NIPPOのスタッキオッティがプロ初勝利!ツール・ド・北海道 第1ステージ
9月11日から13日まで、3日間の日程で開催されているツール・ド・北海道(UCI2.2)。11日に開催された第1ステージで、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザのリカルド・スタッキオッティ(イタリア)が、ゴール手前1.5kmから先行して1秒差で逃げ切り、プロ初勝利となるステージ優勝を挙げた。ボーナスタイムも獲得し、2位に5秒差の総合首位となった。

後続と1秒差で区間優勝を挙げたリカルド・スタッキオッティ。
第1ステージは、旭川市から東川町までの188km。中盤を過ぎるとアップダウンが増え、3級、2級の2つの山岳を越えてゴールをめざすコースレイアウト。開会式後、5つの大学生チームを含む全19チーム、94選手がスタートを切った。
レースがスタートするとすぐに「狙っていた」と言うジャコーモ・ベルラート(イタリア/NIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザ)を含む3選手の逃げが形成された。他に逃げているメンバーは2014年全日本チャンピオンの佐野淳哉(那須ブラーゼン)と、ベルラート同様に逃げを得意とするCCT P/Bチャンピオンシステムのマシュー・ゼノヴィッチ(ニュージーランド)。それぞれに逃げ切りたいと思っており、思惑は一致。タイム差は最大で12分まで開いた。
しかし、中盤を過ぎてゼノヴィッチが脱落し、急速にメーン集団が追い上げたことで、逃げ切りの展開は難しくなってくる。終盤になって、すべての選手がメーン集団に吸収されると、そこからNIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザが積極的にアタックを仕掛け、集団を活性化させていく。一連のペースアップにより、この時点で集団は30名ほどまでに絞られてしまう。
その後も、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザの山本元喜やイウリィ・フィロージ(イタリア)らが次々にアタックを繰り返し、一時はダニエーレ・コッリ(イタリア)が単独で先行する場面も見られたが、どのチームもステージ優勝をかけて、必死に追いかける。
集団は一つにまとまったまま、決定的な動きはなく、残り2kmを通過。そして一瞬の隙をついて、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザのスタッキオッティが単独でアタック。タイムトライアルやスプリントに強いオールラウンダーのスタッキオッティはそのままフィニッシュラインをめざし、最後は後ろを振り返る余裕を見せながら、メーン集団に1秒差で逃げ切り勝利を挙げた。
ボーナスタイムを獲得し、2位に5秒差で個人総合時間賞も獲得。またポイント賞も獲得した。また、チームメートのベルラートも、2つのカテゴリー山岳をどちらも先頭で通過し、山岳賞を獲得。チーム総合時間賞も含めて、第1ステージでの各賞はNIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザが独占する結果となった。

ツール・ド・北海道2015 出場メンバー。左からベルラート、山本元喜、スタッキオッティ、コッリ、フィロージ
リカルド・スタッキオッティのコメント
「今日は、自分向きのコースだった。チームメートが逃げていたおかげで、集団内で落ち着いてレースを進めることができ、終盤になってもチームメートたちの動きは素晴らしく、また強かった。おかげで完璧なレースができた。また日頃から支えてくれている日本のスポンサーにも感謝したい。今日の結果が、日本のスポンサーの皆さまへの恩返しになればいいと思う」
ジャコーモ・ベルラートのコメント
「狙っていたとおりの展開で、うまく逃げに乗ることができてよかったと思う。山岳賞を獲得することができたし、最後はチームメートがステージ優勝することができた。今日獲得した山岳賞ジャージを最終日まで守りたい。明日からチームは、総合リーダーを守ることになるが、うまく作戦を立てて、山岳賞ジャージもイタリアに持って帰りたいと思う」
大門宏監督のコメント
「スタッキオッティは我々のメインスポンサーであるヴィーニファンティー二の本拠地があるアブルッツォ州で育った選手。そういう意味でも、彼のプロ入り初勝利はスポンサーへの最高のビックニュースになったと思うし、大変価値のある1勝だった。
今日はスタートから我々の思惑どおり、作戦が的中した。逃げに乗ったベルラートが順調に山岳ポイントを獲得したことも、チーム全体の士気向上に繋がったと思う。後半に入ってのメンバーの動きもそつがなく、すごく良かった。日本人選手として唯一走ってる山本も終盤のアタックは素晴らしく、味方にとっても勇気づけられたと思う。ベルラートが些細なことで手首を負傷してしまうなど明日以降、チームにとって不安材料がないわけではないが、迷わず攻撃させていきたい」
チームに貢献した終盤の走りが評価された山本元喜。

総合リーダージャージを獲得したスタッキオッティはプロ初勝利となった
第2ステージは、美瑛町からスタートし、標高1000mを超える十勝岳を登って、美瑛に戻る難易度の高い162km。各チーム総合優勝を狙ううえで非常に重要なステージとなる。
●ツール・ド・北海道 コース概要
第1ステージ 9月11日(金) 188㎞
旭川市(S:春光台公園)〜鷹栖町〜士別市〜名寄市〜東川町(F:キトウシ森林公園前)
第2ステージ 9月12日(土) 162㎞
美瑛町(S:丸山公園前)〜富良野市〜上富良野町〜美瑛町(F:丸山公園前)
第3ステージ 9月13日(日) 200㎞
鷹栖町(S:役場前)〜秩父別町〜当別町〜石狩市〜札幌市(F:モエレ沼公園)
●ツール・ド・北海道 公式サイト
http://www.tour-de-hokkaido.or.jp/
(情報・写真提供:NIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザ)