Jプロツアー初戦「しもふさクリテリウム」

Posted on: 2012.03.12

クラブチーム、プロチームの選手達がしのぎを削る実業団ロードレース「Jプロツアー」。その初戦となる今大会は、新チームの参戦もあり、華やかなレースとなった。その筆頭が、元F1ドライバーの片山右京が監督を務める「チーム右京」。日本を代表するスプリンター辻善光を擁するとあって、チーム初戦にもかかわらずいきなり優勝候補の最右翼と目されていた。

スタートラインには、若手育成のため鈴木真理が立ち上げた「Cannondale Spacezeropoint」、奈良基等が所属する「Peugeot Cycles Nippon」、昨年度のチャンピオンチームで今シーズンからライトブルーの新ジャージで臨む「シマノレーシング」、毎年ステップアップを重ね着実に力をつけている「宇都宮ブリッツェン」など豪華な顔ぶれが並んだ。

まず午前中に行われた予選で、96名の選手が49人の選手に絞りこまれる。この日は、3月11日。日本人にとって決して忘れる事のできない日である。スタート前、全選手及び観客による黙祷が捧げられ、犠牲者の霊を慰めた。

そして行われた決勝は、一周1.5キロのコースを50分+2周で争われるクリテリウム・レース。緩やかなカーブが幾つか設けられたサーキットのようなコースレイアウトだ。

決勝に7名の選手を送り込んだ宇都宮ブリッツェンとチーム右京が数的優位を武器に、主導権を握ろうとアタックを繰り返す。それに反応するのはシマノレーシングやスプリント勝負に持ち込みたくない選手たち。集団は伸び縮みを繰り返すが、大きな逃げは決まらぬまま周回を重ねていく。集団内ではスプリンターたちが息をひそめるようにその出番を待っていた。

レースは50分が過ぎ、残り2周になったところで飛び出したのは昨年度惜しくも年間総合2位となった宇都宮ブリッツェン増田とヨーロッパ遠征帰りのシマノ平塚。実力者のアタックに場内騒然となったが、その逃げも最終周回には吸収されてしまう。勝負の行方はいよいよゴールスプリントに持ち込まれた。

最初に仕掛けたのはシマノ、今季加入した入部に連れられ鈴木譲が勝負に出る。そのラインについて行こうと、チーム右京の辻も必死に食らいつくが進路を阻まれるような形で失速。元日本チャンピオンの鈴木真理も食らいつくが一歩及ばず、鈴木譲がガッツポーズと共にゴールラインを駆け抜けた。

決勝3名で挑んだシマノレーシング。畑中というエースがいない中で、レース展開を冷静に見極めチャンスをものにした。今季は夏にヨーロッパ遠征も予定しているというが、幸先の良いスタートとなった。2位には鈴木真理。期待された辻善光は3位に終わった。

初戦で表彰台に上がったチーム右京の片山監督は、「チームの初勝利も近い」とレース後、興奮気味に語った。シリーズ次戦は来月7日・8日に南紀白浜空港で行われるチームタイムトライアルとクリテリウム。10月下旬の「輪島ロードレース」まで全16戦、熱戦が期待される。

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