ツール・ド・フランス2010 新城会見「次はブエルタに出たい」
3時間13分20秒遅れの112位で2度目のツールを完走した新城は、大会を振り返り、「グランツール3回目、ツール2回目だったので、余裕を持ってレースに挑むことができた。(レース以外の)生活も去年のツールの経験をしっかり活かすことができました。去年より応援に来ている人が多かったので、ツールの応援を聞きながら走ってました」と、昨年よりの成長を自ら分析してみせた。
――チームが2勝し山岳賞も獲得した。
「嬉しいですね。パリの表彰台には、わずかなチームしか上がれない。そこにBboxが上がってしかもステージは去年と同様に2勝。みんないいツールだったと締めくくっています」
――今年の最高成績は、第11ステージの6位でゴールスプリントだった。
「今回のツールの中でいちばん形的にうまくいった。しっかり力を出せて、足の調子も良かったステージです。これが毎日続けば僕もスプリンターとしてやろうと思うけれど、たまにしかいい足の状態にならないので。これが毎回10着以内に入れるようになれば、タイプ変更でスプリンターになろうと思いますが、今のところはアタッカーというスタイルを貫きたい」
――このツールで逃げを決められなかった点について。
「逃げられなかったのは残念ですけど、逃げられないなりにも今年は山岳賞を守るための動きやスプリントに去年より重点を置いたりして、しっかりそのステージステージで目標があったので、すごくやりやすかった。逃げなくてもその日は完走で終わりというわけではなく、次の日の仕事や展開があったので、毎日が充実してました」
――来年のツールは、現在Bboxブイグテレコムチームの拠点があり、新城の居住地でもあるレゼサールの街でチームタイムトライアル(第2ステージ)の開催が予定されている。
「僕の住んでるシャトーの目の前がスタート地点。まあ、頑張るでしょうね。フランスで3番目に長く住んでるヴァンデ県なので、地元の人にも応援してもらえると思う。その前に、ツールのセレクションでメンバーに残れるよう頑張りたい」
――今後のプランについて。
「今度はブエルタですかね? 今の僕の感覚ではそんなに疲れてないですし、ツールも気持ち良く終わったので走れる気はしますが、監督と相談して決めます。個人的な目標は、世界選手権に選んでもらえれば、(今年は豪メルボルンで開催される)世界戦は僕向きのコースで上りは厳しくないので、そこでスプリントに絡んで10着以内を目指したい」
――最後に沿道やテレビで応援してくれたファンにひと言。
「みなさんの応援が力になって2回目のツール完走に繋がりました。今後は引き続き好調のまま、ヨーロッパで今年中に1勝したいです。それまで見守ってください。応援ありがとうございました!」
ツール2年連続出場と完走はもちろん日本人初の快挙だ。完走だけを目標とした感のある去年にくらべ、今年は安定した走りでステージ優勝すら期待される存在となった。アシストとして完璧に近い走りを見せ、他チームのビッグ選手たちの間でも注目されつつある。新城の今後の成長にますます期待したい。
Report: Chiho Iwasa
Photo: Yuzuru SUNADA