2016トラック世界選 オムニアム出場の窪木一茂が16位で日本のリオ五輪出場枠が確定
3月2日よりイギリス・ロンドンで開催されているUCIトラック世界選手権。大会3日目から4日目にかけて複合種目の男子オムニアムが行われ、日本代表として出場した窪木一茂(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)が全種目を終えて16位。日本のリオ五輪出場枠を獲得した。
写真:オムニアム1種目目スクラッチレース、緊張した面持ちでスタートラインに立つ窪木一茂
2012年よりオリンピックの正式種目となったオムニアムは、2日間の日程で、短距離のタイム計測種目やゲーム性の高い中距離種目のポイントレースなど6種目で争われる競技。5種目目(スクラッチレース、4km個人追い抜き、エリミネーションレース、1kmタイムトライアル、フライングラップ)までの合計ポイントを持ち点として、最終種目のポイントレースが行われ、ポイントレースでの勝者が、この種目の勝者となる。
窪木一茂は、短距離のタイム計測種目で伸び悩み、初日を暫定17位で終え、2日目の1種目目・1kmタイムトライアルで順位を16位に上げると、その順位のまま最終種目となるポイントレースに挑んだ。
得意なポイントレースでは、終始積極的に走り、集団を2回ラップすることに成功。多くのポイントを獲得したが、15位とのポイント差は大きく、最終的に16位でレースを終えた。優勝したのはコロンビアのフェルナンド・ガヴィリア。上位3選手が同ポイントという白熱した僅差の勝負を制した。
■男子オムニアム 結果
1位 GAVIRIA RENDON Fernando(コロンビア) 191pt
2位 KLUGE Roger(ドイツ) 191pt
3位 O’SHEA Glenn(オーストラリア) 191pt
4位 VIVIANI Elia(イタリア) 189pt
5位 HANSEN Lasse Norman(デンマーク) 181pt
6位 CAVENDISH Mark(イギリス) 161pt
16位 窪木一茂(日本) 93pt
日本のリオ五輪出場枠は、日本よりもランキング下位の国が今大会には出場していなかったため、今大会で確実なものとなった。UCI(国際自転車競技連合)の正式な発表を待つ必要があるが、日本は初めてオムニアム種目でオリンピックに出場することとなり、1名の選手が日本代表として、オリンピックで戦うこととなる。
日本代表チームを指揮するトラック中距離の飯島誠ヘッドコーチは、「候補は窪木一茂と橋本英也(鹿屋体育大学・NIPPO)の二人に絞られている」と断言。これまでの成績や、8月のリオ五輪までに期待される伸び幅などが考慮され、代表選手を決定する。
窪木一茂のコメント
「目標にしていた10位には届かず、16位という結果を残念に思っています。オリンピックのセレクションを考えていたので、その意味でも悔いの残る結果でした。スクラッチやエリミネーションで1桁の成績を出して、上位との点差が大きく開いていなければ、ポイントレースで1桁の成績を残せたと感じています。
タイム種目では、体重がやや落ちていたこともあり、スピードに乗れず、パワーも少し落ちてしまったと思います。けれど、気持ちを切り替えて、最後のポイントレースに臨もうと思っていました。その結果、積極的な走りができたことは良かったです。ポイントレースでは順位を上げるために、ペースが速く前に出るのは難しかったですが、もう1ラップできれば、順位も大きく上がって良かったと思います。
オリンピックの選考を含めて、今後のスケジュールは未定ですが、まずはイタリア語を覚えて、ヨーロッパでのロードレースに挑みたいです」
本人ブログ
http://ameblo.jp/every-day-steadily123/
写真上:12位で終えたエリミネーション。写真下:2種目目、4kmの個人追い抜きを走る
●大会公式サイト
http://www.trackcyclingworlds2016.london
窪木一茂は、今大会後イタリアへと渡り、所属するNIPPO・ヴィーニファンティーニと合流。ヨーロッパでの本格的なロードシーズンをスタートさせる予定。
記事・写真提供:NIPPO Racing Project