ツール・ド・フランス2010 新城・ゴールスプリントで6位!
休息日に行われた共同記者会見で、自身が狙えるステージとしてあげていた第11ステージ。いつもはチームバスにこもっている新城だが、この日はスタート前にビラージュ(選手や招待客が入れるブースが集まった所=写真)でくつろいだ。「チームとしては、(現在山岳ポイント2位の)シャルトーの山岳ジャージを取りに行くような動きはしないです。今日はスプリントじゃないですか。10人以上の逃げができたら、乗って行きます」とリラックスしながらも、気合十分のコメントを残していた。
レースは始まってすぐに3人の逃げ決まってしまい、新城の逃げは見られなかったが、予想通り最後はスプリント勝負に持ち込まれ、新城はペタッキやマキュアンといったトップスプリンターたちと競り合いながら、見事6位でゴール。少し前ならツールで日本人選手がトップテン入りするなど考えられもしなかったが、昨年のツール第2ステージのスプリントで5位に入っている新城ならもう驚きはしない。
ゴール後、チームバス内のシャワーで汗を流した新城が、待ち構える報道陣の前に姿を現した。「えっ、6位ですか? さされて7位か8位ですよ」とチームバスの階段に腰をかけて話す。「今日はテュルゴーのアシストでした。うまく連携が行かなかったので、自分でスプリントしました。ペタッキについて行けたらよかったんですけど、速かったですね。(ゴール手前の)コースが下りだったので、すごいスピードでした。ゴール300m手前からの早めの加速でしたが、自分としてはあそこで行かないと前に出られなかったので仕方ないです」とテュルゴーのアシストをしつつも、自分の可能性を試しての6位だったことを明かした。
新城のこの成績にチーム総監督のベルノドー氏は、「スプリンターたちと戦って6位ならいい成績。今はまだパワーが足りないだけ。ユキヤなら来年はスプリントで勝てるようになるよ」と今日の走りを大いに評価していた。
ヨーロッパで初勝利をあげたツール・ド・リムザン(08年)でも新城はスプリントで勝利している。今後は逃げだけでなく、スプリンターとしてもマークされる存在になっていくだろう。
Report: Chiho Iwasa
Photo: Yuzuru SUNADA
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