日本人初!長迫吉拓がBMXヨーロッパ選手権で3位表彰台「次はテッペンからの景色をみてみたい」

Posted on: 2014.04.29

4月26日、27日の2日間、フランスのブザンソンでBMXヨーロッパ選手権の第3戦と第4戦が行なわれ、日本から出場した長迫吉拓(Team HARO)が第4戦で3位表彰台に上がった。この大会で日本人が表彰台にあがったのは初めてのこと。レースを終えた長迫からレースレポートが届いた。

■「次はテッペンからの景色をみてみたい」長迫吉拓によるレースレポート

今回のコースの大きな特徴は、スタートヒル。高さが2〜3mと低いため、傾斜はなく、ほぼ平地を漕いでいるような感覚でスタートすることとなった。また、長い第1ストレートはパワー勝負となり、各コーナーはタイトで勝負をかけられるところがたくさんあった。

ヨーロッパ選手権は、ヨーロッパ独特のルールで行なわれ、チャレンジクラスを午前中に終わらせて、午後からチャンピオンシップクラス(Jr, Jr女子、Elite, Elite女子)のレースを行う。

レースは、全部で25ヒート程で、ジュニア女子、ジュニア男子、エリート女子、エリート男子と言う順番で予選が進行していき、エリート男子が1本目の予選を待っているときに、後ろにはすでにジュニア女子が予選2本目を待っているという、超タイトなスケジュールでレースが進行していく。

レース間の休憩は15分ほどしかない上に、長いコースだったので予選終了後、半数以上の選手が気持ち悪さで嘔吐していました。

そうした中、1日目のシリーズ第3戦は、足の疲れが限界にきてしまい、レースを続けるのが精一杯でした。準決勝は5位で、1人追いつかず、決勝に残れませんでしたが、良い感覚を掴めました。

翌日の2日目は、予選から第1ストレートだけ1位で通過して、あとは体力を温存しながら走りました。その後2-3-1位で通過。この時は、まだ足の状態は良い感じでした。

1/8決勝辺りから、徐々に調子を上げていきましたが、準々決勝後には足が動かなくなり、呼吸も正常に戻るまで時間がかかってきました。それでも、すぐに準決勝がきてしまい、不安しかありませんでしたが、まわりの選手も同じ状況だというのも分かっていました。

前日の悔しい思いと、最低ラインと考えていた決勝に残りたかったので最後の力をだそうとスタート8コース(アウトコース)から良いスタートが切れて4位で1コーナーを立ち上がり、3位でゴール。決勝に残る事ができましたが、ゴール後、足は固まり、呼吸もできず、とてもしんどかったです。

決勝は、選手のプレゼンテーションがあるので、ゆっくり進行するので、ギリギリまでテントで休憩し、マッサージを受けていました。

決勝ゲートに立ったとき、まだ走れる力はあると感じることができました。スタートは悪くなかったのですが、前には出て行けず5位ぐらいで1コーナーに進入。

選手の内側に突っ込んで行き4位で1コーナーを立ち上がり、その後3位の選手と並び、2コーナーで外から被せて3位で立ち上がる事が出来ました。しかし、第3ストレートのプロセクションで大きく失敗。失速して後ろから抜かれるかと思いましたが、なんとか耐えて3位でゴールできました。

ゴールした直後に、コーチから大きなハグをしてもらい、とても嬉しかったですが、あまりの疲労で、その後20分歩けませんでした。レースを振り返えってみると、よく耐えられたなという気持ちです。今まで経験した中で1番体力とメンタル的にキツいレースでした。

ヨーロッパを拠点にレース参戦はじめて3年目。今まで数回決勝には残った事はありますが、ようやく表彰台をゲットできました。表彰台に登るときに足を吊ってしまいましたが、表彰台から見た光景、たくさんの人に祝福されている瞬間はとても気持ちがよかったです。次はてっぺんからの景色を見てみたいです!

また、大会パンフレットに僕を取り上げて頂いたことで、レース中200人近いキッズがサインを求めにきてくれました。すごく嬉しく、海外にも認められた1人のトップレーサーになってきていると実感しました。正直、表彰式後のサインは大変でした(笑)が、これも一つの励みになりました。

■三瓶将廣「目標に向かって着実にステップアップしている」
長迫の結果を受けて、長年海外挑戦を続けてきたBMX界の第一人者、SYSTEMATIC BMX代表の三瓶将廣もコメントした。

「ヨーロッパ中から強豪が集まり、世界的にみてもタフとされるヨーロッパ選手権シリーズ(年間12戦)での表彰台はすごいニュースです!中継映像を見ていても、予選からトップ争いをしていて、確実に決勝へ進める実力をつけている感じました。

今年の初めに聞いた目標でもあった、「決勝進出で満足せず、決勝で勝負をするレベルになりたい」と言うところへ着実にステップアップ出来ると思う!」

【ヨーロッパ選手権第4戦 男子エリート結果】
1. Joris DAUDET (FRA)
2. Sylvain ANDRE (FRA)
3. Yoshitaku NAGASAKO (JAP)
4. Edzus TREIMANIS (LAT)
5. Vincent PELLUARD (FRA)
6. Rihards VEIDE (LAT)
7. Jelle VAN GORKOM (NED)
8. Rémi RICCARDI (FRA)

【動画:長迫が3位に入ったヨーロッパ選手権第4戦決勝】

【写真提供:長迫吉拓】

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