パリ・パラリンピック トラック競技2日目 川本翔大が個人パシュートで4位「東京の時の4位より悔しい」

Posted on: 2024.08.31

現地8月30日、パリ・パラリンピックはトラック競技の2日目を迎え、日本からは、リオ、東京、そしてパリと、3回目のパラリンピック出場となる川本翔大(28歳・大和産業株式会社)が男子C2クラス3000m個人パシュートに出場した。

川本翔大 予選の走り photo Ayako Koitabashi

川本は予選で3分29秒875をマーク。自身初めて3分30秒を切り、これまでの自己ベストを3秒近く縮める見事な走りで予選4位。

3位決定戦に勝ち進み、銅メダルをかけてイギリスのマシュー・ロバートソンとの対戦に臨んだが惜しくも敗れた。

川本にとって3000m個人パシュートはメダル獲得を目指し、実力も実績も積んできた照準種目だった事もあり、レース後はあと一歩メダルに届かなかった悔しさを滲ませたが、持てる力を尽くし、東京パラに続き、パラリンピック2大会連続で堂々の4位入賞を果たした。

川本翔大 3-4位決定戦スタート前 photo Ayako Koitabashi

<川本コメント>
「この種目でメダルを狙っていたので、本当に悔しいですが、予選では自己ベストを出して3位決定戦でもしっかりと今できることはやれたと思っています。ただ、3位決定戦では相手選手に勝つ走りを、と言うところで相手を意識しすぎてしまったかなというのがあります。

東京パラの時は(上位の失格があり)繰り上がりで3位決定戦に行ったんですけど、今回は自分の力で3位決定戦に行けたと思い、その分、東京の時の4位より悔しい気持ちがあります。」

川本翔大 3-4位決定戦レース後 photo Ayako Koitabashi

3位決定戦で対戦したロバートソンは予選3分28秒373と、川本を1秒半ほど上回るタイム。予選から決定戦まで、2時間ほどのインターバルを挟み、決定戦では再び自己ベスト更新する気持ちで臨んだと言う。

<川本コメント>
「3位決定戦は、とにかく相手に勝たないといけないので、勝つには予選よりも速いタイムで走らないといけないって言うのは分かっていました。

予選が終わった直後からケアなど色々なサポートをしてもらい、脚の疲労はそれほど感じていませんでした。自己ベストを狙った走りをしましたが、自分の力不足だったなと感じています。

(所属している)会社の社長とか、皆さんが応援に来てくれていた中でこういう結果は本当に悔しいですけど、またいい形で恩返しできるように頑張ります。

(東京パラ以降のトレーニングの中で)自分でもパワーアップは出来ていると思っていたので、今回は今までよりも重いギアで挑戦しました。

その結果、予選では良かったのでまた次のレースではさらに上のギアを付けて、次は1-2位決定戦で戦えたらと思います。

ずっと、1番を狙って、あのフランスの彼に勝ちたくて(優勝したアレクサンドル・ルオテ)ここまで練習してきたので、悔しんですけど、今回の自己ベストっていうのはひとつ良い形になるんじゃないかと思っています。しっかりまた、次の大会に向けて行きたいなと思います。

1kmでのメダルは厳しいとは思いますが、それでもしっかり上位を目指して走りたいのと、まだあとロードのタイムトライアルもあるので、そこでは今回負けたローバートソン選手にも勝てるようにしっかり頑張りたいと思います。」

男子C2クラス 3000m個人パシュート表彰式 photo Ayako Koitabashi

この男子C2クラス3000m個人パシュートを制したのは地元・フランスのアレクサンドル・ルオテ(写真中央)。川本が勝ちたい相手として掲げるライバルだ。

ルオテは予選で3分24秒298を出し、自らの持っていた世界記録を更新。ベルギーのフロマントと対戦した1-2位決定戦も3分26秒台で走りきり、東京パラに続くこの種目連覇を果たした。

■男子C2 3000m個人パシュート最終順位

金メダルアレクサンドル・ルオテ(フランス)
銀メダルエウート・フロマント(ベルギー)
銅メダルマシュー・ロバートソン(イギリス)
4位川本翔大(日本)

◾️男子C2 3000m個人パシュート結果詳細

予選 https://olympics.com/OG2024/pdf/PG2024/CTR/PG2024_CTR_C73A1_CTRMPURSUIT-02010—–QUAL——–.pdf

決勝 https://olympics.com/OG2024/pdf/PG2024/CTR/PG2024_CTR_C73A2_CTRMPURSUIT-02010—–FNL———.pdf

DJブース photo Ayako Koitabashi

ちなみに競技のインターバル中、会場はDJタイム。なんと昇降式のDJブース(画面中央)がインフィールドに設置されている。

競技中はインフィールドのグランドレベルに留まっているが、インターバルに入るとDJブースは観客席レベルまでせり上がり、天井からはミラーボールがつつつ、と降りて来て観客を巻き込み盛り上がる。レース中はもちろんのこと、レースの合間も常に観客を楽しませ、会場の熱気をさまさない演出が施されている。

選手の特大顔面パネルを掲げてDJタイムを楽しむ観客 Ayako Koitabashi

◾️競技スケジュール(現地時間)

トラック
https://olympics.com/OG2024/pdf/PG2024/CTR/PG2024_CTR_C08_CTR——————————-.pdf

ロード
https://olympics.com/OG2024/pdf/PG2024/CRD/PG2024_CRD_C08_CRD——————————-.pdf

photo&text 小板橋彩子

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