ツール第8ステージ 新城の元チームメイト、カドリが独走で優勝。チームヨーロッパカーは歯車が噛み合わず

Posted on: 2014.07.13

2014年ツール・ド・フランス、初の山岳ステージとなった第8ステージが12日に行われ、序盤から逃げを決めたブレェル・カドリ(AG2Rラモンディアール)が、最後は独走で山頂フィニッシュを制した。マイヨジョーヌ争いもコンタドールの度重なるペースアップにより激しくなっている。新城所属のヨーロッパカーはチームの歯車が噛み合わず、この日、目立った成績を残すことはできなかった。


スタート前、昨日のステージ、チーム総合1位で表彰を受けるチームヨーロッパカー(Photo Miwa IIJIMA)

ツール・ド・フランス第8ステージは、序盤に平坦が続き、ゴール30km手前から2級山岳が連続。そして最後は3級山岳の頂上でゴールを迎える161km。

コースの特性上、逃げ切る可能性が高いステージと言うこともあり、チームヨーロッパカーはエースのトマ・ヴォクレール、またはセリル・ゴッチェの2名どちらかを必ず逃げに送り込む作戦。セリルには新城が、トマにはケビン・レザがそれぞれ逃げのアシストを付けるほど周到に準備して臨んだが、どのチームも逃げ切りを狙う考えは同じで、前半から激しいアタック合戦が繰り広げられた。

新城は逃げに送り込むためのアシストとして動くが、簡単には逃げが決まらず、結局、チームヨーロッパカーから逃げに選手を送り込むことが出来なかった。その後、チーム全員が取り残されたメイン集団は、逃げグループとのタイム差を8分以上まで許すこととなった。


序盤の激しいアタック合戦(Photo Miwa IIJIMA)

終盤の山岳に入る手前で逃げ集団から、シルバン・シャバネル(IAMサイクリング)飛び出すと、ブレェル・カドリ(AG2Rラモンディアール)が追走。山岳に入り、シャバネルを抜き去り、そのまま独走体制へ。冷たい雨の降りしきる中、今大会最初の山頂ゴールを制した。

新城は、序盤は逃げに選手を送り込むために働き、後半はピエール・ローランのアシストとして走るが、2級山岳登り口、集団のペースがあがりメイン集団から脱落、20分32秒遅れの163位でゴールした。


山頂ゴールのため、レース後チームバスまで下る防寒をする新城(Photo Miwa IIJIMA)

レース後、新城は「今日、優勝したブレェルはプラニャック時代のチームメイト。素晴らしい勝利におめでとうと言いたい。しかし、チームとしては作戦通りにいかず、失敗。レースはなかなか思い通りにいかない、ちょっとコミュニケーションミスなところもあった。

明日はきついステージになりそうだが、タイムアウトの時間制限が厳しいので、気持ちを切り替えて、頑張らなくてはいけない。明日、明後日をいい形で乗り越えて、中盤戦に臨みたい。」と語った。

第9ステージは山岳地帯のアルザス地域へ。ジェラールメをスタートし、ドイツ、スイス、フランスと3か国の国境にほど近いミュルーズにゴールする170km。スタート直後の2級山岳からはじまり、3級山岳が3回、2級山岳が1回、1級山岳が1回とかなり難易度の高い過酷なステージとなる。

【第8ステージ結果】
1位 ブレル・カドリ(フランス/AG2Rラモンディアール)  
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン/ティンコフ・サクソ)+2’17”
3位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア/アスタナ)+2’20”
4位 リッチー・ポート(オーストラリア/チームスカイ)+2’24”
5位 ティボー・ピノ(フランス/フランセーズデジュー)+2’28”
163位 新城幸也(日本/ヨーロッパカー)    +20’32”

【個人総合成績】
1位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア/アスタナ)
2位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク/アスタナ)+1’44”
3位 リッチー・ポート(オーストラリア/チームスカイ)+1’58”
4位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド/オメガファーマ・クイックステップ)+2’26”
5位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)+2’27”

(記事:TeamEuropcar PR Manager Miwa IIJIMA)

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