ツール第15ステージ 新城幸也「まだツールは終わっていない」
ツール・ド・フランス第15ステージ。過去数々の死闘が繰り広げられてきた”魔の山・モンバントゥー”の超級山岳ステージ。戦前の予想では最後に構えるモンバントゥーに備え、レース終盤まではゆっくりとレースが進むと言われていたが、予想に反し終始ハイペースなレース展開でサバイバルレースとなった。
そんな中、モンバントゥーを制したのはマイヨジョーヌを着たクリス・フルーム(スカイ プロサイクリング)。自分の力を誇示するかのように、山中、何度も激しいアタックを繰り返しライバルを次々と引き離す。まさに王者の走りと思わせる力強い走りで、総合優勝へまた一歩近づく勝利を飾った。
厳しい展開に備え、念入りにマシンチェックする新城 (photo Miwa IIJIMA)
以下は、現地からのリポート(記事 飯島美和)
レースは序盤から荒れ模様。各チームがモンヴァントゥーに備え、アタック合戦を繰り広げられる。その結果、10人の選手が先行することとなる。チームヨーロッパカーは、そこにセリル・ゴチェを送り込むものの、後ろから単独で山岳ジャージを着るピエール・ローランが追っていることを知り、先頭集団から離れて後ろを待つこととなる。
ピエールは早い段階で先頭集団に追いつき、3級山岳でもポイントを稼ぎたいと考えるが、レースの平均スピードはどんどん上がっていく。少人数で追いつくにはかなりのリスクがあると判断し、後方のメイン集団に戻り、新城をはじめチームヨーロッパカーのメンバー全員で集団を引く。
しかし、モンバントゥーに入る前にはピエールを先行する集団に戻そうと試みるが、タイム差はなかなか縮まらない。前半から中盤にかけて、少人数で逃げ集団を追っていたピエールは、勝負どころのモンバントゥーに入ったところで、メイン集団からも遅れだし、山岳ジャージを失ってしまった。その後、新城はモンバントゥーを自分のペースで登りきり、142位でゴールした。
「展開に恵まれなかった。21チームも出ているのだから、思惑の違いでこういう日もある。しかし、自分たちが追ったことで、逃げの集団に対してプレッシャーをかけることができたし、守りに入らず攻めた結果。自分の調子も良いし、チームとしてもあきらめてはいない。まだ、ツールは終わっていない!!」と力強く語った。