ガールズサマーキャンプ2010リポート Day1

Posted on: 2010.08.16

 
 女子選手育成プロジェクトが大々的に始動した背景には、2012年のロンドン五輪における女子トラック競技種目数の増加がある。前回大会の北京五輪(08年)の3種目から、ロンドンでは5種目に拡大された。「ケイリン女子」と、短・中・長距離の複合種目「オムニアム」が新たなオリンピック種目となっている。今や女子選手の強化と育成は世界的なトレンドとなりつつあるが、そもそも日本では女性の自転車競技人口が著しく低いという現状があった。自転車競技未経験者やロンドンのその先を担う中学生などにも門戸を開いた今回の試みに、関係者は期待を寄せている。

 参加選手たちの中で最も注目を集めているのは、先のバンクーバーオリンピックでスピードスケート団体追い抜き銀メダルに輝いた田畑真紀(35歳・ダイチ)だろう。冬季オリンピック4大会出場の実績を持つ田畑は、どんな距離もこなすオールラウンダー的資質を具えている。今年5月から、ロード主体の本格的な自転車トレーニングを行ってきたという。自転車競技でのオリンピック出場についても、「狙って行きたい」と意欲を隠さない。オールラウンダーの脚質を活かしたオムニアムか、それともロードか。共同インタビューでは早くもそんな質問が飛び交う。

 田畑真紀の他にも、他競技でのオリンピック出場経験者が2名参加している。渡辺ゆかり(29歳・トリノ五輪スピードスケート)と岡村育子(33歳・北京五輪ホッケー)だ。岡村はレース競技出身ですらなく、自転車は全くの未経験だという。明日はこの二人をはじめ、自転車競技未経験者たちのチャレンジを紹介していく。

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