ガールズサマーキャンプ2010リポート Day4

Posted on: 2010.08.19

 
 18日、後半戦に入ったキャンプは、自転車競技強豪国オーストラリアからのゲストコーチを迎えた。スプリント種目の元世界チャンピオンで、現在は同国トラックナショナルチームでジュニアのコーチを務めるショーン・イーディー氏だ。今月15日までイタリアで行われていたジュニアトラック世界選手権を終えてそのまま来日。長旅の疲れも見せず、早速この日は全てのグループのトレーニングを見て回った。海外からのコーチ招聘は、今キャンプ目玉の一つ。選手育成のプロフェッショナルがどのような仕事をするのか、注目を集めた。

 午前9時、イーディー氏が最初に視察を行ったのは、前田佳代乃や石井寛子ら代表クラスの選手が集うトップグループ。チームスプリントや団体追い抜きを想定したタイム計測が行われており、まずはその様子を静かにじっと見つめた。そして、イーディー氏がアドバイスを行ったのは、このトップグループを率いる日本のコーチ陣に対してだった。選手たちがバンクの上部からスピードをつけて駆け下りる(いわゆる「山おろし」の)際、バンクの傾斜を利用していかに合理的なライン取りを行うかが、タイム短縮の基本的かつ重要なポイントであることを身振りを交えてレクチャーする。選手たちへの実際の指導はあくまでも日本のコーチ陣に任せた。アドバイスの内容以前に、コーチと選手との信頼関係を重視する姿勢が垣間見える。当然と言えば当然のことであるかも知れないが、こうした判断をごく自然に、しかも瞬時に行うイーディー氏の姿からは、選手たちだけでなく日本のコーチたちにとっても大いに得るものがあったのではないだろうか。

(続く)

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