西谷のロングスプリントは不発。元トラック世界王者テオ・ボスが圧巻のステージ4勝目!ツール・ド・ランカウイ第9ステージ

Posted on: 2014.03.08

マレーシアで行われているツール・ド・ランカウイは、7日、第9ステージが行われ、元トラック競技の世界王者、テオ・ボス(オランダ・ベルキンプロサイクリング)がスプリントを制し3連勝。大会4勝目を飾った。愛三工業レーシングの西谷は残り1kmでロングスプリントを試みるものの、世界トップクラスのスピードを持つスプリンター達に及ばず44位でゴールした。


たくさんの観客が沿道にかけつけた

ここまで、200km前後のロングステージが続いたツール・ド・ランカウイは、残り2ステージを残して、一気に距離は短くなり、111.1kmというショートステージとなった。レースは、クアラトレンガヌ州の郊外バンダーペメイスリの町からスタートし、ゴール地点は市街地の海沿いとなっている。この日のスタートは午後3時。選手達はホテルでゆっくり時間を過ごしてレースに向かうものの、疲れの溜まる中で消耗戦が予想された。


第9ステージコースプロフィール

この日も激しい陽射しの中スタートをきった

レース序盤、集団からカルロス・キンテロ(コロンビア、コロンビア)、ジョナサン・モンサルベ(ベネズエラ、ネーリソットーリ・イエローフルオ)の2人が飛び出す。レース前の総合順位が11、12位の2人にとっては、逆転へ向けた勝負の逃げとなる。その後、メイングループが追走するものの、2人は順調に逃げ続けタイム差を2分前後をにキープしていく。


スタート前の様子

2名の逃げが決まる

途中25km、37km付近に2カ所設けれている4級山岳ポイントでは、モンサルベがトップ通過。翌日の最終日には山岳ポイントがないため、ここまで積極的な逃げをみせ、山岳ポイントを重ねていたマット・ブラメイヤー(アイルランド・シナジーバク)の山岳賞がほぼ確定した。

一方、ポイント賞は激化。途中のスプリントポイントでは、メイングループ内でマイケル・コラー(スロベキア・サクソティンコフ)とアイディス・クルピス(リトアニア、オリカグリーンエッジ)が争う場面も。一時、同ポイントで並んだ2人のポイント賞争いは最終日まで持ち越されることとなった。



連日リーダーチームが集団をコントロールする

レース終盤。タブリーズ・ペトロケミカルがコントロールしてきたメイングループだったが、アンドローニジョカトリ、ベルキン、アスタナが集団牽引に加わると、一気にペースアップ。残り10kmで先頭2人を吸収し、集団一つで最終局面を迎えることとなる。


選手の到着を待つ、キャラバン

ゴール前は道幅も狭く、位置取り争いが激しくなる。残り150m付近にロータリーもあり厳しいスプリントが予想された。そんな中、残り1kmで仕掛けたのは西谷泰治(日本・愛三工業レーシング)。前日、「真っ向勝負では勝機がみいだせないのでロングスプリントにかけたい。」といっていた西谷。有限実行する形で勝負に出た。

しかし、集団はそれを許さない。ロータリー手前で西谷を捉えスプリント勝負に。先行するクルピスの動きを見て、最後に飛び出したのはテオ・ボス(オランダ、ベルキンプロサイクリング)。一気に飛び出し、ステージ3連勝。今大会4勝目を飾った。


テオ・ボスがステージ優勝

レース後、テオ・ボスは「今日のスプリントは、最後に一人で行かなくては行けない状況だったので難しかった。クルピスが先行したのが見えたのでついていけた。グアルディーニとの接戦を制する事ができて、本当に嬉しい。」と語った。


力を出しきった西谷

僅かな望みにチャレンジした愛三の西谷は44位でフィニッシュ。「いつも通り危険なゴール前で、ラスト1kmで先頭に飛び出したけど、500mで吸収されてしまいました。作戦通りですが、思ったよりゴールが遠かったです。とりあえず、集団で流れ込んだら10番手ぐらいはいけたかもしれないけど、一回は勝負したいなと思っていた。とりあえず出しきってどこまで行けるかって感じでした。今日新しい事できたのでまた明日ラストがんばります。」と語った。

【ツール・ド・ランカウイ2014 第9ステージ結果】
1位 テオ・ボス(オランダ、ベルキンプロサイクリング)  2h32’21”
2位 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)   
3位 アイディス・クルピス(リトアニア、オリカグリーンエッジ)   
4位 フランチェスコ・キッキ(イタリア、ネーリソットーリ・イエローフルオ)
5位 ロバート・フォスター(ドイツ、ユナイテッドヘルスケア) 
44位 西谷泰治(日本、愛三工業レーシング)        
98位 平塚吉光(日本、愛三工業レーシング)                    
99位 福田真平(日本、愛三工業レーシング)         

【ツール・ド・ランカウイ2014 第9ステージ終了時 総合成績】
1位 ミルサマ・ポルセイェディゴラコール(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル) 12h09’21”
2位 マラウィ・クダス(エリトリア、MTN・キュベカ)              +8”
3位 イサーク・ボリバル(コロンビア、ユナイテッドヘルスケア)          +11”
4位 エステヴァン・チャベス(コロンビア、オリカグリーンエッジ)         +20”
5位 ペトル・イグナテンコ(ロシア、カチューシャ)               +36”


クアラトレンガヌ沖に落ちる夕日

最終ステージはクアラトレンガヌ市街でのレース内クリテリウムで行われる

◆大会詳細はこちらから

【第9ステージゴール前動画】

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【写真・映像 La tour de LANGKAWI 2014】

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