ツール・ド・北海道 第2ステージはコッリが制しNIPPOが連勝! スタッキオッティが総合首位
9月11日から13日まで、3日間の日程で開催されているツール・ド・北海道(UCI2.2)は、大会2日目、12日に開催された第2ステージは、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザのダニエーレ・コッリ(イタリア)が30名ほどに絞られた集団でのゴールスプリントを制して、ステージ優勝を飾った。第1ステージのリカルド・スタッキオッティ(イタリア)の勝利に次ぐ、区間2勝目を挙げました。尚、スタッキオッティは総合首位を守っている。
第2ステージは、美瑛町をスタート/ゴール地点として、富良野を通り抜け、大会唯一の1級山岳となる十勝岳を登り、アップダウンを繰り返してゴールする162kmのレイアウト。今大会でもっとも難しいステージと言われており、さらに、ときおり強い雨が降りしきる悪天候下でのレースとなった。
スタッキオッティが第1ステージで優勝したことによって総合リーダーとなり、NIPPO・ヴィーニファンティー二・デローザは、総合首位の証であるグリーンジャージを守る立場でスタートした。しかし、第1ステージを終えて、34選手がわずか11秒のタイム差につける接戦状態となっており、登坂のスペシャリストのいない同チームは緊張感をもってのスタートとなった。

スタートラインに並んだ総合リーダーのリカルド・スタッキオッティ(中央)と山岳賞リーダーのジャコーモ・ベルラート(右)
NIPPO・ヴィーニファンティー二・デローザは、「総合で遅れている選手を逃がして、登りで狙いたいチームに集団のコントロールをさせる」という大門監督の作戦どおりの展開となり、1選手が単独で先行し、1級山岳が始まると15名ほどの有力選手が乗った追走集団が形成された。
当初、ここに山本元喜が入っていたが、スタッキオッティの総合首位を守るために、山本は後ろのメーン集団に戻り、チーム一丸となって、追走集団を捉えようとペースアップを図ることとなった。
総合リーダーのスタッキオッティが遅れた状況は、総合成績逆転を狙うチームにとっては絶好の展開。11名まで人数を減らした追走集団は懸命にゴールまで逃げ切ろうと走る。
総合リーダーのリカルド・スタッキオッティが十勝岳の登坂区間を越える
しかし、長い下りの区間で、NIPPO・ヴィーニファンティー二・デローザが巻き返しを図り、追走集団を捉えると終盤には30名ほどのメーン集団が形成された。
追走集団は、ゴール手前4km地点で単独で逃げていた選手を捉えると、集団ゴールスプリントの展開となった。NIPPO・ヴィーニファンティー二・デローザチームのスプリントエースはダニエーレ・コッリ。先行していたイウリィ・フィロージ(イタリア)がミスコースしてしまうトラブルもあったたが、すかさず体制を立て直し、スタッキオッティがリードアウトする形でゴール前でコッリを発射させた。
フィニッシュラインを越えて、嬉しそうに両手を挙げたコッリ。5月のジロ・デ・イタリアでは観客のカメラと接触して激しく落車し、上腕骨を複雑骨折。厳しいリハビリを乗り越えての勝利にチームは歓喜に包まれた。第1ステージでも区間6位に入賞していたコッリはポイント賞でもトップに立った。
ダニエーレ・コッリのコメント
「また勝利することができて、とても嬉しく思っている。チームメート全員がお互いのために走り、完璧なチームプレーの日だった。たくさんのスポンサーの皆さまが会場に駆けつけてくださっており、今日の勝利を日本のスポンサーの皆さまに捧げたい。9月、10月は大切なレースが多く控えている。今日の勝利を一つ目の勝利にしたいと思う」
ポイント賞リーダーとなり、ブルーのリーダージャージを獲得したダニエーレ・コッリ
スタッキオッティは、途中ボーナスタイムを2秒獲得し、無事に個人総合成績首位を守った。また着順に応じたボーナスタイムにより、コッリが3秒差の総合2位に浮上した
リカルド・スタッキオッティのコメント
「登坂が得意ではない自分にとって厳しいステージだった。チームメートに助けてもらったおかげて、総合首位をキープできた。明日もけっして簡単なステージではないと思うが、頑張りたいと思う」
大門 宏監督のコメント
「UCI2クラスでの勝利とはいえ、大ケガで2ヶ月近くバイクに跨ることもできず、厳しいリハビリトレーニングに励んできたコッリにとっては思い出深い1勝になったことだろう。そのことが監督としても何よりも嬉しかった。
今日はチームにとって最もつらい戦いを強いられたステージだった。リーダージャージマジックの威力かもしれないが、スタッキオッティも上りでも良く耐え抜き驚かされたが、ベルラートやフィロージ、山本のサポートも素晴らしかった。
後半に入ってからもアタック合戦が激しく予断を許さない状況が続き、見守る監督としては最後の最後まで不安感が拭えなかった。選手には失礼な話だが正直、勝てるとは思わなかった。あれだけの苦戦を強いられながら最後も勝てたことは彼等にとっても自信になったと思う。
明日は200kmと距離も長く、悪天候も予想され、再び厳しい攻防戦になると思うが、これまでの2日間の勝利により築いた“自信”と“勢い”も武器に勝利をめざしたい」

リーダージャージを守ったリカルド・スタッキオッティ
●ツール・ド・北海道 出場メンバー
山本 元喜
ダニエーレ・コッリ(イタリア)
ジャコーモ・ベルラート(イタリア)
イウリィ・フィロージ(イタリア)
リカルド・スタッキオッティ(イタリア)
監督:大門 宏
●ツール・ド・北海道 公式サイト
http://www.tour-de-hokkaido.or.jp/
●ツール・ド・北海道 コース概要
第1ステージ 9月11日(金) 188㎞
旭川市(S:春光台公園)〜鷹栖町〜士別市〜名寄市〜東川町(F:キトウシ森林公園前)
第2ステージ 9月12日(土) 162㎞
美瑛町(S:丸山公園前)〜富良野市〜上富良野町〜美瑛町(F:丸山公園前)
第3ステージ 9月13日(日) 200㎞
鷹栖町(S:役場前)〜秩父別町〜当別町〜石狩市〜札幌市(F:モエレ沼公園)
大会最終日の第3ステージは、鷹栖町から札幌市まで、大会最長距離となる200kmで争われる。2級山岳、3級山岳を越えるものの、終盤にかけて平坦なので、タイム差のつかない集団ゴールスプリントの展開になることが予想される。
情報・写真提供:NIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザ