腰山雅大「シクロクロスを共に戦うNatureboy853をご紹介」

Posted on: 2015.12.22

今シーズンも走り出してから既に8レース、C1へ昇格を果たしてから5レースを消化している現在ですが、全くのトラブル無しに走りを支えてくれている僕の愛車をご紹介したいと思います。

というのも、地元で走る時、または地方に出た際にSSCXならではの疑問やパーツチョイスを問われることが結構多くて、一度まとめてしまおうと思っていた次第です。

写真は昨日の東海クロスで前川くんに押さえて貰いました。本当いつもありがとうございます。

フレームですが All-City Cycles “Natureboy853”、身長170cmでサイズは49cmを選んでいます。乗ったサイズ感は、ほんの少しトップが短め、ホイルベースはかなり短め。僕は取り扱いのしやすさ重視でこのサイズを選びました。無理したら1つ上のサイズも乗れなくないでしょうが、、ステム短くしたり少しビジュアルに難が出る気がします。

実はNatureboy / Natureboy853 / MachoMan / MachoKing モデルは全てジオメタリが同じで、共通してサイズ選び出来ます。唯一はSSCXモデルがトラックエンドの為、チェーンステイが短く数値は設定されているくらいです(実際は調整が聞くので、全て同じにも出来ると思います)

肝心のギア比は38T/19Tの2.0です。以前C3の時は2.1111を踏んでいましたが結局は後半踏めなくて辛い。現在は60分レースなので2.0がトータル的に調子良いです。ハブもコグもSurlyのモノを使用しています。フリーにスペーサーを入れれば比較的どんな多段用ハブでもSS化出来ます。

ただコグは気を付けなければいけなくて多段用はNGです。変速しやすいように歯が設計されてあるので、複数枚から一枚拝借して取り付けると間違いなくチェーン落ちします。僕も最初これに悩まされました。SS用のものを取り付けましょう。

ほか駆動系で良く質問されるのは、どうやってタイヤ交換しているのか、です。いわゆる普通のトラックエンドであれば、ナットを15mmで緩めてチェーンを緩めて・・・という手はずですが、ご覧の通り特殊な形状なので少し工夫してます。

KMCから出ているミッシングリンクというジョイントを付けておいて専用工具で外します。で、チェーンが取れたらクイックを緩めて後方に引っこ抜く、以上です。これならテンショナーを動かす必要も無いです。

チェーンの張りは、張り過ぎず緩過ぎずの丁度よい頃合いで工具があれば充分外すことが可能、チェーン切った時にスプロケから落としてまたチェーンをくっつけておけば、よりロスなくタイヤ交換可能です。計ったことないけど、たぶん20秒くらい。

あとこれはレースでの考え方ですが、タイヤ交換での数秒をロストするのが惜しければ、それこそSSCXじゃなくても良いんじゃないの、、、というのもあります。シリアスレースをするなら代車も良いですが、そういうの抜きに向き合えるSSCXのスタンスが僕は好きなので、パンクさせないように乗ったり、パンクしたら終〜わり、くらいの感じでここまでレースを走ってきています。好きずきです。

タイヤはチューブレスです、今のところ。IRON CROSSは軽くて良いんですが、水が入ると抜けにくいので小さいドリルで穴空け加工して、普段はテープで蓋をしています。

タイヤはMaxxisのMUD WRESTLER。低圧でのサイドウォールのしなりや、全体的なグリップ力は凄く気に入っています。ただ、33mmのタイヤ幅がかなりギリギリな設定のようで、C1での招集 → タイヤ計測で何度か注意されました。1.7気圧なら問題なく、2.1気圧超えたときは「次から気をつけて」と注意されています。難しいですね・・・。

チューブレス、というのはコスト的にも扱い方でもかなり的を得た商材だと思います。シーラントひとつでチューブが不要になるし、タイヤリムの組み合わせ次第ではコンプレッサーすらいりません。そして安い。

ただグリップに関しては、どう考えてもチューブラーの方が格段に上。色んなシチュエーションでチューブラーの自転車を借りて走行してみましたが、僕はそう断言します。速度域の高いレースを走ると、ましてやそれが全身の筋肉が疲労して、頭もまともに思考が出来ない状況で、コーナーにタイヤを放り込む際の微調整って本当に難しいんですよね。

特にSSCXはコーナーの抜けでの減速をとにかく減らしたいので、僕はそのうちチューブラーにする予定でいます。ホイル組み直したりもあるし面倒なので来季くらいでいいんですが、タイヤは出来れば表面が少し固めでサイドに腰があるような特性のモノをチョイスしようと思っています。

ハンドル周りです。バーテープはLizard SkinsのDSP2.5mm。太すぎず細すぎず、グリップ力は雨でも変わらず最高です。ブレーキはBMXライダーというアピールで(いちびって)右後ろ左前設定。ハンドル周りがすっきりしていると気持ちいいですね。

ブレーキはベンベルデンも使っていたTRPの油圧。ブレーキというか、スイッチ的な感覚のタッチが気に入っていて、コンディションの悪いレースも走ることを考えると、今後カンチを選ぶことは無いです。ステムとポストは僕の所有する700C全てトムソンで統一しています。

トップチューブに貼ってあるのは、YETIの雪男をパロッたシール。

僕がシクロクロスを始めるにあたって、諸先輩方はなんでも喜んで教えてくれたし、それがあっての今。僕もそうありたいですし、何か気になる点があればレース会場などでもお気軽に聞いてください。

ちなみに今週は水曜祝日はくろんど池。モトクロスインターナショナルもブース出展するので、レース以外はブースにいてます。そして週末は東海シクロクロス各務ヶ原へ参加します。是非会場でお会いしましょう!

AUTHOR PROFILE

腰山雅大 こしやま まさひろ/1986年4月10日生まれ。兵庫県出身。 '00年、BMXと出会う。競技を続ける傍ら、BMX専門誌への寄稿、コンテストでのジャッジ、MC、競技大会の主催など、マルチに活動をする。'14年にシクロクロスを始める。変速機のないシングルスピードの車両(SSCX)で参戦を続け、現在カテゴリー1を走る。'15年からアメリカ、ミネアポリスの自転車ブランド “All-City Cycles” のライダーとして活動をする。趣味はコーヒー。 ◆筆者の公式ブログはこちら ◆筆者のInstagramはこちら

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