トラックW杯カリ大会最終日 田畑真紀が橋本聖子以来の日本新記録

Posted on: 2010.12.20

コロンビアのカリで行なわれているトラックワールドカップ第2戦は現地時間19日、3日目・最終日の競技を行った。女子ケイリンこそ前田佳代乃の予選落ちと残念な結果だったが、男子スプリントでは北津留が4位、女子オムニアムでは田畑が日本記録の好走を見せるなど、今後につながる走りが随所に見られた最終日だった。

オーストラリア勢以外の有力選手47名がエントリーした男子スプリント。日本からはナショナルチームの北津留翼とチームシクロチャンネルの新田祐大・柴崎淳の3名が参加した。この日活躍を見せたのは、今シーズン調子をあげている北津留だった。まず予選の200mタイムトライアルを5位のタイム(10秒226)で決勝進出を決めると、続く1/8決勝ではアメリカのワトキンスを力の差を感じさせる戦いでねじ伏せ、難なく1/4決勝へと駒を進めた。次の相手はコフィディスのペルヴィス。前日のケイリンでも2位に入った強豪だ。北津留は頭脳プレーで1本目を先制したものの、2本目では後手後手に回りあっさり敗北。勝負の行方は3本目に持ち越された。

レースを終えた北津留に真っ先に駆け寄っていったのは、前日ケイリンで辛酸をなめた渡邊一成(写真右)だった。すでに出場競技はすべて消化した渡邊だが、冷静に試合を見つめ、勝つ為に何をすればよいのかなどコーチ役として仲間をサポートしていた。北津留は、そんな渡邊らに最後の期待を抱かせた選手だ。試合前の機材準備から、メンタルな部分でも北津留をサポートしていた彼らになんとか報いようと臨んだ3本目では、北津留本来の爆発的なスプリントが冴え、見事勝利をおさめた。その後1/2決勝ではシロー、3-4位決定戦ではボジェに破れ、惜しくも表彰台を逃した北津留だが、前メルボルン大会に引き続いての活躍で、本人は手応えを掴んだに違いない。新田祐大は17位、柴崎淳は35位で予選敗退となった。

<男子スプリント結果>
1位 K. シロー(フランス)
2位 C. ホイ(イギリス)
3位 G. ボジェ(フランス)
4位 北津留 翼(日本)
5位 F. ペルヴィス(コフィディス)
6位 M. クランプトン(イギリス)
7位 S. ウェブスター(ニュージーランド)
8 T. スミス(カナダ)
17位 新田祐大(シクロチャンネル)
35位 柴崎 淳(シクロチャンネル)

女子オムニアムは前日に引き続いて残りの種目、3km個人追抜、スクラッチ、500mタイムトライアルの3レースが行なわれた。元冬季五輪銀メダリストの田畑真紀はこの日、3km個人追抜で日本記録となる3分47秒132をたたき出し、関係者を驚かせた。94年にアメリカのコロラドスプリングスで橋本聖子が出した3分47秒969を16年ぶりに更新する歴史的な記録だ。2ヶ月前に行なわれた全日本選手権では3分59秒826だったタイムを、コンディションが違うとはいえ、12秒以上も縮めたことになる。総合では14位に終わったが、レース後のコメントで「タイムが伸び自分が成長しているのが(実感できて)楽しい」と語った田畑。当面の目標はトップ10入り、そしてもちろんロンドンオリンピックでのメダル獲得も視野に入れているに違いない。1戦ごとに進化していく銀メダリストの新人。今後の活躍が楽しみだ。

<女子オムニアム 田畑真紀各種競技結果>
フライングラップ(200m)19位
ポイントレース 4位
エリミネーション 19位
3km個人追抜 14位 ※日本新記録タイム
スクラッチレース 11位
500mタイムトライアル 13位
総合成績 14位

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