ロード日本チャンピオン萩原麻由子がUCIレースで2戦連続3位入賞

Posted on: 2015.06.03

女子ロードレース、現日本チャンピオン萩原麻由子(WIGGLE HONDA)が、5月末に行われたUCIレースで2戦連続3位入賞を果たした。昨年、日本王者に返り咲き、再び日の丸を纏ったチャンピオンジャージを着て世界挑戦を続ける萩原。2013年に移籍を果たして以来、思うような結果を残せずにいたが、3年目にして、いよいよその才能が輝き始めようとしている。


Day2:スプリントでは勝てなかったがクライマー萩原が新たな可能性を感じさせた。(photo:Bart Hazen)

■5月30日 Grand Prix de Plumelec-Morbihan Dames(108km)
1、GUTIERREZ RUIZ (Sheyla LOINTEK TEAM U23)
2、BIDEAU Sandrine (DN-TEAM FEMININ REGION CENTRE)
3、HAGIWARA Mayuko (WIGGLE HONDA)

萩原コメント
「絶好の勝機を逃してしまいました。小規模とは言えどもやはり優勝は難しいと感じました。明日こそがビックレースで正直完走できるか分かりませんが、今日のこともあるので、しっかり働けるよう頑張ってきます!」


Day1:Grand Prix de Plumelec-Morbihanで3位入賞の萩原麻由子。(photo:Bart Hazen)

■5月31日Gooik-Geraardsbergen-Gooik (138km)
1、Gracie Elvin (Orica-AIS)
2、Ellen van Dijk (Boels-Dolmans)
3、Mayuko Hagiwara (Wiggle Honda)

萩原選手は前日のレース後にフランスブルターニュ地方からベルギーへ800kmの車移動をこなし、ベルギーのレースに参戦。

このレースは、ミュールバンヘラズベルゲンや、ボスベルグなど過去にプロのフランドル1周で使われた石畳の激坂を通過するクラシックレース。激坂を通過した後の集団は23名に絞られ、ラスト25kmではEmma Johansson(Orica-AIS)、Katarzyna Niewiadoma(Rabobank-Liv)、Elisa Longo Borghini(Wiggle Honda)等の有力メンバーの3名が抜け出すが、集団に吸収。

Gooikのゴール周回に入ってからGracie Elvin(Orica-AIS)、Ellen van Dijk(Boels-Dolmans)、萩原麻由子(Wiggle Honda)がアタックに成功し最後まで逃げ切った。最後は3名によるスプリントとなり萩原が3位に入賞した。


Day2:この後、少人数に絞られた集団から3名の逃げに加わった。(photo:Bart Hazen)

萩原コメント
「二日とも、展開に乗れた結果でありました。そこでの3位は自分のこれからの課題だと思っています。連日チームのエースの勝利を中心にレースを組み立てています。しかし、エースは当然マークが厳しくなる為、その裏を突いた展開の流れに乗れての今回の結果でした。

「強いチームに所属しているから」ならではの展開であったとおもいます。チームの動き、キャプテンの指示は常に的確でした。こういった素晴らしい選手と共に働け、学べる環境は、自分にとって宝物であり、より学べるよう成長していきたいと思っています。

中でも2つ目の3位、Belgium/Gooikでのレースは、最終局面で有力選手から付き切れし、自分のチームが乗っていない有力な逃げを逃してしまい、あわや大惨事を迎えるところでしたが、1周10キロをかけ単独で追いつけたことは今後の自信に繋がりました。

来週はアメリカ、PhiladelphiaでのW杯参戦予定です。チームの勝利に貢献できるよう、しっかり準備して臨みたいと思います」


Day2:ゴール後、チームメイトの祝福を受ける萩原。(photo:Bart Hazen)


Day2:左のバンデイクはTTを得意とし2013年世界選個人TTで優勝している。(photo:Bart Hazen)

ベルギーを拠点に、長年海外のロードレース界を見てきた元プロロードレーサー橋川健氏(現;チャンピオンシステム監督)は、今回の萩原の成績についてコメントし、今後の活躍に期待を膨らませた。

「欧州に来て壁にぶつかり厳しい思いをしている日本人選手は多いと思う。萩原選手は欧州のチームに移籍して今年で3年目。国内で敵無しであった彼女が欧州で壁にぶつかり、乗り越えている姿は今の男子選手にも大きな希望となり目標となると思います。

昨年はジロの山岳ステージで区間3位など「力勝負」で結果を残していたように感じていたが、今回のレースはテクニック、スピード、判断力等、駆け引きやテクニックを含めた総合的な力による結果であり、大きなステップアップを感じました。今後、オリンピックや世界選手権などのビッグイベントも含め今後のレースでも期待しています。」

All photo:Bart Hazen/Wiggle Honda photographer
情報提供;橋川建(チャンピオンシステム監督)

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