NIPPOのクネゴがジロに向けて好調を維持。山本、黒枝がツアー・オブ・ターキーに挑戦
4月26日にイタリアのピエモンテ州で開催されたジロ・デル・アッペニーノ(UCIヨーロッパツアー1.1)で、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザのダミアーノ・クネゴが3位でゴール。クネゴは先日開催されたジロ・デル・トレンティーノでも総合5位に入り、5月9日に開幕するジロ・デ・イタリアに向けて、良いコンディションをキープしている。また、同日にトルコで開幕したツアー・オブ・ターキー(UCIヨーロッパツアー2.HC)にもNIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザは出場。若手スプリンターのニコラス・マリーニや日本人選手の活躍に期待がかかる。
3位でゴールし表彰台に上がったダミアーノ・クネゴ (c) Bettini
24日にジロ・デル・トレンティーノを終え、中1日で石橋学を含むほぼ同じメンバーがジロ・デル・アッペニーノに出場した。同レースは途中に7つのカテゴリー山岳を含む起伏に富んだ191.7kmで開催され、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザはクネゴをエースとしてスタートした。
レースがスタートすると激しいアタックの掛け合いのすえに9選手が先行する展開に。その後、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザは、チーム一丸となり、クネゴのために集団をコントロール。そして残り40km、クネゴが最後から2つ目の山岳で鋭いアタックを仕掛けて、単独で先行。その後、何人かの選手がクネゴに追いつき、残り10kmをすぎてからは、小さな先頭集団で勝利をかけたアタックが続いた。
結果、優勝したのはフィライレ・オマール(スペイン、カハルラル)、2秒差の3位でゴールしたクネゴは、勝利を逃した悔しさは残したものの、ジロに向けて順調な仕上がりを見せ、笑顔で表彰台に立った。
ー■トルコ最大のレース、ツアー・オブ・ターキーに出場
現在、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザは2チーム体制となっており、ジロ・デル・アッペニーノが開催された26日、もう一つのチームはトルコで開催される8日間のステージレース、ツアー・オブ・ターキー(UCIヨーロッパツアー2.HC)の第1ステージに挑んだ。
第1ステージは、トルコ南部の都市、アランニャをスタートして、海岸線を走って、再びアランニャに戻る145kmの平坦コース。逃げが決まるも、UCIプロチームの強力なコントロールにより、ゴールスプリントの展開となり、マーク・カヴェンディッシュ(エティックス・クイックステップ)が優勝。NIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザの最高位はU23カテゴリー、チーム最年少のニコラス・マリーニの17位という結果となった。
ジロ・デ・イタリアへの調整を兼ねて出場している世界の名だたるスプリンターとの厳しい勝負となり、第1ステージではうまく位置取りやスプリントのタイミングが噛み合わなかった。
●「ツアー・オブ・ターキー」出場メンバー
ダニエーレ・コッリ(イタリア)
マッティア・ポッツォ(イタリア)
ピエールパオロ・デネグリ(イタリア)
エドワード・グロス(ルーマニア)
ニコラス・マリーニ(イタリア)
山本 元喜(日本)
アントニオ・ヴィオラ(イタリア)
黒枝 士揮(日本)
監督:マリオ・マンゾーニ/大門 宏
日本人選手は山本元喜と黒枝士揮の2選手が出場。春のベルギーでのクラシックレースでは、強風や石畳といった厳しいトップレースで、ひたむきに耐え忍ぶ走りを経験した両選手。今大会では、その経験を糧にした活躍が期待される。
山本元喜のコメント
「今回はとにかく逃げに乗りたい。ヨーロッパツアーのレースだけど、道が広く、位置取りもしやすいので、チャンスはあると思う。ベルギーでは、集団の最後尾でひきずられるようなレースをたくさん経験したので、それに比べたら集団の前で走るのはラクだし、アタックからの復帰も早くなっている。第1ステージで逃げようと思ったがタイミングが合わなかった。でも、集団の前でアタックに参加することができたので、明日からのステージでも狙っていきたい。」
黒枝士揮のコメント
「今までのヨーロッパのレースでは、集団についていくことで精一杯だったが、今回は平坦基調のステージが多いこともあり、ゴールスプリントに参加することが目標。今回はやっとスプリントができると思う。エーススプリンターのマリーニと一緒にいい形にもっていき、チャンスがあれば、前でスプリントをしたい。第1ステージでは、ゴール前の位置取りで仕事をしたために、スプリントをすることはできなかったが、またチャンスはくると思うので、頑張りたいと思う」
27日の第2ステージは、アランニャからアンターリャまで、平坦基調の182kmで開催される。
情報・写真提供:NIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザ