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「Road to Rio Olympic」BMXレース日本代表コーチ三瓶将廣インタビューPart2

Posted on: 2016.03.28
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2008年からオリンピックの正式競技となったBMXレース。ロンドンオリンピック出場枠を獲得できなかった日本代表は、北京オリンピック日本代表の阪本章史選手以来のオリンピアン輩出に向けて世界挑戦が続いている。

悲願のリオ五輪出場に向けた重要なシーズンが開幕した今、日本代表は世界のどの位置にいるのか。また、どのような課題と戦い、強化を進めているのか。ロンドンオリンピック以降、日本代表のコーチに就任した三瓶将廣氏に全3回に亘ってインタビューを行った。

Part2では、世界の強豪国の状況と日本の課題について聞いた。

Q、強豪国の強化についての印象はどのようものでしょうか?見習う点、「さすがだな!」と感じる部分はどういったところでしょうか?

各国違うアプローチで取り組んでいますが、共通して見えてくるのは、競技の入り口の部分で表向きには『BMXを楽しもう!』という姿勢を大事にしているものの、それが自然と強化へのプロセスにも繋がっているという部分です。入り口は広く、多くのライダーに多くの経験を積ませています。

さらに、ここ3-4年ではユースという強化カテゴリーを設けて、世界で戦えるエリート層を育て上げています。競技団体が様々なプログラムを設定し、メインであるナショナルチームの活動ができるように、より良い環境を整えているとを感じます。

また、コーチ陣が役割分担され、各分野フルタイムで選手強化活動に取り組むことを可能にしている点も、目標にしていかなくては行けない点だと感じています。


オランダではロンドン五輪レプリカトラックが建設されるなどハード面も合わせて強化が進められている(photo:Masahiro Sampei)

Q、海外と比較して日本の強化において足りない部分や課題はどういったところでしょうか?

自らが担当し、プログラムを作っている立場として恥ずかしい話ですが、全選手の管理が追いついていないのが現状です。そして、スケジュール上、直接指導できる機会に制限が出てしまいます。

またコーチ活動費を捻出できていないことで、選手の負担が増え、さらに選手が活動できなくなるという悪循環が生まれてしまっています。

システムとしては、海外の動向をうかがいながら、独自性も取り入れて進めてきました。各国のコーチ陣との関係も深め、スケジュールの共有や、海外コースをレンタルする際の練習時間の共有、そしてその合同練習で実現できるトップ選手との練習機会を作り良い環境を整えてきたと思っていました。(BMXは会場をレンタルしての練習が主となり、その際、合同で走れることはもちろんですが、費用面でも大幅な削減が可能となります。1週間で30万円近くかかるところを、6分の1ほどに抑えるなど)

しかし、そのコーチが準備した環境で練習する上で重要なことは、ただメニュー通りこなすことではなく、プラスアルファの部分をどれだけ収穫できるか、ということです。その部分でライバル達との差を生み出すことができなければなりません。つまり、全員が同じことを同じようにやっていては、海外の選手には追いつけないのです。

例えば、他の国の選手と交流をはかり、コースでのインフォメーションの共有、こなしのヒントを貰う。または並走してもらい共に練習を行うことで得られる情報は大きいです。選手であるからこそ、得られる情報も多く、そこで交流を図れるかで彼らとの距離はグンと縮まります。

そんなプラスアルファを手にした選手とコーチの力が合わさった時に、初めて次のステップへ進めるはずです。なので、その辺りの選手の積極性を上げていくことも、今は課題となっています。

自分自身コーチとしては下っ端で、海外のコーチは元トップ選手や、メダリストを輩出するビッグネームばかり。しかし、情報を交換するうえでレベルは関係なく、こちらの提案、要望に相手は答えてくれるということを積極的にみせて伝えてきたいと思ってます。


海外選手たちへの積極的な交流もレベルアップに欠かせない(photo:Masahiro Sampei)

<Part3へ続く>

■Part1「日本の現在の世界ランキングとオリンピック出場条件に対する日本の戦略について

<三瓶将廣(25歳):現BMXレース日本代表コーチ/(社)SYSTEMATIC BMX代表>
三瓶将廣氏は、少年時代から海外を転戦しプロとして活動。日本、アジアで頂点に立ち、2012年のロンドンオリンピック出場を目指したものの、直前の怪我の影響もあり、出場枠獲得に失敗。その後、競技を続けながらも、国内BMX界の状況を危惧し、自ら指導者になることを決意。海外とのコネクションを多くもち、世界のBMXレース最前線を日本に持ち込み、代表選手や国内の若手ライダーたちを指導・サポートしている。

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