所属

<主要リザルト>
2010年
全日本選手権トラック ポイントレース優勝、個人追抜優勝
団体追抜(学連チーム) 優勝
2012 年
全日本選手権トラック ポイントレース優勝
ツール・ド・北海道 総合3位
2013 年
第68回国民体育大会 成年男子ロードレース 優勝
2014 年
全日本選手権トラック オムニアム 優勝
ツール・ド・北海道 ポイント賞
2015 年
宇都宮クリテリウム(J プロツアー) 優勝
全日本選手権ロードレース 男子エリート 優勝

【関連動画:2015年全日本選手権ロードレース】

【関連動画:2013年第68回国民体育大会成年男子ロードレース】

(情報・写真提供:NIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザ)

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