ジロ・デ・イタリアは、27日、最難関山岳ステージ、第16ステージを迎え、時より降雪のある厳しいコンディションの中、ナイロ・キンタナ（コロンビア／モビスター）が優勝。同時に総合首位の座に躍り出た。新城もトップから44分７秒遅れの158位でゴールしている。

山頂ゴール手前。最終グループで上ってきた新城(Photo Yuzuru SUNADA )

第16ステージ　コースプロフィール

最後の休息日を終え、いよいよ最終に突入した第97回ジロ・デ・イタリア。第16ステージは、今大会のチーマコッピ（最高標高地点）であるステルヴィオ峠を越し、最後2059mの山頂フィニッシュを迎える、最難関山岳ステージだ。

朝から冷たい雨が降り、山頂の天気が心配される中、スタート前にはマリアローザを着用していたリゴベルト・ウラン(コロンビア／オメガファーマ・クイックステップ)が、山での天候悪化を考慮し、危険回避のためペースを抑えていくよう、他の選手たちに同意を求めた。

しかし、それには賛同できない、といった様子で反論したのが、山岳ジャージを着用するジュリアン・アレドンド（コロンビア／トレックファクトリーレーシング）だった。その後、しばらくコロンビア人選手２人の口論が続いたが、レースは予定通りスタートを切った。
　
そして、最初に口火を切ってアタックしたのは、やはりアレドンド。雪の壁に覆われた坂をひたすら上り、そして、寒さに震えながら下る。2700mを超えるステルビオ峠では、案の定、雪が降りだすものの、それでもレースは続いていった。

最後の１級山岳に入るころには雨も小降りになり、先頭の選手はチームヨーロッパカーのピエール・ローランを含む３選手。後続に大きなアドバンテージを付け、３選手での山頂ゴール争いとなった。

ゴール手前６km地点、一番勾配がきつい(斜度14%)の坂でのデットヒート(Photo Miwa IIJIMA)

ゴール手前でさらにペースアップしたのは、 ナイロ・キンタナ（コロンビア／モビスター）。このペースアップに付いていけずピエールは脱落。キンタナはそのまま逃げ切り、ステージ優勝とともに、総合トップに浮上。マリアローザを獲得した。

３位でゴールしたピエールも総合４位に浮上し、総合３位のカデル・エバンスとは５秒差。ジロ初出場で総合ベスト３入りが見えてきた。新城は、最後の大きな集団でゴール。ギリギリのタイムではあったが、158位で山場を乗り切った。

斜度14％の上り坂、写真中央・新城(Photo Miwa IIJIMA)

「この寒さは今年のミラノ～サンレモを思い出した。雨が雪に変わって、同じ感じだった。なんとか無事にゴールできてよかった。塩化カリウムなどでしっかり除雪もしてあったし、道路が凍らなかったオーガナイザーの努力と言うか、昨年の(雪でステージがキャンセルになったため。)リベンジへの執念を感じた(笑)。

ピエールがステージ３位に入って総合４位。こんな強いエースがいてくれて凄く刺激になる。今日はスタートから何もしてあげられなかったけど、残り５ステージ、自分の出来る事はしっかりとやって、彼の手助けをしたいと思う。」

と、寒さで苦戦したレースのことよりも、これまでずっとアシストしてきたピエールの総合４位浮上の喜びを語った。

第17ステージは、４級山岳が３つ設定され、細かなアップダウンはあるものの、平坦基調な208kmのレースとなる。新城にとってはステージ優勝を狙う数少ない貴重なチャンスとなる。

【第16ステージ結果】
１位 ナイロ・キンタナ（コロンビア／モビスター）
２位 ライダー・ヘシェダル（カナダ／ガーミン・シャープ） ＋08”
３位 ピエール・ロ－ラン（フランス／ユーロップカー）　　 　＋1‘13”
４位 ウィルコ・ケルデルマン（オランダ／ベルキン）　　　　　　　　　 ＋３‘32”
５位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ（イタリア／AG2Rラモンディアール）＋3‘37”
86位 別府史之（日本／トレックファクトリーレーシング）
158位 新城幸也（日本／ヨーロッパカー）

【個人総合優勝】
１位 ナイロ・キンタナ（コロンビア／モビスター）
２位 リゴベルト・ウラン（コロンビア／オメガファーマ・クイックステップ）＋1‘41”
３位 カデル・エヴァンス（オーストラリア／BMCレーシング） ＋3‘21”
４位 ピエール・ロ－ラン（フランス／ヨーロッパカー） 　　＋3‘26”
５位 ラファル・マイカ（ポーランド／ティンコフ・サクソ）　　　　　　 ＋3‘28”

【大会オフィシャルページ】
http://www.gazzetta.it/Giroditalia/2014/it/index.shtml

（記事：TeamEuropcar　PR Manager Miwa IIJIMA）